東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区 令和4年度 清掃事業年報(リサイクル編) ~23区の資源回収量は約 535,946トン(前年度比 約16,048トン、率にして約 2.9%の減少)

2023年09月29日 18時34分06秒 | 東京23区のごみ

令和4年度の23区の資源回収量は約535,946トン
23区の人口は大きく開きがある。資源回収も総量ではなく1人当たりの回収量の比較を~

 

23区の令和4年度資源回収量が清掃一組HPに掲載された~
平成26年度から、あたらに「ピックアップ回収」という項目ができた。
ごみ集積所等に出された粗大ごみ、不燃ごみから、資源物を取り出してリサイクルする事業
ピックアップ回収は、千代田を除く22区で実施中、

東京二十三区清掃一部事務組合 2023年9月29日

【参考】令和4年度清掃事業年報(リサイクル編)の閲覧〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉(PDF:501KB)

令和4年度 資源回収の状況(概要)
令和4年度における23区の資源回収量(ステーション(集積所)回収・拠点回収、ピックアップ回収、集団回
収)は、約535,946トンでした。
また、回収実績は、前年度と比較して約16,048トン、率にして約2.9%の減少でした。




令和4年度清掃事業年報(リサイクル編)」からグラフを作ってみた~

令和4年度は、行政回収、集団回収、ともに回収量は前年度よりも減少した~
コロナ禍の影響か23区の人口は令和3年度は前年度よりも44,845人減少したものの、令和4年度は28,982人増加、、、

 

●行政回収実績 品目別内訳

例年、紙類が一番多い、、、



 
●ピックアップ回収実績

 

●集団回収実績 品目別内訳

集団回収は圧倒的に紙類が多く全体の93%




●23区の資源回収量推移

紙類の回収量がかなり落ち込んでいるものの、
ピックアップ回収でもごみにせずに資源に、、、
古着や古布,小型家電にetc.、




●資源回収実績(行政回収)品目別推移

行政回収の紙類、回収量の激減はなんとか上向きになったものの、、、
令和4年度紙類は前年度よりも減少





●資源回収実績(ピックアップ回収)品目別推移

粗大ごみからのピックアップ回収は横ばい、不燃ごみからのピックアップ回収も令和3年度、令和4年度と減少、



●資源回収実績(集団回収)品目別推移

集団回収の紙類は、どんどん減少続く、、、
令和4年度も行政回収よりも回収量は少なくなった~




●23区 資源回収(品目別)実績(行政回収) 区別 




●23区 資源回収実績(ピックアップ回収) 区別 

各区ともがんばっていますね、すばらしい!!
練馬区が始めた頃は、そこまでするかと思ったものだが、、、
拠点回収を増やしても、ごみに出してしまう区民も多いので、、
粗大ごみのその他は布団など、不燃のみのその他は電池・蛍光灯・水銀含有物・陶磁器・金属類など


注) ※粗大ごみの「その他」は、中央区は粗大ごみ受け入れ分、港区は木材・羽毛布団、大田区は羽毛布団、世田谷区は羽毛布団、練馬区は布団、足立区は木材・布団です。
※不燃ごみの「その他」は 中央区は不燃ごみ受入れ分、港区はコード類・蛍光灯・小型家電9品目・陶器類・ガラス類・おもちゃ、新宿区はびん・缶・ペットボトル・スプレー缶・乾電池・蛍光灯ランプ等水銀使用製品、文京区は水銀含有物、台東区は陶器類・ガラス類・水銀含有物・コード類・電池・ライター・缶類・可燃物・その他不燃物、墨田区は蛍光管等・陶磁器、江東区は不燃ごみ受け入れ分、大田区は電池・蛍光管、世田谷区は蛍光管・スプレー缶・ライター、中野区はスプレー缶・空缶類・コード類・可燃物・蛍光灯・管球類・電池・ライター・びん・ガラス・陶磁器くず・段ボール、豊島区は空き缶・蛍光灯・管球類・電池・バッテリー・ライター・びん・ガラス・陶磁器くず・スプレー缶・段ボール・コード、北区はプラスチック・びん・かさ・紙資源・布くず・電池・ガラス・陶磁器・ライター・蛍光灯・電球・塗料缶・体温計・血圧計、荒川区は、蛍光管・コード類・電池類・ガラス類等、板橋区は空缶類・蛍光灯類等・電池・ライター・びん・ガラス・陶磁器くず・段ボール・スプレー缶等、練馬区は蛍光管、足立区はびん・ガラス・陶磁器・紙類・繊維類・プラスチック、葛飾区は蛍光管・スプレー缶・小型二次電池・体温計・血圧計です。

 
●23区 資源回収実績(集団回収) 区別

集団回収は古紙が中心





 

23区の紙類の回収状況

紙類の生産と消費の減少や、古紙回収の多様化などあれど、それでも、国内の古紙の回収量は、消費量を上回っている。中国以外の国への古紙輸出も増えてきてるが、古紙価格の下落などで、古紙回収事業者は採算割れ、集団回収が停止する地域も、古紙回収業界も「集団回収事業非常事態」も、、、

集めた古紙が、製紙会社で使われずにだぶついては困る、、
集団回収の停滞で、古紙がみすみす可燃ごみになるのも困る、、、、
ということで、なんとか、古紙が焼却されずに再生資源として活かされることを願うのだが、、


●紙類回収実績の推移

回収量の激減は、なんとか持ち直していたが、、、
令和2年度、3
年度と、行政回収の回収量が集団回収を上回る、
どちらも前年度よりも減少、、


●【紙類】行政回収分類 

令和4年度、「新聞」「雑誌・雑がみ」「段ボール」「紙パック」のいずれの品目も回収量は前年度よりも減少、、、




●【紙類】集団回収分類 

令和4年度、「その他の紙」は若干増加、




●区別 【紙類】 行政回収・集団回収実績

☆中野、荒川、目黒は行政回収を止めて集団回収に一元化。
世田谷区の紙類回収は、行政回収が8割を超えている、、
多くの区では、集団回収に力を入れているが、その割合も集団回収の回収量減少で、、、、、、





●行政回収実績推移

令和4年度、千代田、港、品川、豊島、板橋、江戸川は前年度よりも回収量が増えている。そのほかの区は減少続く、、




●集団回収実績推移


令和4年度、千代田、中央は前年度よりも回収量が増加、、そのほかの区はすべて減少、、





 

☆23区 プラスチックなどの回収状況

全ての区で古紙、缶、びん、ペットボトルの回収は行っている。

プラスチックに関しては、容器包装プラスチックの回収を行っていない区も、食品トレイや一部のプラスチック類の回収はしているが、、、


● 行政によるペットボトル回収

赤枠のある区は指定法人ルート、しかし、各区の回収総量と、容リ協会上期、下期の申込とかなりの差がある区は、独自ルートでも売却しているのだろう。葛飾区は2021年度から葛飾区・全国清涼飲料連合会『ボトルtoボトル取り組み』 、、墨田区も2024年度から「『ボトルtoボトル』アサヒ飲料のPET商品に再利用」、、令和4年度は、杉並、板橋、練馬は独自ルートとの併用かな?
関連(本ブログ)
容器包装リサイクル協会 令和4年度 PETボトルリサイクルの落札結果 ~23区の再商品化事業者は~2022年09月12日
容器包装リサイクル協会 令和5年度下期 PETボトルリサイクルの落札結果 ~23区の再商品化事業者は~2023年09月05日





● 集団回収によるその他回収

荒川区は、基本的に、資源は集団回収なので、ペットボトルも集団回収で集める。
たぶん、集団回収分ペットボトルも、指定法人ルート。荒川区の集団回収はかなり特殊なので、民民というより、かなりの行政関与型。集団回収にかなりの報奨金を出しても、行政回収よりもコストはかからないのだろう?


●23区プラスチック製容器包装(ペットボトルを除く)
令和4年度からは大田区、渋谷区、北区、荒川区も指定法人ルートの契約開始、、
台東区は令和5年度から契約開始、、、ほぼすべての区で容器包装プラスチックの分別回収、併せて製品プラスチックの回収が始まる予定、、、

関連(本ブログ)
令和4年度 容リ法指定法人ルートのプラスチック製容器包装落札結果、23区の再商品化事業者は~ 2022年04月08日
令和5年度 容リ法指定法人ルートの「プラスチック製容器包装」「分別収集物」落札結果、23区の再商品化事業者は~ 2023年04月07日



 




●23区 蛍光管、乾電池、布類、廃食油、使用済小型家電の回収(行政回収)  
※紙類、びん、缶、ペットボトル、容器包装プラスチック類を除く品目

2020年以降は廃蛍光管等は埋立処理はできなくなる、、

気になるのは23区は「有害ごみ」の区分がないので、水銀含む廃棄物も区によってさまざまである。拠点回収やピックアップ回収は増えたけど、今も、「不燃ごみ」の扱いの区はある。しかし、東京都は、平成32年までのできるだけ早い時期に、廃蛍光管等の埋立を終了する」とした。各区とも、廃蛍光管等の分別回収が必要になるのだが、、ステーション回収、拠点回収、ピックアップ回収で、蛍光管の回収実績のない江戸川区はどうなっているのか?

また、23区清掃一組では、不燃ごみの可燃分は清掃工場で焼却しているので、、、水銀廃棄物が不燃ごみに入ると相応のリスクもある、、、

国内で製造される乾電池も、水銀ゼロとはなっていても、廃棄される乾電池はまだまだ水銀を相当含んでいる製品もある。(参考:中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案) 不燃ごみ中の総水銀・含有重金属など

●23区 蛍光管・乾電池 回収状況(令和4年度)

 

●23区行政回収(製品プラスチック、スプレー缶、電池、蛍光管、陶磁器など)

陶磁器の回収も、墨田区や中野区でニュースになっていたので、増えるかと思ったが、ステーションも拠点でも回収はなし。しかし、不燃ごみからの陶磁器のピックアップ回収は港区、新宿区、台東区、墨田区、中野区、豊島区、北区、板橋区、足立区と増えつつある、、

●23区 布類、古着回収の状況 

古着回収も定着してきた、
江東区は、区民まつりでの回収、区内施設での定期的に巡回回収を実施している。

 

とりあえず~


関連(本ブログ) ごみ量等は↓↓
23区清掃一組 「清掃事業年報(令和4年度)」 -23区のごみ量は区収集ごみと持込ごみを合わせて2,540,156.06トン、前年度より55,546.31トンの減少-2023年09月02日
23区清掃一組 令和4年度「清掃工場等作業年報」、稼働実績、故障件数、電力使用量、CO2排出量など~2023年09月16日

 


 

参考までに、、、

江東区民なので、、、(残念ながら、昨年引っ越しで江東区民でなくなったが、、、)
江東区のごみ量とリサイクル量で年度推移をみてみると、、、

●江東区のごみ量推移(区収集ごみ)

区収ごみ、1人当たりのごみ量は令和4年度は23区のなかでは杉並、中野、練馬に次いでに次いで少なく464g/人/日となった~

 

●江東区 リサイクル量推移

資源回収は、容器包装プラスチックはじめ、各種品目の行政回収を推進しているが、、、
やはり、紙類の回収量減少で全体の回収量、1人あたりの回収量に大きな変動も、、、
集団回収のほとんどは古紙回収である


●江東区 リサイクル実績(行政回収)種類別推移

 

●江東区 電池・蛍光管回収実績推移

なにが言いたいかというと、、、
水銀含む廃棄物の回収、拠点回収や店頭回収だけでは回収量はあまり期待できない、、、
やはり、、可能な限り、集積所、ステーション回収が望ましい、、
とはいえ、蛍光管などは日常的にでてくるものではないので、この先はどうなるか?
平成30年度以降、ずいぶん減少傾向が続く、、

 

とりあえず~
 
 
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