癌と私と…彼と 底知れぬ不安

最近、彼からのメールは
今まで以上に、写真添え付けで、
何気ない日常のメールが多い…

今日は、こんな事あったよ！
コレは、RIKAKOに合格点貰えるかなぁー

これ、凄いでしょ？
RIKAKOにも見せて上げたい

今日はねー、こんな事をしたんだっ！
RIKAKOに褒めて貰えるかなぁー

全ての言葉の先に、私が居る

ありがとう
ありがとう
ありがとう



なのに、私は…

…darling…

どうしよう…
どうしよう…

急に怖くなってきたの…

少しお腹が痛くなってきて、
そしたら、急に怖くなって来ちゃったの…

大丈夫だと思ってた！
貴方にシュミレーションしてもらって、
例え、転移の診断が下っても
私は、大丈夫！って思ってたの

でも、どうしようもなく、今
怖い…

この痛みは、どれ程、奥まで進行してるんだろう…
どれ位、体を侵しているのだろう…

もし、ステージⅣなら
5年生存率は18％

5年後の誕生日を、貴方と共に
迎えられるのだろうか？
5年後、100人中18人に入っていられるのだろうか？

この前、抱かれたのが、最後になったらどうしよう…

病院行くのが怖い

怖いよ…

子供達には、見せられない！
誰にも言えない…
お風呂につかりながら、体を温めてるけど、震えも涙も止まらない

どうしよう…

お願い！
もう一度、大丈夫だよ！って言って
RIKAKOは大丈夫！って言って



こんなメールを送ってしまった
／(-_-)＼

もちろん、彼は私の待通りの返信をくれる
♡が、いっぱい

俺のRIKAKOは、病に負けはしない！
大丈夫だよ！




そして、その夜


RIKAKO
少し時間が経ったけど、気分はどんな？

俺も平気な顔をして、
RIKAKOの場合は手術だよ
なんて、さも簡単そうに、いい放ってたことを反省してる

やはり、事は肉体的にも精神的にもハードだからね。
大の男でも、ガンって判れば精神的ダメージは大きいのに・・・ね。
俺も癌の告知を受けた１人だから、良くわかるよ…

俺は、RIKAKOに、ただ〈大丈夫だよ♡〉くらいしか言ってあげられない。
すごく、虚しい
どうしようもなく、今！抱きしめて上げたい

そして、時間は、皆平等に過ぎていく、
どうせなら、一気にずっとずっと先まで過ぎてて欲しい。
RIKAKOが快方♪に向かってる所まで

でもね！一時悪くても、絶対、良くなって挽回！
できる！！！
その時の喜びは、きっと、格別だよ。

俺が寄り添ってるから

ずっと！ね♪
だから、心配しないで！
一緒に顔晴ろうね！



彼も怖いんだ・・・
動揺を見せたのは、最初だけ
その後は、冷静に事を見極め
プラスの言葉だけて、励ましてくれてた

でも、彼も怖いんだ・・・


自分の事なら、思考停止におちいり
動けなくなりそうだけど
彼のためになら、顔晴れる
子供達のためになら、顔晴れる

きっと、今が一番怖いのかなっ
次の診察で、どんな事を言われるのか…
ただ、ただ、不安



可能性を信じ、
心配をおかけしてる、全ての方々の言葉を信じ
進むしか、道はない！


神様…
どうか、病に打ち勝つ力を
お与え下さい！

彼から いただいたお守りを
ギュッと握りしめる

…気が遠くなる…

癌の診断を受けてから、約10日
いよいよ、最大の課題に取り組む時が来た…

出張の日程が落ち着いたタイミングで、
夫に話をしなければならない

手術を受けなければならないコト
それに伴って、高額医療費の申請をしてもらいたいコト
など、お願いしなければならない…

借りは作りたくない…
けど、頭を下げない事には、乗り切れない

話をしようと思うと、お腹が痛くなる…

子供達は、知ってる話だけれど
話す時は、俺達も呼んで！
初めて聞く感じで、応援するから！

…気を使わせるね…申し訳ない…


意を決して、子供達も呼び

…あの、お話があります

具体的な病名は伏せ、
ポリープの切除は緊急を要するコト
医療費がかさむコト
高額医療費の申請書をお願いしたいコト

「癌とか…そんな事なのか？」

…まだ、検査結果が出揃って無いので
わかりませんが、とにかく、至急、切除は必要らしい

子供達も、
入院中の事は、大丈夫よ！
ご飯も、洗濯も、皆でやるから、心配せんで！
と、助け舟

「わかった…週明け早々に、保険組合に連絡取って、手配するよ
週明けに、結果でるなら、一緒に行かないく良いのか？」

…まずは、保険の手続きをお願いしたいし
その日に入院はないでしょうから、大丈夫

…ご迷惑おかけします
宜しくお願いします


何言われるか、覚悟して話をしたものの
あまりに、アッサリ理解と協力を示してくれた事に、安堵と驚き…

ありがとうございます

でも、大きな借りを作った事には
変わりなく…


複雑


とは言え、
コレで最大の心の関門は突破したので、
後は…
治療をさせて頂くのみ

ありがとうございます



しかし、一難去ってまた一難
来週、母が来ると言う…
ちょっと、立て込んでるので、遠慮して欲しいと伝えたものの
来る！と行った以上、そんな事には
聞く耳を持たない母

私が家に居ないかもしれないから…
もう、入院を隠して断りきれない

ちょっと、ポリープの切除手術をしなければならないので、入院するかも
と伝えたると、

なんで？そんな事になったの？
なんで？そこまで放置したの？
どれくらい切るの？
何日、入院なの？
癌じゃないよね？

矢継ぎ早の質問

全てに、答えると
やはり、来ると…

あぁーー／(-_-)＼


数時間後、また母から電話
そして、先ほどと同じ質問を繰り返す

二度目までは、答えた

しかし、流石に、3度目の電話には…

…お願いだから、今更何言われても
変わらない
放置したとはいえ、そこを責められても
過去には戻れないし、
私が一番良く分かってるから…
もう、聞かないで！言わないで！

心配してくれるのは、良くわかる
親に心配かけて、申し訳ないとも思う
けど、どう言われようと、

過去に戻れない以上、現実を変える事は
不可能
不可能な事を、何度も何度も、繰り返し
言われるのは、ダメージも大きくなる

コレから、どれだけ
同じ事を聞かれるのだろう…

入院中、私が居ない時に来て
夫に子供達に、同じ話をするのだろうか…

何度も…
何度も…

気が遠くなりそう…

癌と私と…彼の…デート

穏やかなデート日和

お洒落をして、出掛ける！

いつもの場所で
いつもの時間に
迎えに来てくれた彼の車に乗り込み
いつものホテルへ

何も変わらない、笑顔と安らぎ


いつもと違うのは…

抱かれながら、零れ落ちる涙を
彼が吸いとってくれるコト
と、
二人の写真をたくさん撮ったコト

どれもこれも、素敵な写真

まるで、赤ちゃんを抱くかの様に
腕の中に包まれてる写真
たまらなく、幸せな気分にしてくれる



そして、
「これ、持ってて！」と
彼の産土神のお宮から、朝に
いただいて来てくれた、お守りを渡された

ありがとう
ありがとう
ありがとう

本来、お参りは、日々の御礼と、御挨拶
でも、今回は、緊急事態なので、
祈願してくれたらしい(^^)


今回は、オヤツを作る時間がなくて
持参出来なかったけど、
マッサージオイルは、持ってきてる

…さっ！darling♪
うつ伏せと、仰向け、どちらからにする？
(*'▽'*)♪

「今日は、俺がしてあげるよ♪」

…なら、後でしてもらおうかなっ！
まずは、いつも通り！私にさせて！
少しの間、出来なくなるからね…

全身くまなく、オイルで流し
指圧を施す…

寒くなり始めたから、腰！冷やさない様に
昨年買った、暖かインナー
ちゃんと、付けてよ！

今まで、下半身の防寒インナーを付けたことが無かった彼
坐骨神経痛になったことを機に
昨年冬から、強引に、使って貰っている
1度使い始めると、暖かくて、気持ちがいいと、気に入って貰えたもの♪

「分かってるよ！大丈夫♪
RIKAKOに心配かけるマネはしないから、
安心して！」


今回は…マッサージしても、寝ない…彼
(^^;)
一瞬、フワーっと、眠りにひきこまれそうになるものの、顔晴って起きてる感じ(笑)

寝て良いよー！と言っても
うん！と言いつつ、なかなか寝ない

ゆっくり、寝かせて上げられなくて
ゴメンネ
。・°°・(＞_＜)・°°・。




来週、ほほ検査結果が出揃い、
現状の詳しい説明がある時
医師は…
どなたと、一緒に聞かれますか？
ご家族、ご主人ですか？

…うーん、独りで伺いたいのですが

どなたか、ご家族と一緒じゃなくて良いんですか？

…なんか、独りで聞かれたくない印象なんだけど、誰かと一緒に聞かないとならんの？かしら？(笑)

「普通はねー
告知！って言う位だから、
現状、例えばステージとか言われるでしょう？更に、転移とか聞いたら、目の前真っ暗になって、取り乱したり、何も考えられなくなる人も多いんだよ…きっと
だから、本人以外で、多少なりとも
冷静に聞いてくれる、第三者に立会って
欲しいんだろうねー！」

…そうか…でも…なぁ…

「俺、一緒に行く？」

…darlingと一緒なら、最高に心強いけど
誰！って言う？(笑)
夫…とは、言えんし…
手術の時とか、もし本物の夫出てきたら、困るし…(笑)
伯父？とか言って、
この前、伯父様にはご説明しましたが…とか言われたら、
いつから、九州に伯父さん居たの？とかねー…(笑)

彼氏？(笑)
ドクターは、守秘義務有るから
言わんよねー(笑)
でも、
貴方に迷惑かける事はしたくないから、
大丈夫！コレは、私独りで行ける！

「まぁ、俺に迷惑ってより、RIKAKOが困るかもしれない事は…ねー
そうだなっ、
しない方が良いのかなっ

でもねーRIKAKO！
RIKAKOは、大丈夫よ！」

…んー？何が大丈夫なん？

「だって、ポリープの大きさとか、緊急性とか、そんな事からも、恐らく、
ステージⅣだろうと、予測して、
そうだったら！とか
転移してたら！とか
そんな話も、してるでしょ？
ちゃんと、シュミレート出来てるから、
もう、RIKAKOは、目の前真っ暗にも、真っ白にもならないよ！
切るのは分かってるでしょう？
後は、医師に何言われても、冷静に次の段階に進む、心の準備は、出来てる」

…次の行程を見据えた、シュミレートも兼ねたお話しだったんだ(^^;

もう、良いやっ(笑)

やはり、私は、もう暫くの間
思考停止しよう(≧∇≦)/

考えて解決出来る事では無いし…
決して投げやりな気持ちではなく、
成るようにしか、成らない(^^;

私は、与えられた治療に精一杯励み…
その後の事を考えるのは、彼にお任せしよう…



いつも通り、別れの時間

いつも通り、《またね♪(^o^)/》
ホッペに、フレンチキス


彼の車が見えなくなる前に…
涙で前が見えなくなる

やはり、1人になると、とたんに
寂しくなる


明日からは
検査…検査…検査

癌と私と…彼

たくさんのコメント、ありがとうございます
ご覧になる方が、どの様に、受けとめられようと、自分の為の記録としても
書いてます…



朝一で、紹介された病院へ向かう
いつも通りの、ハイヒール
カツカツと、背筋を伸ばして！

怖い気持ちを、
女の完全武装でカモフラージュ



午後には、
彼が病院へ来てくれる…
県内とはいえ、高速道路移動で、
片道、約2時間…

…大丈夫よ！私、独りで行けるから！
近所ならともかく、申し訳ない…
来てもらったばかりだし…

「ゲルマニウム錠剤、頂きながら、
その足て、直ぐに届けたいし…
RIKAKOは、ただ、自分の身体の
心配だけをしてれば良いんだよ♪」

ありがたく、甘えさせてもらう…



受付を済ませ…
さほど待たずに、名前を呼ばれると
問診と、触診
そして、今日、出来る検査のオーダー予定を、言われる

最初は採血、採血管に7本…
尿検査、レントゲン
心電図、エコー、肺活量検査や
造影剤を入れてのCTなど
今日出来る、全ての検査を行った

ほぼ、検査が終わる頃に、
彼と、合流し…
今日、最後の医師の診断

話が、どんどん進む…

明後日からは、PET検査に、アレルギー検査、胃カメラ、歯科検診などなど
検査の予定日が決められて行く…

アレルギー検査って事は、間違いなく
手術に向けた準備…
そうだろう…と思いつつも、まだ
誰の口からも、《手術》と言うワードを
聞いてはいなかったので

…あの…先生…
今までのお話を総合すると、
ガンの診断は、間違いなくて、手術を前提に話が進んでる様ですが、認識に間違いないですよね？年内中に…ですか？

「もちろん！そうです。
若くて、まだ便通がある様なので、
通院の検査を組んでますが、何かあったら、具体的には、腸閉塞になれば
緊急オペですよ！
その時は、救急車に病院指定で来てくださいね！
この後、オペの仮オーダー入れておくつもりです！」

…はい…

帰り道、繋ぐ手に力がこもる

会計を済ませ、
15時を過ぎていた…

…お腹空いたねー(≧∇≦)/…

「うん！何食べたい？」

…おうどん食べたい…

「OK！じゃ、うどん食べに行こう！」

うどんを頂きながら、今後の日程表を見て…

…darling…ワガママついでに、もう一つ
お願い聞いて欲しいんだけど…
あのね！明後日から、毎日検査通院
週明けには、検査結果も出揃い、現状の具体的な話が出来るって言われた…
恐らく、検査後は、即、手術…なかっ…
今日と明日しか時間が無いと思う……
…………だから…………


言葉の途中で、彼が

「なら！明日！いつも通り、朝から
デートしよう！どう？(^ε^)-☆!!」

…えっ？良いの？
今日来てもらって、明日も、一日、時間取ってもらえるの？
今日、コレからでも良いわよ！

「明日、RIKAKOの都合がつかないなら、
仕方ないけど、大丈夫なら、明日にしよう！今日コレからだと、そんなに時間は取れないでしょう♪」

…ホントに？うわっ(*'▽'*)♪
メチャ嬉しい♪♪♪
核心に触れずとも
意を察してくれた


ガンの宣告を受けたとはいえ
精神的な不安感を除けば
体の現状は、数日前と、何も変わらっていない
逆に、腸管の細さが確認出来たので
食事にも気を使い、痛み無く過ごしている

精神的なモノは
私のマルチタスクに、《癌》という
フォルダが、常駐され、
何をしてても、いつでも、片隅には
癌…ガン…がん……………
頭からは離れないけど

彼と話をしてると、
何ちゃない…
全然、大丈夫♪って気になるから
不思議…

病院で、今回の件で
精神的な不安を、専門医に聞いて欲しいですか？
と、言う、質問をされた時、
迷わず、《いいえ》に〇を付けた
精神的な支えは、充分に満たされている

現状、想定される話を、わかり易く話して聞かされ、今後、想定される、話も含め
無駄な不安を取り除き、どうしたら良いか
納得できる、最善の方法を話してくれる

とりあえず、腸閉塞は、緊急に回避しなければならないから、手術は必要！
でも、その後は、仮に転移があっても、
共存…それ以上、進行させない道もある
どれ位の状態なのかを確認する事が大事

がん細胞を完璧に根絶やしする為
抗がん剤を、投与も一つだけど、免疫力をどんどん上げる事を考えようよ！
目の前の障害を、まずは、取り除く事が大事よ！

…うん…うん…
もし、癌になったら…の
漠然とした考え方と、同じ
ただ、今まで、全く、自分が癌…の対象者と、考えていなかったので、上手く言葉に表せない
その、もどかしさを、代弁してくれてる様で、スッキリする！

だから、例え最悪な告知を受けても、想定内
その時は、こーしよう！
こうだったら、あーしよう！

もう15年ほど前、
ステージIIIの肺がん告知を受けても
完治させた経験のある、彼の言葉は
重くて、深くて、
何より…愛情にみちあふれている

それに(有機ゲルマニウム錠剤)を下さった
彼の友人も、全面的な協力を申し出て下さり
ゲルマニウムはもちろん
高濃度のビタミンＣなど
あらゆる手配をして下さってる


ありがとうございます



食事が済んで、時間は16時30分

「まだ、時間大丈夫なら、珈琲飲みに行こう♪」

…うん(*'▽'*)♪


その日は、長いハグで一旦、解散


彼の言う事を、全面的に信じ、納得し
一緒だと、全然！問題ない♪
って、思うのに、
別れると、急に涙が勝手に


何なんだ…！