アメリカ農水省が2010年に発表したレポートでは、アメリカの全世帯の14.5%(およそ1720万世帯)が貧困のために満足な食事がとれていないと報じられています。別の統計では「アメリカの子どもの5人に1人は "飢えている" 」と報じられています。
この秋にスタートした新版セサミストリートに、新しいキャラクターのマペットが登場しました。ピンクのマペットはリリーという名前の。ブルーのドレスを着た7歳の女の子です(上の写真)。リリーは小学校低学年の子どもの視点から、貧しい故に「食べるものが十分にない」家庭の現実について,視聴者の子どもたちに語りかける役回りです。「(貧困ゆえの)不安定な食生活」(Food Insecurity) というアメリカの社会問題は、子どもの世界でまで語られることになったのです。
確かに、子どもの窮状に気づくのは、同じ子どもの仲間である場合が多いですから、飢えている子どもたちを救済するためには、仲間の子どもたちが貧困や飢えの問題を理解しておくことが重要でしょう。それにしても・・・・アンデルセンが凍てつく路上で飢えて凍えて死んで行く女の子の物語「マッチ売りの少女」を書いたのは1848年のことです。どうして21世紀の、それもアメリカの子どもたちが、いまだに同じ問題を抱えていなければならないのでしょう?
さて、子どもたちの絵本で「はらぺこ(Hungry)」と言えば、言わずもがな、陽気な「あおむし」や「モンスター」です。”food Insecurity” の問題を正面から取り上げた絵本は見つかりませんでした。近い将来、そんなテーマの絵本が登場するのでしょうか?
The Very Hungry Caterpillar board book | |
Philomel |
Hungry Monsters (HALLOWEEN) | |
Reader's Digest |
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