もちろん家計は火の車

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日本の原発行政をめぐっては、とにかくオカシな話ばっかりじゃん! ……っていう件。

2012年02月25日 | ニュース

今朝がた、NHKの番組『週刊 ニュース深読み』で
昨今、何かと話題の"電気料金"が
テーマとして取り上げられていたのだが、
ご覧になった方はおられるだろうか?
ブログ主の場合、寝起きのボ~ッとした状態で
TVを見ていたのだが、スタジオでのやりとりを目にして
例によって「カ~~~ッと」アタマに血が上り、
思わずシャッキリ、目も覚めてしまった。

朝っぱらから、ブログ主を逆上させたのは、
スタジオ・コメンテーターとして番組に参加していた
「澤 昭裕」なる人物である。
現在は「国際環境経済研究所長」という肩書を持つ
この男、もと"経産官僚"だったというキャリアを持ち、
長年、日本のエネルギー政策に関わってきた人物という。
要するに「ありえなかったはずの原発事故を引き起こし、
いまなお日本中&世界中に"現在進行形で"迷惑をかけ続けている、
ニッポンの電力行政の一端」を担ってきた人物であり、
「現在、この日本で起きている状況」に関し、
けっして少なくない責任を負っていると考えられる人物である。

にも関わらず……。
「これまでの電力行政が至らなかったばかりに、
国民の皆様に多大なご迷惑をおかけした点をおわびしたい」なんて姿勢は、
この人物からは「ま~~~ったく感じられない(!)」のだ。
それどころか、スタジオで得々と語る
その基本姿勢から伝わってくるのは
「何もわかってないアナタたちに、日本の電力事業が
いかに優れたものだったのか、わかりや~すく説明してや・ん・よ!」的な、
きわめて傲慢かつ不愉快な、ゆがんだエリート意識そのものである。

いったい、この「澤 昭裕」なる人物が
どのようなトンデモ話を開陳してくれていたのか……?
とにかく驚かされたのが、東京電力の
「やりたい放題、超ぬるま湯体質」を生み出した
直接の元凶とされる、かの悪名高い"総括原価方式"に関し、
「あれは、東京電力が"儲けすぎないように"課していた規制」であり、
むしろ「東電が暴走しないように準備されたブレーキ」なのだと、
どう考えても「現実とは正反対」の説明を、シレッとやってのけた点だ。

"総括原価方式"については、詳しくは
こちらのサイトなどをご覧いただきたいのだが、
要するに「この日本において、電気料金を決めるための基準」として
採用されている、一種独特の方式である。
端的にいえば「電力会社の経営に必要とされる総コストに
"一定の報酬(=3パーセント)"を上乗せし、
その総額が回収できるようにして」電気料金は決定されているのである。
言い換えれば、この日本においては
「ごくフツーに電力会社を経営している限り」、
絶対に赤字にはなりえない、というわけだ。
なんたって、コストがいくらかかろうとも
常に「3パーセントの利益(!)が保証されている」のだから……。

しかも、しかも……。
これ、ちょっと考えれば誰にでもわかることであるが、
この仕組みがある限り、むしろ「コストが増えれば増えるほど」
電力会社の利益も増加する図式となる。
東電をはじめとする電力会社が「一基あたりウン百億円」という
多額の設備投資を必要とする原発事業に固執する理由も、ここにある。

だって、そうだよね? 例えばの話……。
あなたがトンデモナイ"悪徳政治家"だったとして、だ。
「かかった総予算の10パーセント、こっそりセンセイの
懐に入れていいでやんすよ、ゲシシシ……」と言われたとして、だ。
■A事業 ……総予算500万円のプロジェクト
■B事業 ……総予算500億円のビッグ・プロジェクト
どう考えたって、巨額の予算がかかる「B事業」を、推進したくなるじゃないですか……?

要するに、問題の本質の「かなりの部分」は、ここにある。
ごくごくフツーの民間企業であれば、
「コスト削減のため、血のにじむような努力を重ねる」のが当たり前のところ、
なぜか"ニッポンの電力会社だけ"は
「何の努力もせず、コストをかければかけるほど大儲けできる」のだ。
つまるところ、どう考えたって「ラクして儲けすぎ!」なのである。

ところが……。このあまりに明白な事実が、
この「澤 昭裕」に言わせると、なぜか
「いや、東電が3パーセント以上儲けることができないよう規制しているのだ」となる。
そんなアホな話が、どこで通用するのか!!!
澤センセイの言い方では
「どんなに努力しても3パーセント以上は儲けられない東電は、
むしろカワイソウな存在」ということなってしまうが、
このような詭弁にだまされる"お人よしの日本人"は、そうそういないのではないか……?

実は、このほかにも、電力業界擁護の姿勢を
明白ににじませた「澤 昭裕」によるタワゴトは
数限りなかったのであるが、
番組中、ちょっとおもしろい一幕があった。

澤センセイ曰く
「電力会社は、いざという時に備えた数々のバックアップ施設を
みずからの投資で整備・運用しており、
そういう"目に見えない部分"も評価してあげないと、
(電力自由化で新たに参入してくる)新規事業者との競争において、不公平だ」と
主張したのであるが、この発言に対し、
番組を仕切っていたNHKの小野文恵アナが
「東電が保有している広大なグラウンドなども、
そういう非常時に備えた施設だった、というわけですね?」と質問。
これに対し澤センセイ、きわめて歯切れ悪く
「いえ……あぁいうのは、早く売ってしまった方がいいと思いますが……」だって!(笑)。

いや~、なかなかやるね、小野アナも!! w。
NHKアナの場合、みずからが担当する番組で扱うテーマに関しては
「ひとかどのレベルまで」勉強し、知識を蓄えたうえで
収録に臨んでいるはずである(そこはもう、民放とは歴然と違う点である)。
要するに、小野アナは
東電が(ムダに)所有している広大なグラウンドなどは
「単なるゼイタクな資産」であることを十分、承知しつつ
例の質問をカマしたものと思われる。
おそらくは、ちょっと信じられないくらい
偏った(電力業界擁護の)意見を吐き続ける澤センセイに
さすがに「カチン!」と来て、
ちょっとばかりジャブをかましたということではないか、と思うのだが……(笑)。

とにかく、だ。
東電という会社もトンデモナイが、
この日本の中枢にいる"官僚"という連中も、
ちょっと信じられないようなモンスターぞろいなので
「みなさん、気を付けた方がいいですよ……!」と、そういう話である。

PS.
実際、東電の経営権を「国が取り上げる」という話にしても、
経産省の官僚あたりは、それにより
「自分たちの権益が拡大する」と、その一点においてのみ
歓迎しているらしい……もうね、なんつ~か「あ~あ(ため息)」である。ハァ~……。


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2 コメント

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Unknown (poly)
2012-02-25 13:53:01
ブログ主さんの、「日本の既成体制」に対する憤り、すごくよくわかります。ふつうの一般市民は「負担を強いられている」のに、「大手」や「公」の看板がついている人たちは、「泥棒まがい」「犯罪まがい」「うそつき」の行為をしても、無罪放免です。こういう国に未来はない、と感じるのは、私だけでしょうか??
返信する
コメント、ありがとうございます! (「火の車」の中の人)
2012-03-04 11:19:52
レスが遅れまして、スイマセン!
原発の問題に関しては、
ホントに頭にくることばっかりで
イヤになってきますよね……。

おっしゃる通り
「こういう国に未来はない」という気もしますが、
そういう我々にだって、
これから「まだまだ長い人生が待ってる」わけで。

本当に、難しい問題ですよね、こりゃ……。
返信する

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