希少動植物
・オオゴマダラについて
オオゴマダラ蝶はいつ頃、どこから来て与論島に住み着いただろうか。
鹿児島県では喜界島と与論島でしか生息していなくて、北限は喜界島である。
オオゴマダラ蝶は鹿児島県の昆虫同好会によると、与論島では半定着していると記録されていて、
十数年前までは人家の庭先や海岸端のアザミやフジバカマなどの花で吸蜜している姿がごく普通に見かけられた。
ところがその後は次第に探さないと見つからないまでに個体数が減っていた。
数が少なくなっていく原因はわかっていなかったが、天敵や台風等の災害の要因が大きいと考えて、
平成18年から飼育して放蝶することになった。
蝶の幼虫である食草のホウライカガミが海岸の岩場にしか自生していなかったことから、
食草の減少も要因だろうと考え、食草を育て苗木を配布した。その甲斐があって、
再びオオゴマダラ蝶があちらこちらで見かけられるようになった。
目論見は成功したと思い、その後は自然発生するのに任せていたが、
近年の連続して襲来した台風後にはほとんど見かけることができなくなった。
これまでの経緯を踏まえて、平成27年12月に沖縄から成虫と幼虫と卵を持ち込み飼育を開始している。