お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

風変わりなおはなし

2009-06-25 | about 英語の絵本

James And The Giant Peach

ロアルド・ダール(Roald Dahl)をご存知でしょうか? 英国生まれの作家です。第二次世界大戦では空軍兵士として勇名をとどろかせましたが、帰還後作家に転ずるや、たちまち次々と世界的なベストセラーを生み出す作家になりました。

ダールの作風はユニークなというより、やや風変りなというべきものです。大人に向けては、ほとんど常に読者の期待を裏切る展開と結末の短編を書くことで知られ、児童書としては、いわゆる子どもむけのセンチメンタリズムとはまったく無縁の、乾いた風刺とブラックユーモアに満ちた作品を書くことで知られています。それなのに、と言うよりは、きっとそれゆえにと言うべきでしょう、大人にも子どもにも熱狂的なファンを持っています。

今日ご紹介する "James And The Giant Peach"(邦訳:おばけ桃の冒険)は先ごろ映画になった "Charlie And The Chocolate Factory"(邦訳:チョコレート工場の秘密)などと並ぶダールの人気絵本のひとつです。

ジェイムズは両親がサイ(あの"犀"です!)に食べられてしまったために孤児になってしまい、意地悪な二人のおばさんに引き取られてひどい暮らしを強いられていました。ある日不思議な男の人が、ジェイムズにワニの舌がはいっているという魔法のバッグをくれました。ジェイムズは嬉しくて興奮のあまり駆け出して転んでしまいます。そのはずみでバッグの中身が散らばってしまい、中に入っていた小さなものはみな庭の桃の木の根にもぐりこんでしまいました。すると桃の木のてっぺんに桃がなり、どんどん大きくなって、ついには家と同じほどの大きさにまで育ちました。

ジェイムズの二人のおばさんは大喜び!食べる前に近所の人に見せて見物料を取ることにしました。大勢の見物客が詰めかけて、おばさんはホクホク。やっとお客様様が帰ったと思ったら、おばさんはジェイムズに後片付けを命じ、ジェイムズは暗くなっても一人で働かなければなりませんでした。

ジェイムズはふと桃に手を触れ、桃に大きな穴があいているのを発見して、そこにもぐりこみます。穴の中はトンネルになっていて、這っていくと、桃の真ん中につきました。さて、そこでジェイムスを待っていたのは・・・?

さあ、ジェイムズと仲間たちの冒険物語の始まりです。あとは読んでのお楽しみ。

ちなみに、アマゾンの読者レビューに「僕はこのお話が大好きです!でもね、ジェイムズのお父さんとお母さんがサイに食べられちゃうのはおかしいと思うんだ。食べたのがライオンとかだったらわかるけど・・・。だって、サイは"ベジタリアン"だから、人間を食べたりしないはずだもの。でも、それでも、僕はこのお話がすきです!」というかわいい投稿がありました。

娘も私も大の”ダール”ファン。娘に一番好きな作品はどれ?と聞いたら"The Wonderful Stories of Henry Sugar and Six More"ときっぱり。私はどれも好きでなかなか決め難く迷いますが、"Boy"と題された彼の自伝が好きです。


コメント
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