宮の散歩

近場の花の名所と観光地、催し物をのんびり散策しています。

シモツケコウホネ講演会

2019年03月31日 | 催し物
日光市で行われた「シモツケコウホネ講演会」を聞いて来ました。
シモツケコウホネは栃木県内の4か所にしか生育してない希少種で
環境省レッドリスト絶滅危惧IA類になっています。
2006年に新種として発表されてから、名付け親となった志賀隆さん
(現・新潟大学准教授)が、これまでの研究成果を解説されていました。
代表の柴田さんのあいさつの後、DVD放映「シモツケコウホネ圃場整備から10年」
があり、保護活動の歴史がよく分かりました。
内容:「ここまでわかったシモツケコウホネ」 小代の宝!、日光の宝!、栃木の宝!
1.水草ってどんな植物? ・一生のうちのある時期に必ず水中環境を必要とする植物。
2.コウホネの仲間ってどんな水草? ・抽水、浮葉、沈水性の多年草、
  北半球の温帯域に2~20数種。分類群間で多数の自然雑種。
3.シモツケコウホネってどんな水草? ・オグラコウホネ(西日本)に近縁だが
  独立したグループ。ヒメコウホネ(東海地方)、ネムロコウホネ(北海道)
  ナガレコウホネ(栃木県)は、コウホネとシモツケコウホネの雑種。
  葉の形の違い、葉柄の断面、果実の比較、遺伝子による分類。
4.シモツケコウホネを守る
 4-1.開発から守る ・絶滅危惧種の減少理由34%、圃場整備による変化
 4-2.盗掘から守る ・減少理由24%、DNA鑑定で産地調査。
    国内希少野生動植物に指定。インターネットでの取引は無くなった。
 4-3.環境の変化から守る ・①pHが低く、遊離炭酸濃度が高い水環境、
    ②高すぎない水温、③適度な堆積環境、④肥料が過度に用いられない環境
 4-4.今後の課題 ・水路の保全・補修、外来種対策
    水草が息づく水辺を次世代に伝えよう。小学唱歌の「春の小川」は東京都に
    ある河骨川(現在は暗渠)がモデル。=「コウホネが咲き乱れる川」
(写真は志賀隆さんの挨拶時で、撮影と掲載の許可をえています。)
その後、日光市の環境保護活動と質疑応答が行われました。
講演会は、とても分かりやすい説明で、自然保護活動の大変さも感じました。
日時:2019年3月30日(午後1時30分~4時)
資料代:100円
会場:日光市落合公民館ホール(日光市小代439-3)
主催:シモツケコウホネと里を守る会(後援:日光市)