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玄米屋ウエトミ

玄米屋ウエトミのブログ
お米5ツ星マイスターの上田那未がお届けします。

玄米屋ウエトミ かわら版 2013年10月第18号

2013-10-12 00:15:30 | ウエトミかわら版
言い訳

夏もやっと終わったなあと思っていたらまた暑さがカムバック。
10月の半ばというのに30度を超える毎日に「これから日本はどうなっていくのだろう?」なんて思ってしまいます。
皆さま、お体は大丈夫ですか?

連休に友人と姉のいる東京へ遊びに行きました。
ご利益がいっぱいあるようにと七福神めぐりをする予定があまりの暑さに三福神で断念。
出雲大社に続いてまたもやイケテいない私でしたが食べ物だけはパーフェクトに敢行。
歩き過ぎで足に水膨れを作ろうが、広い駅構内、どこのロッカールームに荷物を預けたのか忘れようが、這ってでも予約したレストランに行きました。
おいしい食事は私のつま先から頭の先まで幸せいっぱいにしました。

まだ陶酔から冷めやらぬ私は姉にさよならして、帰りの新幹線で71歳の友人に質問。

「おいしかったねえ。私幸せやわ。○○さんは何が一番気に入った?」と聞いたら

友人「わしは六本木のイタリア料理や!!」。

私「エッ?六本木はインド料理やったんやけど・・・。初日の45分並んだランチも最高やったわ。そう思わへん?」

友人「なに食べたっけ?」

ガーン!!何も覚えていない?!!

私が練りに練った食事の行程は意味なし?

なんと友人は「過去は振り返らない」なんて言うではありませんか?

上手すぎる言い訳に完敗です(笑)。

「言い訳」。

自分が好意を持っている相手なら何を言われようが腹が立たないのですが、意外と家族の言い訳は自分の耳をすんなり通過とはいきません。
父と一緒に仕事してからずっと喧嘩の種は「聞いていない」の一言。

「言った」「言わない」は毎朝の挨拶のように延々と続きます。

喧嘩しているうちはお互い元気に仕事しているということだから気にするほどでもないのかもしれないですがやはり、腹が立ちます。

仕方ないですねえ。

昔、母から「先に謝った方が本当は賢いのよ」と教わりました。

まわりくどい言い訳をするより素直に「ごめんなさい」。

5年前に実際に「ごめんなさい」でつながった友情もあります。

心からの「ごめんなさい」はより一層相手の心に響き、時にはもっと深い友情となります。

ビジネスの中でも言い訳は日常茶飯事に耳にします。

聞く側は意外と真実を知っているのですが、そこに誠実さが加わるか否かで、言い訳も相手に与える印象が随分と変わってくるように思います。



私の田んぼ。
去年よりおいしいかな?


玄米屋ウエトミ かわら版 2013年8月 第17号

2013-07-24 15:02:50 | ウエトミかわら版
全部ウソもん?

先日、とってもかわいくておもしろい男の子に会った。

とある家族経営の小さい旅館に泊まった時のこと。
前日の夕食に出た「いちじくのシロップ漬け」がおいしかったので、おみやげに買って帰ろうとしたところ、
椅子に座って番をしている7歳くらいの男の子が「それはウソもんだから買わない方がいいよ」と言うのです。

じゃあ他のものでも買おうかなと手にしたらまたもやそれもウソもんだと言うのです。

商売気のない、えらく正直な子だなあと思ったのですが、
手に取るおみやげをことごとく「ウソもんだ!」と言い張る様子に「何か変だなあ・・・」。
「じゃあ、どれがホンモノなの?」と聞くとその男の子はすかさず
「キャンディとチョコレートとアイスクリーム!。

その他は全部ウソもん!」。

「エエッー?!!」。

ははーん。

さては自分が好きなもの以外は全部ダメなんだ。

男の子の真剣なまなざしに思わず「プッ!!」と吹き出してしまった。
きっと親から自分たちが食べてもいいものをそう教えられているのだろう。

まさかお客に子供がそのまましゃべってしまうことまでは予想外だったのであろう。

遠くでやり取りを見ていた旅館の女将さんが忙しそうに伝票を整理しながら私に
「朝10時になったらアイスクリームを食べてもいいと言ってるんやけど、
この子、いつも30分前から待ってるんよ。何か言ってた?」と聞いた。

「何も言っていないですよ。かわいいお孫さんですね」と私は返した。

なぜなら、1個のアイスクリーム欲しさにずっと冷凍庫の前で頑張っている!

お金を持ってすぐコンビニやスーパーに買いに行く子供の少なくない時代に、めずらしいくらい純粋である。

おまけに旅館のおみやげ屋にある冷凍庫には山ほどアイスクリームが積まれている。
なのに、ひたすら10時になるのを待っている。
あまりにもかわいくて、守ってあげたくなるではないか。

怒られるのがかわいそうで女将さんに告げ口することができなかった私は、結局おみやげを買わずに宿をあとにした。
おそらくあの子が番をしている限り、あの宿ではおみやげが売れないだろう。

それも困ったものだ。

きっと今頃、女将さん夫婦は「なんでうちのおみやげは売れないんだろう?」と首をかしげているに違いない。

「並べ方が悪いんではないか?」「値段が高いからかしら?」などど頭を悩ませているかもしれない。

「本当はかわいいかわいい男の子のせいなんだよ」とこっそり教えてあげないと小さいおみやげもの屋がいつか閉店になっては大変だ。





刈取り姿はやはり男前?

玄米屋ウエトミ かわら版 2013年4月第15号

2013-04-16 11:45:33 | ウエトミかわら版
家の中に男がふたり

新緑の美しい季節になり、日中は暑くなってきました。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか?

長かった冬とおさらばし、体が思う存分のびのびと動かせるようになりました。
そうなると口ものびのびして、親子の会話は遠慮なく好き勝手なことをペラペラ。

私「ちょっとお父ちゃんっ!!、私の歯ブラシ、使ってへん?わたしは青色やで」

父「おまえこそ、わしの歯ブラシ使ってへんか?わしは赤やで。」

変な会話でしょう?

何故そんなバトルが始まるかというと数年前「なんでいつも歯ブラシが濡れているんやろう?」と思いながら使うこと1カ月。
ついにお父ちゃんが私の歯ブラシを使っているのを発見!

私「私は青色やで!」

父「わしが青色や!」

1本の歯ブラシを1ヶ月間共同で使っていたわけです。世間ではあり得ない話です。
絶対におかしい。でもそんなことが日常茶飯事。

「私の靴下がない・・・。どこいったんやろ?」。

大抵、父の下着箱から見つかります。
家の中で男が二人いるようなものです(笑)。
昔、母が二人目を産むときに父は男の子を望んだのですが残念ながら女の子。
しかし考え方は男そのもの。
どうみても姉のほうが女性らしく、繊細。

2年前、父がボソッと「お前が男やったらなあ」とつぶやくのを聞きました。

当の本人は米屋をするのに女であることに不便は感じず、今も楽しく仕事しております。

お米30kg担いでも腰を痛めないように、体重を増やし、筋力をつけて、男性並みの体力に。

きっと細い男の人なら私が反対に抱っこできます(笑)。

それだから男性陣はみんな逃げて行くのかなあ。

やりたい仕事がたまたま米屋だったわけで、昔に比べると仕事に男、女の区別はなくなってきているように思います。

今は好きなことをさせてもらっているので本当に幸せです。

冷凍食品会社を退職してから店に入ったので、私はスタートが遅かったのですが、人生は何歳から始めても遅くないと思っています。

母は絵手紙教室と籐教室に昨年から習い始め、今年は水彩画も始める予定です。
母は人生の大半を店と家族で占め、これから自分の人生を生きようとしています。
活き活きとした母はとても美しいです。

精一杯、いろいろなことを経験して実りある人生を歩んでいきたいものです。


母が作ってくれた藤のバック

玄米屋ウエトミ かわら版 2013年3月 第14号

2013-03-11 11:41:27 | ウエトミかわら版
ありがとう、ありがとう

だんだんと暖かくなってきました。皆さま、お元気でいらっしゃいますか?

かわら版にまだ登場したことのないばあちゃんの話を今回したいと思います。

近くに住んでいるばあちゃんは認知症になって8年。毎日デイサービスに通って、夕方帰ってきます。
いつもニコニコ。家族で一番の健康体です。
当初、認知症になっていることがわからず、薬を飲ますのが遅れ、坂を転げ落ちるように物忘れがひどくなりました。

今では覚えている単語がたったひとつ。

「ありがとう」 だけです。

夜になるとひょこひょこ歩いて我が家にやってきます。

母が作った夕食を食べて「ありがとう」。
何でも「ありがとう」。

世界一きれいな言葉だと思います。

ばあちゃんが食べるのを見ていると、とてもおもしろいのです。

野菜は嫌い。肉は大好き。
小さい子が食べたかのようにお皿には野菜が残っています。

母「その野菜を食べへんかったらおやつは食べられへんで」

祖母「・・・」

仕方なく食べる様子はまるで子供のようです。

毎日繰り返されるばあちゃんと母のバトル。

高齢になってくると体温調整が難しいので、ばあちゃんがデイサービスから帰ってくる頃には母は冬は部屋を暖めて、夏は涼しくしておきます。

ところが本人はおかまいなし。すぐエアコンを切ろうとします。

特に夏は熱中症に気をつけないといけないのでこちらも対抗措置でエアコンのリモコンを隠したら、
ナント本人は向かいのコンビニに行って「あれ(エアコンが言えない)を切って欲しい」と訴えるのである。

いつもお巡りさんの手をひかれて、帰ってきます。
お巡りさん「今は暇やからすぐ連れてこれるけど忙しい時はちょっと待ってもらわなあかんで」と困り顔。

私たち「いつもすいません」。

打つ手なしです。また今年の夏も毎日バトルが繰り返され、悩むことになるでしょう。
しかし澄んだ目をして、普段はおとなしく座っているばあちゃんを見ていると、最後まで自宅で見てあげたいと思うのです。
皆さま、介護をされている方もいらしゃると思いますがどうされていますか?
いろいろな悩みを抱えながら楽しいことも共有して暮らしていく。それが家族というものなんでしょうね。

今日もデイサービスから帰ってきました。

「ばあちゃん、お帰り」。

ばあちゃんはいつもと同じ素敵な笑顔になりました。

玄米屋ウエトミ かわら版 2012年11月 第13号

2012-11-05 13:07:07 | ウエトミかわら版
今日だけ女になります?!!

朝晩かなり冷え込んできましたが、皆さま、お元気でいらっしゃいますか?

前回のかわら版、スライサーのケガの反響は大きく、たくさんのご意見、ありがとうございます。

炊事することが多い主婦の方はいろいろ痛い目をされているのですね。

今回は超おすすめ、女性にうれしい神社の紹介です。

友人が女性の願いならよくきいてくれる神社があるというので行ってみることにしました。
1つだけお願いをして、叶えば御礼参りして、また新たにお願いをする神社らしいのです。

早速、母と姉を車に乗せて鳥羽にある神明神社にお参りに行くことにしました。
当日は前も後ろも見えないぐらいのどしゃぶりの雨。山をいくつも越え、やっとの思いで小さな港町に着きました。

傘をさしながら神社に入るとびっくり!

神社に女性があふれているではないか!!

正月でもないこの普通の日に、雨にも負けず、女性がお参りをするために長い行列を作っているのです。女性パワーはおそるべし。

境内の中にいくつか神社があったので、お参りの順番を聞こうと思って、神主さんをたずねました。

私「どのようにお参りしたらいいですか?」

神主さんが「あちらの本殿から」と言いかけたところで私の横にいたおじさんがいきなり横入り。

「わし、今日は女になるわ」

神主さんと私は「ん?!!」

おじさん「わし、去勢して今日だけ女になるわ」。
神主さんはレディーの横で何を言うんやと困り顔。



私はと言えば、こういうおじさんは大好きです。

この変なおじさん、雨にもめげず、にこにこしながら私の後ろに並んで、お参りする順番を待っていました。

紅一点ならぬ男一点。

今日だけ女に変身したおじさん、お参りされた後の顔はとても幸せそうでした。

人生、こんな風に生きたほうがいいのだろうなぁなんて思っちゃいました。

今回も念入りにお参りした後、姉に聞きました。

私「何をお願いしたん?」

姉「私はでかくいくより細かく細かくいくことにしたわ」(さすが堅実な姉らしい考え方)

私「じゃあ、3人とも願いが叶う時期が違うと思うから叶ったら1人で行ってや」と宣告。

姉「わかってるわ。ちゃんと道を覚えて帰るやん」

3人で乗って行った車と違い、姉の車にはカーナビがついていない。
そのわりには姉は行きも帰りも熟睡している。

なんでやねん。

苦笑。まあ、次も一緒に行くか・・・。そういえば
我が家にも変なおじさんのような人が一人いる(笑)。

くよくよ悩むより、おじさんのように人生はにこにこ♪楽しく生きたいものだ。