「あのねぇ、ラウル。あたしが元気ないのは、おなかが減ってるからじゃなくて・・・」
しかし、レムは、空腹になると元気がなくなるのは、事実だったので。へたをすると、凶暴にもなる。
「それから、リンゴとミカンの砂糖にもあるよ」
「だから、そうじゃなくって」
「じゃ、食べないの?」
「・・・いえ、いただきます」
最初は真面目な話だったのだが、結局、なんだかんだいっても、こうして騒ぎだしてしまう二人だった。
しかし、やっぱり、気分がおさまらないレム。
「行くんだったら、ひとこと言ってってくれたっていいじゃないの。別に減るわけでもないんだし」
片手にティーカップ、片手にお菓子を持った状態で、叫びだしてしまったレムであった。
「ねえ、私はもう少しここに残るけど、レムは、どうするの?」
一夜明けての朝食時、ラウルシャインは、食後のお茶を入れながらレムに尋ねた。
「うーん、そうね・・・」
ラウルシャインの入れてくれたお茶を飲みながら、レムが考え込んだ。そして、
「そろそろ、仕事に戻ろうかと思ってる。こうして、ただ飯食らってばかりもいられないしね・・・。それに、協会から戻る途中で誘われた仕事もあるし」
「そうか、寂しくなるね」
「何言ってんの、また遊びに来るわよ。それじゃ」
空になったカップを置いて、レムは立ち上がった。あまり長居し過ぎると、出かけられなくなる。
「え、もう行くの?」
「うん。片づけしないで悪いけど」
「そんな事は、いいんだけど・・・」
「それじゃ。もし、カルが戻ってきたら、よろしく言っといて」
そう言って、玄関のドアを開けると誰かが走ってくるのが見えた。その小さな姿には、見覚えがあって・・・・。
「レム、どうしたの?」
レムの背に声を掛けたラウルシャインも、その場に立ち尽くした。
その人物は、建物の数メートル先で足を止め、懐かしそうに微笑んだ。
※
風樹です。
次回、最終回予定。
しかし、レムは、空腹になると元気がなくなるのは、事実だったので。へたをすると、凶暴にもなる。
「それから、リンゴとミカンの砂糖にもあるよ」
「だから、そうじゃなくって」
「じゃ、食べないの?」
「・・・いえ、いただきます」
最初は真面目な話だったのだが、結局、なんだかんだいっても、こうして騒ぎだしてしまう二人だった。
しかし、やっぱり、気分がおさまらないレム。
「行くんだったら、ひとこと言ってってくれたっていいじゃないの。別に減るわけでもないんだし」
片手にティーカップ、片手にお菓子を持った状態で、叫びだしてしまったレムであった。
「ねえ、私はもう少しここに残るけど、レムは、どうするの?」
一夜明けての朝食時、ラウルシャインは、食後のお茶を入れながらレムに尋ねた。
「うーん、そうね・・・」
ラウルシャインの入れてくれたお茶を飲みながら、レムが考え込んだ。そして、
「そろそろ、仕事に戻ろうかと思ってる。こうして、ただ飯食らってばかりもいられないしね・・・。それに、協会から戻る途中で誘われた仕事もあるし」
「そうか、寂しくなるね」
「何言ってんの、また遊びに来るわよ。それじゃ」
空になったカップを置いて、レムは立ち上がった。あまり長居し過ぎると、出かけられなくなる。
「え、もう行くの?」
「うん。片づけしないで悪いけど」
「そんな事は、いいんだけど・・・」
「それじゃ。もし、カルが戻ってきたら、よろしく言っといて」
そう言って、玄関のドアを開けると誰かが走ってくるのが見えた。その小さな姿には、見覚えがあって・・・・。
「レム、どうしたの?」
レムの背に声を掛けたラウルシャインも、その場に立ち尽くした。
その人物は、建物の数メートル先で足を止め、懐かしそうに微笑んだ。
※
風樹です。
次回、最終回予定。