僕にとって音楽のある生活は―猫のいる生活と同じくらいに―生まれながら当然なものだった。
ボブディランや、コルトレーン、はっぴいえんどや、ニールヤング。ジャンルを超越して胎児の頃から聴かされていた僕は、当然のごとくなんでも聴く人間になった。
おかげで、僕が初めて買ったCDは『加納さんのいいんじゃないっすか!』だった。ウッチャンナンチャンのテレビで歌われていたくだらない、本当にくだらないCD。
姉のラジカセを売ってもらい、最初に聴いた、思い出のシングル…。ああ、恥ずかしい。
その後、カモンタツオなんかを聞きかじり得意げに歌う小学生を卒業し、中学に入ってスチャダラパーに出会う。(どうも僕はその当時音楽に笑いを求めていたのかもしれない、苦笑)
高校に入るとフリッパーズ・ギターやら東京No1ソウルセット等、宇田川系に走り出した。
当然、僕にだってそういう若い時代があったのだ。
浪人時代に知り合った、クレイジーな友人にロックンロールという魂を教わった。―彼はロックンロールを教えるには本当にふさわしい男だった。そして、とても人には紹介できないな、とも思ったが―
プライマルスクリーム、ケミカル、マッシブアタック、レディオヘッド、AIR、ダフトパンク、等々怒れるアーティスト達を次々に知ることとなる。
そこからはひた走りだ。
知れば知るほど、素敵な音楽は無限に膨らむ。
僕はどういうわけか大学に受かり、東京に出てきた。
奨学金をターンテーブルとレコード費用にまわし、ひたすら買い倒した。
買えば買うほどに欲しいレコードは増えていった。
ラテン、ジャズ、ソウル、ファンク、ハウス、テクノ、エレクトロニック…。聴きたい音楽の幅は拡大の一途をたどり収集はつかなくなる。
大学生活の前半というもの、僕には友達はほとんどといって音楽のみだった。
大学には行かず、部屋とレコード店とクラブハウスをぐるぐる回っていた。
生活リズムは崩れ、夜が長くなればなるほど僕は音楽の世界で生きつづけるのだ。
そして、あるとき。
僕はふと音楽から離れつつあるかもしれない、そう思うようになった。
音楽が前ほどに僕を連れて行ってはくれないのだ。どこへ?って。君も知っている場所さ。
日記よ、僕が君から遠ざかる前には、その場所から何度も君に話し掛けたね。
僕はウィスキーを片手に、ヘッドフォンをつけ、深夜に大音量でマイ・ブラッディー・バレンタインをききながら。トム・ウェイツを聴きながら。ニーナ・シモンを聴きながら…。
僕が語り始める時、僕はいつでも音楽のある場所にいた。
僕はそこから離れ、そして語らない言葉は雪解けのように消えていった。
そうして今、やっと近くまできている。
前とは少し違う場所ではあるけどね。
『Electronic Panorama Orchestra』と『MUM』に救われたんだ。
僕には音楽が必要なんだ。
その必要の意味を僕はよく理解できていなかったんだと思う。
音楽が無くては生きていけないんじゃなくて、音楽無しでは生きてもつまらないってことなんだね。
また、混ぜ返して言えば、そうした必要って他にもあるんだよな。
僕は往々にしてそういう必要なものを大切にしきれていないから。
これはよく考えてみる必要があるなあ。うん。
ボブディランや、コルトレーン、はっぴいえんどや、ニールヤング。ジャンルを超越して胎児の頃から聴かされていた僕は、当然のごとくなんでも聴く人間になった。
おかげで、僕が初めて買ったCDは『加納さんのいいんじゃないっすか!』だった。ウッチャンナンチャンのテレビで歌われていたくだらない、本当にくだらないCD。
姉のラジカセを売ってもらい、最初に聴いた、思い出のシングル…。ああ、恥ずかしい。
その後、カモンタツオなんかを聞きかじり得意げに歌う小学生を卒業し、中学に入ってスチャダラパーに出会う。(どうも僕はその当時音楽に笑いを求めていたのかもしれない、苦笑)
高校に入るとフリッパーズ・ギターやら東京No1ソウルセット等、宇田川系に走り出した。
当然、僕にだってそういう若い時代があったのだ。
浪人時代に知り合った、クレイジーな友人にロックンロールという魂を教わった。―彼はロックンロールを教えるには本当にふさわしい男だった。そして、とても人には紹介できないな、とも思ったが―
プライマルスクリーム、ケミカル、マッシブアタック、レディオヘッド、AIR、ダフトパンク、等々怒れるアーティスト達を次々に知ることとなる。
そこからはひた走りだ。
知れば知るほど、素敵な音楽は無限に膨らむ。
僕はどういうわけか大学に受かり、東京に出てきた。
奨学金をターンテーブルとレコード費用にまわし、ひたすら買い倒した。
買えば買うほどに欲しいレコードは増えていった。
ラテン、ジャズ、ソウル、ファンク、ハウス、テクノ、エレクトロニック…。聴きたい音楽の幅は拡大の一途をたどり収集はつかなくなる。
大学生活の前半というもの、僕には友達はほとんどといって音楽のみだった。
大学には行かず、部屋とレコード店とクラブハウスをぐるぐる回っていた。
生活リズムは崩れ、夜が長くなればなるほど僕は音楽の世界で生きつづけるのだ。
そして、あるとき。
僕はふと音楽から離れつつあるかもしれない、そう思うようになった。
音楽が前ほどに僕を連れて行ってはくれないのだ。どこへ?って。君も知っている場所さ。
日記よ、僕が君から遠ざかる前には、その場所から何度も君に話し掛けたね。
僕はウィスキーを片手に、ヘッドフォンをつけ、深夜に大音量でマイ・ブラッディー・バレンタインをききながら。トム・ウェイツを聴きながら。ニーナ・シモンを聴きながら…。
僕が語り始める時、僕はいつでも音楽のある場所にいた。
僕はそこから離れ、そして語らない言葉は雪解けのように消えていった。
そうして今、やっと近くまできている。
前とは少し違う場所ではあるけどね。
『Electronic Panorama Orchestra』と『MUM』に救われたんだ。
僕には音楽が必要なんだ。
その必要の意味を僕はよく理解できていなかったんだと思う。
音楽が無くては生きていけないんじゃなくて、音楽無しでは生きてもつまらないってことなんだね。
また、混ぜ返して言えば、そうした必要って他にもあるんだよな。
僕は往々にしてそういう必要なものを大切にしきれていないから。
これはよく考えてみる必要があるなあ。うん。
しかも「加納さん…」って!言われて思い出したー!
顔が思い浮かぶよね、あのしょうもない顔が…。
私は…ブルーハーツだ!ほっ、そこそこかっこいいぜ。
でもその次は…「たま」かもしれにゃい。
MUMってフジロック来てたよねえ。
今度来る時またおすすめ音楽持ってきてね。