貴船神社と橋姫神社
宇治の橋姫伝説と言えば、平家物語の剣の巻に登場する物語です。 丑の刻参り・・・。 ある公家の娘が嫉妬のあまり貴船神社へ詣でて鬼になることを願った。そして七日目に貴船の神託があり、姿を変えて宇治川に二十一日間浸かれば鬼と化すという。 そこで女は髪を松脂で固めて五つの角を作り、顔には朱、身体に丹を塗り、頭に鉄輪をかぶってその三本の足に松明をつけ、さらに両端に火をつけた松明を口にくわえて京の南へと走り、宇治川に浸かって生きながら鬼となったという。 その後、橋姫は阿倍晴明によって封じ込められ、源頼光四天王の渡辺綱らによって退治された。そして祀ってくれるならば京を守護すると言って宇治川に身を投げて龍神となったという。
また、一方で伝説の橋姫は、愛しい人を待ち続けるか弱き女性ともいう。この悲劇のヒロインは「源氏物語第45帖 橋姫」に登場する大君と中の君である。 橋姫は宇治拾帖の初巻で、でてきます。 桐壷帝の第八皇子で、光源氏の父である桐壷帝の皇子でありながら、不遇な人生を送っていた「八の宮」殿を中心に、宇治での物語が綴られており、「宇治十帖」とも呼ばれています。二人の娘「大君(おおいぎみ)」「中の君」と、その異母妹「浮舟」に、「匂宮」「薫」とが、複雑にからんで多彩な関係を展開します。 薫と大君、匂宮と中の君、の四角関係は、大君の死によって崩壊し、中の君をめぐっての危険な三角関係に発展していきます。しかし、薫は亡き大君へのやり場のない想いがたえず漂い、それを悲しくかみしめるのでした。
ここ貴船神社は京都の鞍馬山のまだ奥に位置しています。 山国地域の常照皇寺からやっと車が1台通れるような山道を走ること1時間、やっと到着した貴船神社は、いかにも清らかな気持ちで望まなければ・・・と、思わせるような雰囲気がただよう秘境にあります。 ところが驚いたことに、すごい人の波です。 というのも叡電鞍馬線というのがあり、京都御所のちかくから、鞍馬まで伸びているのです。 そして鞍馬駅からは貴船神社まで徒歩となりますが、ひんやりしたマイナスイオンを浴びれば苦にならない感じです。 貴船川沿いの山道には多くの旅館が軒を並べ、鴨川の納涼床と同じ床が貴船川に敷き詰められて、ここでの夕食はさぞかし風情をかもしだすことだろうと感じました。
貴船神社