旧刊時空漂泊

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民族學研究 第13巻 第3號

2011-06-03 00:25:52 | 日記
日本民族學協會編  
昭和24年2月1日 発行
彰考書院 発行
    

 本誌は111頁ですが、11~81頁は「日本民族=文化の源流と日本国家の形成」
と題する「対談と討論」にあてられています。

参加者は岡 正雄、八幡一郎、江上波夫、石田英一郎。


      

「太平洋戦争が終わって、家の近くの大阪や堺が一面の焼け野原で、これから先のこ
となどまったく見当もつかなかったころ、僕は八十五円だして『民族学研究』という一冊
の雑誌を入手した。そのころの八十五円はとても痛かったが、その表紙に
?特集・日本民族=文化の起源と系統?とあったので、ついに決心して買った。
 そこには岡正雄・八幡一郎・江上波夫氏らによる対談と討論が七十ページも収録されて
いて、今日流にいえばシンポジウムである。
 このシンポジウムのなかで、騎馬民族征服王朝説の根幹が発表されたのであったが、
その雄大な歴史の構想と、考古学以外のさまざまな学問を駆使されるダイナミックな研究
方法に二十歳をこえたばかりの僕はすっかり胆をつぶしてしまった。」

森浩一『僕が歩いた古代史への道』 角川文庫 217~218頁  平成12年10月25日 初版発行