「後は、他に何か対抗策あるの?」
レムは、半分投げやりな気分になってきた。
「後は、・・・・・般若心経唱えるくらいかな」
と、また、聞いたことのない言葉がカルの口から出てきた。
「ハンニャシンキョウ?」
「っていう、お経。本当は、摩訶般若波羅密多心経っていうんだって」
「・・・はぁ、そう」
オキョウって何? と一瞬聞いてみようとしたレムだったが、更に訳の分からない言葉が増えそうだったので、やめた。まぁ、唱えると言うからには、呪文みたいなものだろうか?
「それじゃ、今度は、あたしが確実に霊や魔物を相手に出来る術、教えてあげる。確か、攻撃精神魔術は初めてよね」
その台詞に、一瞬固まるカル。しばらくして、恐る恐るといった感じで
「・・・それ、今から?」
と聞いてくるカルに
「そう、今から」
レムが、きっぱり言い返した。
「む、無理だよぉ。今からやって覚えられらとしても、出来るようになんてならないよ。ね、そんな不確実な方法とるより、ここから逃げたほうが良いんじゃない? 今夜、一晩くらいどっかで・・・」
カルの言う不確実な方法というのなら、方法不明な結界やお清めも大して変わりないのだが・・・・。
「逃げるのは、無理ね。もう、仕事として請けてきちゃったもの」
「へ?」
ぴたっ
カルがその姿勢のまま、また、固まる。
「う、請けてきちゃったって、いつ?」
「今日、ここの資料とか調べるのに協会に行った時。ほら、不審火があったって言ってたでしょ」
「どこから?」
おーい、ちょっとカル。頭の回転おかしくなってるわよ。
どこまでも、マイペースなカルにレムのほうが崩れ気味。
「だ か ら、魔道士協会から。だって、あたし、ただ働きするつもりなんてないもの。それから、カル一人で逃げるのは、なしね。そんな事したら放り出すわよ。その前に火炎球の5・6発は、覚悟しなさいね」
脅しとも取れるレムの台詞にカルは
「そんな・・・・」
半泣きで、おろおろと部屋の中を歩き回る。
「そんな歩き回る暇があるなら、何とかして術の一つや二つ覚える努力でもしなさい。こうなったらぶっつけ本番覚悟よ」
「そんな、だって・・」
「だってもへったくれもないの。あたしがやりなさいといったらやるの。わかった?」
こういうのは、先に言い切ったほうが勝つ。
カルもレムの勢いに押されたように、こっくりと頷いた。
よし。
レムもそれに頷いて
「それじゃ、取りあえず覚えられそうなものから、いこうか」
後はもう、日没・妖界の門が開くまでが勝負のつけどころ。幽霊だか魔物だか知らないけど、何がなんでもこの仕事成功させて、協会から報酬ふんだくって、あのおかみさんをあっと言わせてやる。
息も荒く、レムがほえた。
レムは、半分投げやりな気分になってきた。
「後は、・・・・・般若心経唱えるくらいかな」
と、また、聞いたことのない言葉がカルの口から出てきた。
「ハンニャシンキョウ?」
「っていう、お経。本当は、摩訶般若波羅密多心経っていうんだって」
「・・・はぁ、そう」
オキョウって何? と一瞬聞いてみようとしたレムだったが、更に訳の分からない言葉が増えそうだったので、やめた。まぁ、唱えると言うからには、呪文みたいなものだろうか?
「それじゃ、今度は、あたしが確実に霊や魔物を相手に出来る術、教えてあげる。確か、攻撃精神魔術は初めてよね」
その台詞に、一瞬固まるカル。しばらくして、恐る恐るといった感じで
「・・・それ、今から?」
と聞いてくるカルに
「そう、今から」
レムが、きっぱり言い返した。
「む、無理だよぉ。今からやって覚えられらとしても、出来るようになんてならないよ。ね、そんな不確実な方法とるより、ここから逃げたほうが良いんじゃない? 今夜、一晩くらいどっかで・・・」
カルの言う不確実な方法というのなら、方法不明な結界やお清めも大して変わりないのだが・・・・。
「逃げるのは、無理ね。もう、仕事として請けてきちゃったもの」
「へ?」
ぴたっ
カルがその姿勢のまま、また、固まる。
「う、請けてきちゃったって、いつ?」
「今日、ここの資料とか調べるのに協会に行った時。ほら、不審火があったって言ってたでしょ」
「どこから?」
おーい、ちょっとカル。頭の回転おかしくなってるわよ。
どこまでも、マイペースなカルにレムのほうが崩れ気味。
「だ か ら、魔道士協会から。だって、あたし、ただ働きするつもりなんてないもの。それから、カル一人で逃げるのは、なしね。そんな事したら放り出すわよ。その前に火炎球の5・6発は、覚悟しなさいね」
脅しとも取れるレムの台詞にカルは
「そんな・・・・」
半泣きで、おろおろと部屋の中を歩き回る。
「そんな歩き回る暇があるなら、何とかして術の一つや二つ覚える努力でもしなさい。こうなったらぶっつけ本番覚悟よ」
「そんな、だって・・」
「だってもへったくれもないの。あたしがやりなさいといったらやるの。わかった?」
こういうのは、先に言い切ったほうが勝つ。
カルもレムの勢いに押されたように、こっくりと頷いた。
よし。
レムもそれに頷いて
「それじゃ、取りあえず覚えられそうなものから、いこうか」
後はもう、日没・妖界の門が開くまでが勝負のつけどころ。幽霊だか魔物だか知らないけど、何がなんでもこの仕事成功させて、協会から報酬ふんだくって、あのおかみさんをあっと言わせてやる。
息も荒く、レムがほえた。