カンパのお願い
5月30日に結審があります。
徳永弁護士も手弁当で支援して下さっていますが、
打ち合わせ等をするにも交通費等の出費を無視できません。
カンパは支援している三善会にお願いします。
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ゆうちょ銀行からの振込の場合
【金融機関】 ゆうちょ銀行
【口座番号】 記号:17010 口座番号:10347971
【名 義】 サンゼンカイ
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ゆうちょ銀行以外の金融機関からの振込の場合
【金融機関】 ゆうちょ銀行
【店 名】 七〇八(読み:ナナゼロハチ)
【店 番】 708
【口座番号】 普通:1034797
【名 義】 サンゼンカイ
沖縄人は日本兵にペコペコ頭を下げているが、ここで重要なことは、子供は学校に行くようになるまで帝国主義の影響を直接受けていないということだ。入学するまでに子供は少なくとも五歳になっている。
学校での軍国主義教育の証拠を私は金武で目にした。校舎の屋根のてっぺんに円屋根の頂塔があったが、それは槍の訓練の時、突き刺す方向の目標となるものだった。天皇の写真(御真影)を後生大事に飾り、生徒たちが天皇の顔を見ずに、頭を下げるよう命令されている場所(遥拝所)も残っていた。生徒は全て軍服に似た制服を着ていた。
しかしながら、生後五年間子供は母親のそばにいて帝国主義から守られていた。子供の両親は帝国主義者ではなく、表面的にその場しのぎで帝国日本に忠誠を誓っていた。五歳になるまで家庭で軍国教育から守られていた子供の性格の基本はしっかり形成されている。その後、起きることの性格形成に及ぼす影響はメッキを重ねるだけのものであり、多かれ少なかれ容易にはがれるものだ。
第三章 沖縄の精神から学ぶべきこと
心理学と民俗学の観点から沖縄人を分析して判明したのは、戦時下の沖縄人の精神から学ぶべきことが多々ある、ということだ。その意義は極めて大きい。子供が生まれてから数年間の母親の純粋な子育てによって精神的健康をはぐくむことの重要性はこれまで余りにも無視されてきた。科学的発見、新発明、法律制定などは確かに一般的生活環境を向上させるものであるが、それにもかかわらず、欲求不満の種が人間界から駆逐されることは決してないだろう。
だが、私が沖縄人の母親たちから学んだことはこうだ。人間一人一人はどれだけ精神的外傷を受けても、自我の崩壊(自分を見失うこと)もなく立ち直れるほど精神的に強くなれる、ということだ。
戦争情報局はドイツは非ナチ化することができると公表している。もし、この主張が、成人になってからナチ思想を刷り込まれたドイツ人のことを言っているなら、私も“その通り”だと同意する。薄いメッキはすぐはがれるものだ。
しかしながら、この主張が、生まれた時からナチ化されてしまったドイツ人のことまでを言っているのなら、私は同意しない。根っからのナチ信奉者を非ナチ化しようとすれば、激しい抵抗に見舞われるだろう。あるイエズス会の修道士が言っている。“七歳まで子供を私に預けるなら、その子を生涯敬虔なカトリックにしてやれる”
私はこうした実例を目にしてきた。自分の意思でカトリックを放棄した“カトリック離れ”の人間はカトリック気質を抜けられないものだ。彼の行動パターンは教会の教えに違反したことにたじろぐか、そうでなけれぱ、とりつかれたように教会のすべての教えに背くか、どっちかだ。彼のこうした強迫観念によって権威に対して反動や抵抗したりすることが起きる。
もし彼が捨てたカトリック教が攻撃されたら、彼がカトリック教のために立ち上がることがよくある。そして死の直前、子供のころの信仰に立ち戻ることがしばしばだ。これと全く逆に、精神分析治療に長年かたくなに抵抗し続け、その神経質な性格に何の好転も見せなかった例もある。
皮肉にも、このイエズス会の格言はナチ信奉者と日本帝国主義者にもピタリと当てはまる。“子どもが七歳になるまで俺に預けてくれれば、その子を生涯立派なナチ信奉者にでも日本帝国主義者にでもしてやれる”ということになる。
─つづく