東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)説明会に参加した。新施設は埋立ゼロ対応施設にしてほしい~

2018年07月24日 20時10分14秒 | 東京23区のごみ

清掃一組「中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)説明会(パワーポイント画面集)(PDF:1,490KB)」から

 

今頃やっと更新~

7月7日(土曜日)の有明清掃工場での説明会に参加した~
有明清掃工場のごみバンカが見たくて、開始の30分も前に行ったのだが、、、ダメダだいうことで、みることはできなかった、残念、(有明清掃工場のごみは97%は事業系の持込ごみ、その「ごみ性状調査」については後日また~)

説明会参加者は多かったのだが、、質問や意見など発言は私だけだった。あの多くの人たちは整備事業の関連事業者だったのだろうか?住民には関心薄くとも、事業者には大規模整備事業となるのだろうから~

中防不燃ごみ処理センターと粗大ごみ処理施設を、不燃ごみ処理センター第一プラントの跡地に整備する計画は、前回の一廃計画改定時から説明は聞いていたのだが、、、具体的な整備事業計画(素案)を聞いても、漠然としていて、イメージがわかないというか、いまいちよくわからなかった、、

 

気になることはたくさんある~

不燃ごみ、粗大ごみの前処理は?
なによりも「不燃ごみ」と「粗大ごみ」という全く形態の異なるごみである。これまでは、特に粗大ごみに関しては、広い受入ヤードで、おおむね可燃系と不燃系の山にわけていた。例年、粗大ごみ第1位ふとん、第2位箱物家具、第3位いすなどとなるが、自転車、掃除機、照明器具、扇風機、ストーブ、電子レンジと家電製品なども多い。畳などは、畳裁断機で裁断していたし、健康器具や自転車フレームのような長い鉄ものは、手選別で取り出していた。そういう前処理工程が新しい施設ではどうなるのか? 質問したのだが、、、いまいちよくわからなかった~

中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)では、前処理設備は「畳、ベッドマット、木材、道路公園ごみ及び皮革類の処理に対応する専用の設備を設置する。」となっているだけで、ベッドマットはスプリング入りマットレスのことだろうが、現在も片隅で処理しているもの。本来は、スプリング入りマットレスは適正処理困難物として製造事業者が責任を持って処理すべきものを、清掃一組施設で処理している。道路公園ごみ及び皮革類の処理は、現在、中防外側(その2)で処理しているものを移設するということだろう。道路公園ごみ等は先にふるい分けないと土砂ばかりが多くなるし、皮革類の裁断も、、、、しかし、道路公園ごみも皮革類も一般廃棄物として23区で処理なのだから、、、

危険ごみの選別は~
破砕設備は、「低速破砕設備:二軸式破砕機」「高速破砕設備:竪型回転式破砕機」と互いに独立した2系列のようで、ガスボンベ類などのエアゾール缶、爆発・火災の危険性のあるごみは、低速の破砕機にかけるので心配ないような話しだったが、、、ヤード全体を屋内として集じん設備など設けるというので、作業環境や周辺環境は改善されるのかもしれないが、逆に、万が一の爆発・火災事故など起きると、被害は甚大になる可能性もある。全国各地の同様処理施設では、破砕処理工程での爆発事故は度々起きている。本来なら、破砕機にかける前段で、危険物はある程度は取り除くべきでは? 

23区では、ガスボンベのようなエアゾール缶は、「穴を開けずに使い切って廃棄する」となっているが、やはりガスの残ったままで廃棄するケースも多い。江東区では、パッカー車での爆発や火災事故防止のために、集積所などで抜き取り回収しているが、そういう区の取り組も増えてはいる。清掃一組施設でできなければ、23区に徹底したルールを守るよう、または危険物の分別を依頼すべき、、

不燃ごみ・粗大ごみからの資源回収は、
新破砕設備は現施設より細かく破砕・選別が可能とはなっているが、、,
資源物として取り出すのは、鉄とアルミのみである。
不燃物は埋立処分場へ搬出、←この不燃物はガラスや陶器くず、埋め立てでなく路盤材など資源化はできないのか?
可燃物は清掃工場にて焼却と、、

この「可燃物」=「その他ごみ」を清掃工場で焼却するというのだが、、
前一廃計画から盛り込まれていることであるが、現状でも実施できていない、、
なぜかというと、、23区のごみの分別基準、各区とも、危険物を分別回収するという発想がない区も多いので、廃蛍光管や、廃乾電池類も堂々と「不燃ごみ」という分別区分になっている。従って、「不燃ごみ」の破砕・選別後の可燃物(その他ごみ)にはいろんな重金属も混じっている。従って、その他ごみは、水銀混入に対する安全性が確認できてから焼却処理を実施するということで現在は埋立処理している。

先ずは、23区に徹底した危険物の分別回収の促進をさせるべき、、、
新施設が稼働するのは平成38年度ということで、23区の廃蛍光管等の分別回収が進めば、現状の「不燃ごみ」のごみ質はかなり改善されているとはおもうが、それでもやはり不燃ごみには相当の重金属類が混入する可能性はある。それを、「不燃ごみ」と「粗大ごみ」の破砕・選別工程が一緒になることで、結果的に不燃ごみ処理後の「その他ごみ」を「粗大ごみ」残渣で薄まっての混合焼却になりかねない。確実に安全性が確認できたうえでの焼却処理とすべきである。その前に、

「清掃工場等のごみ性状調査(平成28年度)

●不燃ごみのペットボトル調査結果
中防不燃ごみ処理センター ごみ1トン当たりのペットボトル全体本数 28.4本(内1リットル未満飲料用は23.7本)
京浜島不燃ごみ処理センター ごみ1トン当たりのペットボトル全体本数 46.7本(内1リットル未満飲料用は41.3本)

●中防不燃ごみ処理センター弁当ガラの調査結果(湿ベース)
紙類16.59%、厨芥5.95%、木草2%、プラスチック類71.56%、ゴム・皮革0.65、その他0.97、不燃物2.28


重金属等含有量の調査をみると

●不燃ごみ、その他ごみ、弁当がら、破砕ごみ及び不燃分破砕ごみの調査結果
重金属等含有量の調査結果(乾ベース)

④ 総水銀 
重金属含有量はその他ごみが各試料に比べて高い傾向にある。特に、中防その他ごみ(C系)中の可燃物で79mg/kgと高い値あり

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●施設別ごみ1トンあたりの乾電池等の個数及び重量(年度代表値) 中防 京浜島

清掃工場全体では分類重量39,429.13Kg中、総個数は597個、総重量は12,586.25g
中防不燃ごみ処理センターの1トン当たりの乾電池総数は1,204.4個、蛍光灯等は109.6個で昨年より乾電池で212.7個増加し、蛍光灯等で0.9個減少。京浜島不燃ごみセンターの1トン当たりの乾電池等の個数は1,021.1個、蛍光灯等は97.4個で昨年より乾電池で76.7個減少し、蛍光灯等で2.6個増加

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●乾電池等の重金属等含有量の調査結果

乾電池等、国内生産分は「水銀ゼロ」と言われて久しいが、今、廃棄される乾電池や含有製品には高濃度の総水銀含有も多い
平成28年度調査では豊島清掃工場のボタン型乾電池水銀の総水銀が510,000mg/kgと一番高かった。
他にも、6,300mg/kg 790mg/kg 1,000mg/kg 830mg/kg 3,400mg/kg などのマンガン電池、アルカリマンガン、ボタン型電池なども、、

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●不燃ごみ1トンあたりのエアゾール缶の本数
中防  303.2本/トン
京浜島 245.0本/トン 

「清掃工場等のごみ性状調査(平成28年度)には、他にも各清掃工場の詳細なごみ性状分析結果、プラスチック容器、紙おむつ、塩素含有プラスチックなどいろんな調査結果がまとめてある。

中防の事業者持込の「弁当ガラ」、、
都の現行廃棄物計画改定前の審議会を傍聴していて、事業系廃棄物のリサイクルルートづくりで、業界団体の委員から、『事業所からだされる「雑紙」「プラスチック」をRPF(固形燃料)とする仕組みづくり』の意見がでていたので、そのうち、弁当ガラも何らかの対応もされるのかもしれないが、、、事業系ごみの減量や資源化が進むのは喜ばしいことではあるが、結局はRDF、RPFで民間施設で燃料として焼却されるのは複雑な心境である


水銀含む廃棄物の法規制が進んだことで、やっと東京都も水銀廃棄物の埋立処分場への搬入に規制をかけるようだ。「平成32年までのできるだけ早い時期に、廃蛍光管等の埋立を終了する」となっているので、2021年(平成33年)からは廃蛍光管等を埋め立てできなくなるということである。しかし、ごみの分別ルール、いつの時代も決まりを守らない人はいるのだろうが、
先ずは、しっかりとした分別ルールこそ重要なので期待する、、


清掃一組の役割は中間処理とはいえ、徹底した資源物回収や危険物の分別も必要なのではないか、
整備事業は建設部計画推進課、ごみ性状調査は技術課、一廃計画は企画室などの縦割り行政でなく、互いに協力して、廃棄物の徹底した削減、廃棄物の安全な処理、埋立処分量の可能な限りの削減を目指すべきである。

もちろん23区は、より一層の徹底した資源物ピックアップ回収や危険物の分別回収を行うべきとおもう。しかし、23区の取組が不十分なままであるならば、清掃一組処理施設においても、ヤードでの資源物や危険物のピックアップ回収をすべきとおもうが、、

災害 対策 災害対策については
 (1) 廃棄物処理施設の 強靭化 ① 建築物等の耐震性の確保とはなっているが、、また、現粗大ごみ破砕処理施設や不燃ごみ処理センターは、新施設稼働後休止させて災害廃棄物処理に備えるとなっているが、災害時に中央防波堤埋立地が安全に耐えられるのかどうか、、なにしろ埋立処分場なのでどうなるのか危うい、


あまりにも暑いので、気力もないのだが、、、
なんとか言いたいことの3割くらいは書けたかな?
とりあえず~
 

「中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)」
意見募集期限は、平成30年7月27日(金曜日)まで
メールフォーム

 

東京二十三区清掃一部事務組合 更新日:2018年7月17日

中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)説明会を開催しました。

中央防波堤内側埋立地にある不燃・粗大ごみ処理施設の整備事業計画(素案)について説明会を行いました。
平成30年7月7日(土曜日) 有明清掃工場見学者説明室
平成30年7月14日(土曜日) 大田区役所2階201・202会議室

すべての説明会において、同一内容の説明を行いました。

当日の資料

 

追記(2018年7月30日)
23区の「弁当がら」のことだろうか、

都政新報「事業系容リプラ/20年度めどにリサイクル化へ/23区と一組が協議本格化」で、事業系容器包装プラスチック(容リプラ)に関し、2020年度までのリサイクル化を目指して協議を本格化させているそうだ。リサイクル手法や統一ルールの採用などが焦点となっている、

都政新報  [2018/07/27]、「事業系容リプラ/20年度めどにリサイクル化へ/23区と一組が協議本格化
 23区と東京二十三区清掃一部事務組合は、不燃ごみとともに破砕埋め立て処分している事業系容器包装プラスチック(容リプラ)に関し、2020年度までのリサイクル化を目指して協議を本格化させている。東京五輪を機に、リサイクル推進による循環型社会の形成を五輪のレガシーとして残す考えだ。協議ではリサイクル手法や統一ルールの採用などが焦点となる見通しで、区と清掃一組は清掃リサイクル主管課長会などで今年度末にも方向性を固める方針。

 

以下、「中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案)説明会(パワーポイント画面集)」から抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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