歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

ガンガン鋼感想その1ネタバレ含む

2008年07月18日 | ◆新刊読んだ!
鋼85話「空の箱(からのはこ)」

ネタバレ回避すくろーる!
















このサブタイトル上手いよね!

冒頭の、誰もいないアームストロング家を差して「空の箱」とは、台詞で言わせていますが、同時に真ん中の、ブラッドレイの居ない椅子=空の中枢、を示し、最後のアルの、鎧=魂の入れ物、までもを表している。

そして、ホーエンハイムの息子・アルの器に、お父様の息子・プライドが居るという、衝撃。
からっぽ⇔みっしり、の対比。
連載第一話からずっと「空っぽのアル」を見てきた読者は、鎧の眼孔からプライドの目が覗くコマに、ショックをうける。

が、ごめん。
私、あそこで15巻巻末4コマギャグを思い出しちゃった・・・!(台無しキング)
たぶん、荒川先生の脳内では、同じ所にストックだね。そんでギャグにすっかシリアスにすっか、好きにアウトプットできるんだよ!んで、素晴らしく優れた演出力&マンガ画力だから、シリアスにした時の打撃力がハンパじゃないんだわ。

にしても。
アル、鎧にはネコとおなごしか入れないと宣言してたのに・・・!
あれ?プライドって性別あんのかな?
最近、セリムとプライドは別存在なんじゃないかしら、とか思い始めた歌猫です。
や、ネコ耳セリムが鎧ん中いてもイイけどさ!(笑)
(セリムはやっぱ総攻めとかこれが新たな鎧受けとかそんなこと誰がおっしゃって?おほほほほ)


えと。
冒頭に話を戻して。
柱のアオリ文句、「破壊の後は、再生です・・・」も上手い!
編集さんの鋼愛を感じるよ。こうゆー気の利いたアオリ、嬉しいわ~v
屋敷の壁にかかってる先代当主の絵が、ギリシャ神話の神様くさくて笑える(笑)

それからね!
この最初のページには、鋼において画期的な絵が、含まれているんですよ。
わかります?
それは・・・。
お屋敷の前の植え込みに、花が描いてある!!!
いやも、鋼には花が無いんすよ。(拙ブログ05.10.18記事
鋼には「花屋の花」しか無いの。
ロックベル家の前庭で花を育ててたっていいじゃない?セントラルのホテルに花が咲いててもいいじゃない?リゼンブールの春を示すのに、花のひとつもあったって、いいじゃないですか。
でも、無い。
私、少女マンガ畑から来たから、この花の無さが、可笑しくて可笑しくて(笑)
今月号、まるで椿のよーな咲き方の薔薇モドキな絵でも、花は花。まだ確かめてないけど、たぶん初めての、地面から生えている花。・・・ってそこ、「でもそれアシさんが描いたんじゃないの?」とか、言わないの!
でも、お花への愛情の無さは相変わらず。球根の花を焚き火に投げ込むなんて(涙)
そりゃま、オリヴィエ姐さんの性格からしたら自然な行為かもだけどさ。18巻でマスタングに「花を処分」なんて言わせてるし、ほんと、荒川先生は花に興味、無いなあ~(苦笑)

オリヴィエ姐さんの「この屋敷丸ごとくれてやってもいいぞ」発言。
や、オリロイ?オリロイっすか?すげー豪快なプロポーズっすか姐さん?!
けどニブちん坊やロイロイはぜんぜん気付いてないっぽいから更に「弟なんか持ち出すな。お前が愛しいから言っているのだ」と告げてみたら、お花を差し出されて、よ、ようやく私の想いが通じたのか?と密かに喜んだのもつかの間、ただの伝言メモだったから、ああちくしょう!と怒り心頭で花を焚き火にボン!ですか?!ツン99%なツンデレですか?!?!

とか、喜んでみた人、いるんだろうなあ!(笑)
私は、あらマスタング大総統への足掛かりがこんな所から、オリヴィエ姐さん太っ腹!とか思いました。(太いのは腹回りでなく胸周りでしてよ)


まずはここまで。
続きはまた明日~♪


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4 コメント

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ホーエンハイムと「約束」 (流浪の考察屋)
2008-07-21 23:23:57
ホーエンハイムはトリシャと約束をした。
おそらく「共に老いて死のう」と。
しかし、トリシャは病に倒れた。そして、約束だけが残った。

ホーエンハイムは死ぬだろう。だが、誰かの踏み台になるような死に方はして欲しく無い。

「残念だよピナコ。もう、おまえのメシが食えなくなるなんて」(11巻42話)

この時点でホーエンハイムは死ぬ覚悟、つまり、「自らの賢者の石を使い果たす覚悟」を決めたと分かる。

でも、それはトリシャとの「約束」を裏切る行為だと気付いて欲しい。
「老いて死ぬ」
この男にその意味がきちんと分かっているのだろうか?
「老いて“エドとアルの孫を抱いて、その成長を見届け、もう少し時間が欲しいと思いながら”死ぬ」
これがきっと、正しい「親の老い方」と「親の死に方」だと思うから。

トリシャはきっと待っている。いっぱいの土産話を持って来る、愛する男の事を。
(長文、乱文失礼しました)
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2008-07-22 05:36:34
流浪の考察屋様こんにちは。
>「残念だよピナコ。もう、おまえのメシが食えなくなるなんて」
>この時点でホーエンハイムは死ぬ覚悟、つまり、「自らの賢者の石を使い果たす覚悟」を決めたと分かる。

ああっ!そうだ。そのとおりです。
うわー気付かなかった。素晴らしい考察、ありがとうございます・・・!
>これがきっと、正しい「親の老い方」と「親の死に方」だと思うから
あ、ちょっと、涙出そう。うん。そうだよね、そのとおりだ。
でも、この男はきっと、わかってないよ。・・・ああもう。
うん。
でも、ほんとに。例え、賢者の石を使いきって「約束の日」に、老いることなく死ぬのだとしても。自分の行為に満足して自己完結して死ぬのではなく、死に惜しんでほしい、生への執着を己の中に発見してほしいです・・・。
素晴らしいコメント、ありがとうございました!
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蛇足:「鋼」の伏線の張り方 (流浪の考察屋)
2008-07-22 23:22:32
ちょっと、こっぱずかしい長文に、お返事ありがとうございます。
で、タイトルの件ですが。
「Aと思わせておきながら、実は真逆のB」ってのが多いと思うんですよ。

一番最近だと、ホーエンハイムがイズミ師匠の腹部を一突きしたところがわかりやすいですかね。
その前の会話から、「敵に利用される前に殺すのか!」と思わせておきながら、「貴女はまだ倒れちゃいけない人だ」と言う。
(むぅ、これ見返した時「誤解されて殴られる事すら己の贖罪の一部」とか思ってしまった。ホーエンハイム、そこまで不器用な男なのだろうか……)

だから、前に大総統の台詞(腹が立って……)を裏読みしてみたんですが。

そこらへんを踏まえて読み直すのも面白いと思いますよ。

蛇足でした。
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コメントありがとうございます。 (歌猫)
2008-07-23 04:36:56
流浪の考察屋様こんにちは!
>Aと思わせておきながら、実は真逆のB
そうですね!ブラッドレイなんか更に深みのCだしなあ・・・。
でも単に真逆だと、思いついただけ、にもなっちゃうじゃないですか。私は、キャラの心情または荒川先生の意図に、筋が通っているか、を気にしてます。そうすると、もっともらしい記事になるとゆー(笑)
ホーエンハイムとピナコの会話は、読み直して溜息でした。「わかるさ」とか「どう叱っていいかわからん」とか・・・。オヤジの描き方が本当に上手い。ただ絵が上手いだけじゃなく、その不器用さが上手いなあ!と。
コメントありがとうございました~v
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