旧門司税関 旧大阪商船

2007年01月04日 | 赤レンガ建築

 

旧門司税関

明治42年11月長崎税関より分離して門司税関が発足、これを契機に明治45年(1912)に煉瓦造り瓦葺平屋構造の庁舎が建設された。設計は妻木頼黄の指導のもとに咲壽栄一が担当したと言われている。15年使用されたが昭和2年に新庁舎が西海岸通りに移ったので、民間に払い下げられ事務所・倉庫などに使われた。このルネサンス様式のこの赤煉瓦造りの旧門司税関は、長き時代の変遷を見守ってきた北九州のシンボル的存在なので、北九州市が取得し平成6年に修復された。内部は大きな吹き抜けのロビー、その奥に税関PRコーナーがある。近代的なデザインで改修されているが、当時のままの状態も保存されており、この建物の特徴などが良く理解できる。

 

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旧大阪商船門司支店

赤レンガのように見えるオレンジ色タイルと白い石の帯が調和したデザインの外観と八角形の塔屋が素晴らしい建物は旧大阪商船門司支店として大正6年(1917)に河合幾次の設計で建てられた。構造上の特徴は外側をレンガで組み上げ壁を作り、壁の内側に型枠を作って鉄筋コンクリートを流し込んだ「片面レンガ型枠鉄筋コンクリート」が採用されている。明治時代の煉瓦造りから昭和の鉄筋コンクリートへの時代の�壓ぎ目が伺える建物だ。写真右は創建当時の写真で係留されているのは天龍川丸。1階は海峡ロマンホール、2階はギャラリーとして使われている。

 

国際友好記念図書館 大連市・芸術展覧館レプリカ  

ロシア帝国が1902年大連市(中国)に建設した東清鉄道汽船事務所を、北九州市と大連市が友好都市締結15周年を記念して1992年複製建築された。設計は作風からドイツ人設計者と言われている。オリジナルの建物は戦時中には日本の大連倶楽部などとして使われ、戦後は幾つかの変遷を経て現在はロシア風通りで芸術展覧館として使われている。国際友好記念図書館は1階がレストラン、2階は中国・東アジアの文献を収蔵した図書館、3階は資料展示室となっている。アンクルサムは子供の頃大連にいたこともあり、資料室にある展示は興味深いものばかりだった。