●次元俳句397・痕跡(空間)3・和田誠1・2018-9-16(日)
○「障子洗ふ帰らぬ猫の爪のあと」(和田誠1)
○季語(障子洗ふ・仲秋)(「この一句 108人の俳人たち(下重暁子著)」より引用)【→次元俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:障子を洗って障子紙を張り替える。水を口に含んで霧吹きをしたあとに秋陽に干すと、障子紙はぱんぱんに乾く。ふと障子の桟に居なくなってしまった愛猫の爪の痕が。
●和田誠(ワダマコト)
○好きな一句「花の名でしりとりをせむ苗木市」(『白い嘘』2002)2
○季語(苗木市・仲春)
【Profile】:1936年大阪府出身。日本を代表するイラストレーターにして映画監督。たばこのハイライトのデザインを手掛けるなど幅広い活動の中で、連句・俳句も高いレベルの作品を発表し続ける。
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■Pickup「猫の四季」12句
春1「白猫を汚して帰す春の月」(藤沢紗智子)〈色彩俳句126白24〉
春2「白き手で猫が出されて春障子」(戸恒東人)『白星(2012)』〈方法俳句167行為者隠5〉
春3「麗かや猫が飛び乗るボンネット」(透次)『残光(2015)』〈三色絵俳句196〉
夏1「水盤をめぐりて猫の水鏡」(本田あふひ)〈次元俳句136 反射5〉
夏2「猫の子に嗅がれているや蝸牛」(椎本才麿)『陸奥鵆(1697)』〈好きな一句〉
夏3「炎昼のうつらうつらと猫科なり」(牧石剛明)〈方法俳句136オノマトペ11〉
秋1「秋立つや風のかたちに猫ねむり」(出口善子)「花曜」〈方法俳句 186直喩=かたちに2〉
秋2「猫達と台風の目の中にいる」(加本泰男)〈好きな一句〉
秋3「障子洗ふ帰らぬ猫の爪のあと」(和田誠)↑
冬1「立冬や猫のまはりに猫のゐて」(潮仲人)〈次元俳句304周囲4〉
冬2「布団かぶれば猫臭き十二月」(前田吐実男)〈五感俳句110嗅覚 18〉
冬3「あゆみけり吹雪のやうな猫を抱き」(櫂未知子)『カムイ(2017)』〈好きな一句〉
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