お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

Quack!Quack!アヒル軍団の寄付集め

2009-06-24 | from Silicon Valley


ラバーダッキー(Rubber Ducky)は赤ちゃんがお風呂でバスタブに浮かべて遊ぶ、小さな黄色いアヒルのおもちゃです。アメリカの赤ちゃんなら誰でもひとつは持っていると言っても決して過言ではないおもちゃ。しかも、昔ながらの、実に“古典的な”人気おもちゃなので、もう大人になってしまった人も、小さいときにはきっと持っていたに違いない、だから、誰にもとってもちょっと懐かしいおもちゃです。

毎年夏にシリコンバレーのほぼ南端にある大きな公園で催されるシリコンバレー・ダックレース(The Silicon Valley Duck Race)は、このRubber Duckyが主役。運営資金作りに悩むベイエリアのNPOのために、地域住民が家族そろって参加して資金作りに協力するファミリーイベントです。

公園には地元の協賛企業が出す模擬店が並び、また、さまざまなゲームや子どもむけの工芸教室などが開かれて、家族連れで賑わいます。出店者はもちろんボランティア、売り上げは寄付されます。

イベントの目玉は公園内を流れる川で開催されるRubber Duckyのレース。参加者が1個5ドルの寄付で買ったRubber Ducky全部がレースに”参加”します。今年は1万5000個ものアヒルがレースに出ました。

アヒルは全員が黒いサングラスをかけているのが、このイベントのユニークな特徴。大会の歩く広告塔の”着ぐるみのアヒル”も黒いサングラスをかけています。もう一つの特徴は、参加者に寄付を募る時、アヒルを「買ってください」と言わずに、アヒルを「養子にしてくださいPlease Adopt」というところ。言葉遣いひとつにも、愛情がこもってます。このアヒルたち、レースの後は主催者に回収されて来年のレース出場のためにしっかり”しまって”置かれるリサイクル要員です。

今年はこの6月21日の日曜日に開催され、アップル社の創業者の一人であるスティーブ・ウォズニアクがアヒルと一緒に川に入って喝采を浴びました。もちろん彼も黒いサングラスをかけてました。

不況で暗いニュースが続く中、どこの家計も昨年の夏より苦しいはずですが、しかし、アヒルの養子縁組は好調で主催者を喜ばせました。

アメリカは不思議な国。不景気になると、企業による大口の寄付は減るのですが、個人による小口の寄付はむしろ増えます。うちの家計も苦しい・・・でも、もっと大変な人がいる・・・せめて私の手に負える程度の寄付はしよう・・・という思いと行動が、不況で苦しい時にはふだん以上に広く、強く共感・共有されるようです。


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