歌猫Blog跡地

漫画「鋼の錬金術師」と荒川弘について語るブログ。更新終了しました。

ガンガン12月号

2004年11月14日 | ◆新刊読んだ!
鋼の錬金術師
ガンガン12月号、買いました。
買い始めて数ヶ月、すっかり手際も良くなりました。・・・解体の。

さて。
えーと、グリフォンじゃなかったです。間違いでした。
二頭の竜か。

もひとつ。
監察医がグル説は却下となりました。
とすると、大佐の手駒は本当に元東方司令部のメンツのみか。心許ないなあ。


今月は「まとめ」でした。軍部vsホム編の。

今回の大佐の行動解説シーン。詳しかったよね。
どどど、と勢いのまま、つか勢いを殺さず話を進めて、あとから回想で補完するって作り、好きなんだ。
ハガレンの魅力はテンポの良さだもの。
この作者さんの、省略のよさ、物語りの切り取りの思いきりにいつも感心する。
だから、こんなに詳しく今回の裏側をトレースするとは思ってなかった。
軍の回線でバリーと打ち合わせできたんかよ!とかの突っ込みを潰していってる感も無きにしもあらずではあるけど。
それ以上にきっと、素直な少年少女の読者たちは、マジで大佐がロスを殺したと思ったんだろーなー。
んで、抗議のファンレターとか、いっぱい来たりしたんだろーなー。
だから、とても丁寧に、解説してあげたんだろーなー。
なんて、思ったりしました。

焼死体を作るのは得意だ、って台詞はキザで、自嘲なのか事実を述べてるだけなのか表情が見えないからわからなくて、大佐らしくてかっこいい。


10巻はこの話で終わり。だからあのヒキは、物足りないなあ。
2話続けてパパ締めじゃない?だったら先月のがインパクトあった。どうせエドと会わせるならもう一歩進めてほしかった。この辺、私の好みかもなんだけどさ。

例えば3巻のヒキ。66ことスライサーとの戦闘に辛うじて勝ったエドが、ラストとエンヴィーと初めて対面したシーンで終わる。
エドも、読者も、この先どうなるか見当がつかない。ヤバイってのはわかるけど。
これをさ、あと4ページ分くらい巻いて、エンヴィーがスライサー弟をぐさぐさ刺して残虐さをあらわにして「やっぱりお前も殺しとこうか?」で切ったら。
もっと、げーやべーうえー!って、なるじゃん?
そっちのがいいと思うんだけどなー。
今回も、対面と第一声くらいまで踏み込んで切ったほうがとか・・・え?うるさい?素人が文句言うな?うんはい、ごもっともです。ごめんね、こういう批評家ぶってんの嫌いな方いらっしゃったら。


エドの「本当に死んじまったんだなあ」の台詞がいいな。実感が湧くのってやっぱり少し経ってから。
ロスへの敬礼に躊躇して、ロスが握手の手を差し伸べるのもいいな。軍属だけど軍人じゃない、「指一本動かすはずないだろ」の軍に所属するエドの矛盾と、それをわかってるロス。
イシュバール人との邂逅。ここのエドがかっこよくて大人っぽい顔で、そのくせ「何で助けたんだよ」なんてまるで子供の台詞。どちらともつかない年齢なんだなと。

ロックベル夫妻の最期。スカーかあ。アニメ設定と別に違いないと思ってたけど、アタリでああよかった!
エド達と大佐達が、対ホムンクルスという同じ立ち位置に立った分、第三のスタンスのスカーに錘をつける。そして物語りは進む。


「だったら前へ進むしかないじゃないか」
エドの決意。
今までは弟との決意だったけど、今度のはもっと視野が広く。

生命や前へ進むことや、つまりエド達を力強く肯定してエピソードを締める。
タッカー編は「生きて~方法が見つかるかもしれないじゃないか!」
第5研究所編は、病院の屋上で拳をあわせて「もっともっと強くなろう」
回想編はシグの「ばっかやろう!」と師匠の「ご飯にしよう。手伝いな」
グリード編は「帰ろう、師匠が待ってる」
一つ一つのエピソードは必ず、暖かい光射す方向で、終わる。

それはでも、主人公の気持ちをかっちり前に固定しておかないと、乗り越えられない壁が、この先にあるからこそ、今ここで「前へ進む」を再確認する必要があったのかもしれない。
がんばれエドー!



ところで。
ケイトの前に、バーニーがいたか。大佐の趣味の広さは諜報部では周知の事実か。そうか。
(これ、昨日はバーバラって間違って書いてました。すみません、直しました。バーニー、うさちゃんか。ロイのセンスは私の遥か上をゆく)


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2 コメント

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ご慧眼! (しのん)
2004-12-13 00:14:26
 小説も楽しく読ませて頂きましたが、このTALKもすごいですね!で、先月号のこのコメントを見て、どうしても一言。いや、今月号を見てしまってから言うわけではないですけど、まさに、エドの「前に進むしかないじゃないか!」という仕切直し宣言的セリフは、今後突き当たる壁の大きさを表していますよね。やっぱり…。いや、あんまり辛いのは考えたくないのだけれど、どう見たって今後そういう展開になりそう。ホーエンハイム父は、原作では酷薄そうで怖い部分がちらつきますね。今月号の「逃げたな。エドワード」にしても、立ち聞きするエドを十分意識しての「それは本当にトリシャだったのか?」のセリフにしても。アルの時限爆弾発言にしても、今月号は、今後の痛い展開への布石がてんこ盛り、で、読み終わったときは重たい気分になりました。軍部対ウロボロスの活劇は楽しかったんだけどなあ。エド、宣言通り頑張れ!そして、既に先月号読んだだけでこんな風にこのエドの前進宣言の意味を読みとった管理人様のご慧眼にも感服です。
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ありがとうございます! (管理人)
2004-12-17 13:06:38
しのん様はじめまして。コメントありがとうございます!

レスが遅くなりまして、すみませんでした。

えっと、慧眼、などと身に余るお褒めのお言葉を頂戴し、恐縮しております~。

壁に突き当たり、乗り越えるともっと高い壁が、というのは今までもそうで、そして全ての鍵を握るであろうホーエンハイムの登場でその壁はますます高くなるのだろうとは、思っていたのですが。

でもまさか、こんなに早く、こんなに根本を突き崩すようなネタが用意されているとは思っていませんでした。

うーん、すごいです~。

今までだって重かったけど、これからは一層、しのん様おっしゃるように、痛い、展開になりそう・・・。でも、どんなに重くても元気でポップで前向きなのを忘れないのが鋼の魅力!そこが好き!

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