上原正稔日記

ドキュメンタリー作家の上原正稔(しょうねん)が綴る日記です。
この日記はドキュメンタリーでフィクションではありません。

沖縄人とは何か ─米人医師の分析─ 10

2013-05-14 08:28:19 | 沖縄人とは何か ─米人医師の分析─

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5月30日に結審があります。 

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【名  義】  サンゼンカイ
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【金融機関】 ゆうちょ銀行
【店  名】  七〇八(読み:ナナゼロハチ)
【店  番】  708
【口座番号】 普通:1034797
【名  義】  サンゼンカイ 


前回の続き

 生まれた直後からナチズムや帝国主義を植え付けられた者は絶えず取り調べて、検疫を通さねばならないだろう。つまり、手遅れにならないうちに断固たる措置を取ること、が要請されているのだ。

 世界平和への長期計画を達成するには、精神的に健全な成人を育てることを忘れてはならない。工ーリッヒ・フロムはその著書「自由からの逃避」の中で指摘しているが、マゾ(自虐)傾向の者が無自覚のまま権力と一体化した場合、その者は崇拝する権威者が権力を失えば、新たな権威者を探して崇拝するものだ。新たな権威者と一体化すれば、かつての権威者を嘲り、非難する。その権威者のメンツを損なうことまでやるのだ。

 戦後の日本とドイヅでも似たような状況が生まれるだろ。つまり、連合国の権威者と一体化することになるだろう。

 (マロー二ー先生が予言する通り、敗戦後日本人はマッカーサー元帥を天皇に代わる権威者として崇拝し、内乱も暴動もなく、戦争放桑の憲法を制定して「平和的」国民となった。だが、朝鮮戦争で北朝鮮を支援する中国に原爆を落とそうとまで主張するマッカーサーがトルーマン大統領に罷免され、アメリカ議会で「われわれ西洋人が四十五歳だとすれば、日本人は十二歳の子供だ」と本音を吐き、日本人がマッカーサーを崇拝することはなくなった)

 連合国が車を運転している限り、後部席に乗っている敗戦国の客はおとなしく運転手に運命をまかせることになる。

 屋嘉の捕虜収容所には、およそ四千人の日本兵捕虜がいたが、徐々に猫のようにおとなしくなり、アメリカ軍つまり飼い主に尾を振るようになった。しかしながら、連合国の監督や影響力が終われば、生え抜きのナチ信奉者や日本帝国主義者は新たな地域の扇動政治家の下に集結するだろう。

 もしも沖縄で観察されたように、母親の献身的な無心の子育てにより精神的に健全な成人がはぐくまれるのなら、少なくとも理論上は世界平和が達成されるだろう。科学的裏付けのある、母親による正しい子育てと正しい子供のしつけを実行に移すことによって、新しい形の成熟した集団共同社会を築くことができるだろう。

 この集団共同社会は独立した糟神的に健全な成人たちの集団でなければならぬ。沖縄人は疑いもなく証明した。人は糟神的に健康な成人に育てられるということ、そして戦争が荒れ狂っても正気を失わずにいることができるということを示してくれた。

 文明が生き残るためには、我々は最終的に何らかの実施可能な集団共同社会を達成せねばならない。我々はどこにいるか分からない敵から自分の身を守るために、いつも注意を怠ってはならない。どこにあるか知らない小さな国の安全が崩れると、全世界の安全が崩れることになるかもしれないのだ。

 世の中で何が起きているのか、何が危険なのか、全く知りようもなく、母親だけが頼りの年端もいかない子供が暴力を受けて、精神的に歪んでしまうと、心配性で、情緒不安定で、子供っぽい成人になってしまう。よく見られることだが、彼らが恐怖を鎮めようとすることが、逆に姿を変えて攻撃的になる。不安になり、周囲の状況を把握するのに精神病的傾向が強くなる。彼らは欲求が抑えられなくなり、自己本位になる。学校ではいじめっ子になり、社会ではごろつきになり、すぐけんかを始める。このようなごろつきが増えると、その国はごろつき国家となり、戦争を始めるのだ。

─つづく


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