旧刊時空漂泊

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昭和十八年版 中南米年鑑

2011-06-09 15:05:25 | 日記
昭和18年11月30日 発行

編輯兼発行人 水谷 清
発行所    日本中南米輸出入組合聯合會

          



 昭和18年という太平洋戦争の時代に日本と中南米との間で貿易が行われていたのでしょうか、

不思議でしかたがない。793頁に次の記述がありました。



      「昭和16年7月米国が対日資金凍結の措置に出てより我が対中南米貿

      易は弗決済に依る商取引の不可能の為輸出輸入共著しく壓縮されたが

      大東亜戦争の勃発と共に全面的に硬塞途絶を見るに至った。茲に於て

      日本中南米輸出入組合聯合會の事業も其の活動を消極化するの不得已

      に立到つたが時恰も大東亜共栄圏を主軸とする計畫貿易の設定実施が

      要請せられ、之が国策立案及び総合運営機関として貿が設立せられ、

      易統制会従来の市場別聯合會は其の機構内に吸収統合せられる事

      となり、多年の間対中南米貿易振興中枢機関として国策に寄与し、積

      極的に中南米市場工作に力を効したる日本中南米輸出入組合聯合會も

      発展的解消をなす事となり、昭和17年5月1日解散の認可を得、我が

      対中南米貿易史上に巨大な足跡を残して其の光輝ある歴史の幕を閉ず

      ることとなった。」



(上記の文中、不明の箇所がありますが、原文のまま掲載しました。)

やはり、本書出版時点で中南米貿易は「硬塞途絶」していたのでした。

それにしても、同じような言葉が並ぶ読みにくい文章です。

統制経済の性質の表現でしょうか。現代でも見かけることがあります。