プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◆ 伊達政宗と杜の都・仙台 -仙台市博物館の名品-

2023年06月19日 | ◆美しいもの。
いかにも仙台市博物館っぽいチラシのビジュアルだが、宮城県美術館のエキシビ。
でもこれ、うっかり仙台市博物館に行った人、一人くらいいそうですよ。
まあ現在仙台市博物館は改修工事のため長期休業中。
再開は来年4月です。

そして宮城県美術館の今回のエキシビを最後に改修工事のための長期休業に入ります。
再開は平成7年度中予定。というわけで見納めに行ってきました。


まあエキシビの内容自体はね。わりと見たことがあるものも多いしね。
6、7割は何度も見たもの。名品だから当然だね。予想範囲内なのでさくさく見た。

見たことがなくて面白かったのは、仙台城下絵図の類。
見てるのもあるかもしれないけど、多分お初なのが多かった。
黒地が多い絵図はなかなか珍しいんじゃない?

あと、侍屋敷の住人の名前までびっしり書いてあったのが面白かったなあ。
ほんとーに侍が多かったんだね!今まで、現在の商業地は町人が住んでいるところ、
大町から青葉城にかけて侍屋敷が林立、だと思っていたが実は違うようです。
芭蕉の辻や、そこから伸びる道沿いだけが町屋敷で、その裏はびっしり侍屋敷なの。
だから、国分町通りの両側は町屋敷だけど、今の一番町なんかはずっと侍屋敷。

仙台藩は侍の比率が他より高かったという記憶がある。あやふやだけど。
あれだけ侍屋敷ばっかりだと、時代劇のイメージとはだいぶ違うなあ。
江戸の町は町人が元気だったイメージだけど、仙台はだいぶ侍が威張ってたんじゃないか。
仙台商人という言葉もあるのだから、商業が低調だったとは思わないけど。

あとは遠藤速雄という人の「宮城十二景図屏風」。
これは大正期の作品だそうだから、普通に美術品ですな。普通にいい日本画。
十二景、控えてくればよかったな。


そして常設展では「リニューアル直前!宮城県美術館の名品勢ぞろい!」
という企画をやっていました。これも基本的には見たのばっかり。

が、山脇百合子という絵本作家?挿絵画家?の原画がかなりたっぷりあって、
これは初めて見て、すごく面白かった。「ぐりとぐら」って日本人作なんですね!
海外物かと。わたしは絵本のジャンルってかなり弱点なんですよね。ほぼ無知。

でもいい絵だったー。
すごく画力がある気はしない。美術的な訓練はほぼ受けてない人だと思う。
だが、だからこそなのかもしれないが、たどたどしくてそれが味なんだよなー。
線があったかいの。色もきれいだし。楽しく見ました。

わたしは近現代の洋画のジャンルは好きじゃなくて、
宮城県美術館のコレクションはけっこうみんなキライ。
今回出てたので好きなのは……そうねえ、藤田嗣治の「横たわる貴婦人」、
カンディンスキーの「商人たちの到着」くらいだろうか。

本当は川端龍子の「和暖」を見たかったんだよ。
宮城県美術館所蔵で一番好きな絵。出してくれなかった!不満。


そして久しぶりに佐藤忠良館もさらっと見て。
アリスの庭の彫刻たちにも挨拶して。
しばらく会えないけど、ずっと元気でいて下さい。

移転の話がなくなり、改修になったわけだからほとんど変化なく直してくれる
物だと思っているが、唯一北側の庭だけはもう少し何とかしてもいい気がする。
前から思っているんだけど、あそこのデザインはイマイチな気がするのよねー。
動線もちょっと変だし、だから人が行かないんだよ。
奥まっているとはいえ立地的にはすごくいいんだから、
もっと上質な空間を目指してください。

またね。宮城県美術館。




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