プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◆ 伊達な優品勢ぞろいPartII―この10年の新収蔵品―

2017年06月07日 | ◆美しいもの。
仙台市博物館の企画展。特別展じゃなくて企画展。
暇があったら行こう程度に思っていて、暇がなかったのでまあ行かなくてもいいかと思い、
最終日前日にヒマになったので行ってきた。

まあまあ。かな。
前2回の企画展が全く期待しないで行って当たりだったので、今回は少し期待値が高かったか。
良かったけれども、意外性のない分、感動まではしなかった。
書状とかは前回の企画展の時にじっくり見て感心した分、同じ書状じゃないにしても面白味はだいぶ薄れる。


仙台と言えば東東洋。……とまで言える知識はわたしにはないが、一度特別展でじっくり見た分親近感がわく画家。
今回も数枚ありました。「西行図」「芙蓉双鴨図」その他。
この人の線は温かくていい。西行は柔らかい線で描かれたおっさん。
「芙蓉双鴨図」は芙蓉は温かみのあるゴツイ線、鴨は繊細な線で描かれていた。使い分け。

狩野梅笑の「牟礼高松図屏風」高松の八島の義経騎馬像を描いたらしい。
そういわれなければ全然義経って気がしないゴツイおっさん。多分甲冑も平安末期の考証ではない気がする。
でも力強い、力を持った絵。

伊達家のお殿様の何人かは絵が上手かったそうで。
伊達吉村「十二月和歌手鑑」、伊達綱宗「西王母・松に藤・柳に素馨図」なんかは素人離れしている。
お殿様っぽく品よく、少し力強さは足りないんだけど、殿様芸としてリッパなもんだ。

また字が上手い人も多くてね。
伊達宗村「仙台領分名所手鑑」、伊達吉村「松島紀行」なんかはきれいな字だったねえ。
宗村の方は同工の作品を以前に見たことがあって、左が絵師が書いた風景画、左に自作?の歌を書くというアート作品なんだけど、
これは家に飾っておきたいと思うー。料紙もきれいだしね。絵が、殿様の字の邪魔をしないように実に控えめ。
書は「読めないし、悪筆」というものが麗々しく飾ってあることもあって、よくワカラナイ分野だが、
お殿様の字は気持ちのいい、素直な字ですよ。……まあ読めないことに変わりはないけどね。

あとは菊田伊州という人の。
「秋草図屏風」大きい屏風で、主に女郎花とススキが描かれている。撫子とかも。
背景は総銀箔貼りだったらしい。その銀が今は全部黒くなってしまっている。
それはそれである種の迫力を生んでいるんだけど、元々の銀の屏風も見てみたい気がする。
手前にあるススキの輪郭は力強くごつく、後ろの女郎花は繊細。遠近法。
「群仙図摸本」屏風かなんかにした、もっと大きい作品の下書きだか模作だかって話だけど。
そうは思えないほど丁寧に細かく描かれている。切り貼りして手直しをしたところなんかもあるけど、
これが完成品でもいいくらいの出来の良さ。
光の帯に乗った馬の表現が面白かった。


その他にも多々面白いものはあったが、切りがないので割愛。
展示室は広くはなかったが、数もそこそこあって、さくっと見たつもりだが1時間以上かかった。
常設展値段でこのくらいみられたら満足です。
次は高野山だが、こっちの方がなんとなく期待薄かも。



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