ぱし ん
どの位たっただろう。何かを叩くような音にレムが我に変える。
灯火の明かりだけで見える室内で、特別変わったところはない。が・・・・
「カル、こういう時に寝てないでよ」
椅子に座ったまま、こっくろこっくりやっているカル。
度胸があるのかないのか、あれだけ緊張していながら・・・・・。
呆れ返るレムの耳に
ばしん ぼふ
また、音が聞こえた。今度は、先ほどより大きい。
「な に、今の?」
カルが目をこすりながら、きょときょとと辺りを見回す。と、
ばん ばしん
これは、かなり近い。と、いうより、すぐそばで何かを叩いているような・・・・。
ばん ばたん どん
「レ、レムちゃん。そこ・・・」
カルは、震える手でレムの服の袖をつかみ、もう片方の手で布をつるした入り口を指差す。
さすがのカルも、しっかり目が覚めたようだ。
それにしても、何なのこれは? レムが目を見張る。
布が、跳ねている。
ばん がたん ぼふ ぼん ・・・・・
などの音とともに、向こう側から何かで叩いているように、布が動いているのだ。まるで、入り口につるした布が邪魔だとでもいうように。
しかし、それははっきり言ってありえない。
今現在、入り口の戸は閉まっており、布と戸の間には隙間などほとんどないようなもので、それを布の向こうから部屋の内側に向かって、どうやって叩けるというのだ。
しばらくすると、かなり厚手の筈の布に切れ目が出来、続いて切れ目が大きく裂ける。
その裂け目から茶色い焼けただれたような細い腕が一本 にゅ と、突き出した。続いて、別の指が裂け目にかかり、裂けて出来た布の穴を
べりばり ずびびび・・・・
裂き割る。
それが、そこから入ってくると思った。そかし、それ は、何故かその場から動こうとはせず、かわりに
グワオオオオオオゥ・・・・
とでも形容すればよいのだろうか。とにかく何とも形容しがたい音(声?)と共に、部屋の中を熱を持ったとてつもない轟風が吹き荒れた。
とっさに風の結界を張ったレムは無事だったが、辺りが静かになった時、部屋中が惨憺たる有様になっていた。
壁の所々に焼け焦げたような跡が残り、テーブルは倒れ瓶や袋は床の上に放り出され、ベッドの上の敷布や毛布は向こうの壁まで吹き飛ばされ、床は皿やコップがひっくり返った状態でぐちゃぐちゃになっていた。
そして、その皿やコップを置いた張本人、カルは、
ま、まさか、
「カ、カル・・・・、どこ、大丈夫?」
レムが恐る恐る部屋を見回すと
ベッドの向こうに山になっている毛布や敷布の塊がモゾモゾと動いて、カルが顔を出した。
とっさに、ベッドの向こう側に非難したのだが、轟風の勢いで毛布と一緒に壁際まで転がって行ってしまったとの事。
「びっくりしたわよ。気が付いたらカルいないんだもの。でも良かった、無事・・・とは、ちょっと言えないみたいだけど、取りあえず、元気?そうで」
レムに引っ張り出されたカルの姿は、髪の一部が焼け焦げてちりちりになり、頬と手の一部が赤くなっていた。
どの位たっただろう。何かを叩くような音にレムが我に変える。
灯火の明かりだけで見える室内で、特別変わったところはない。が・・・・
「カル、こういう時に寝てないでよ」
椅子に座ったまま、こっくろこっくりやっているカル。
度胸があるのかないのか、あれだけ緊張していながら・・・・・。
呆れ返るレムの耳に
ばしん ぼふ
また、音が聞こえた。今度は、先ほどより大きい。
「な に、今の?」
カルが目をこすりながら、きょときょとと辺りを見回す。と、
ばん ばしん
これは、かなり近い。と、いうより、すぐそばで何かを叩いているような・・・・。
ばん ばたん どん
「レ、レムちゃん。そこ・・・」
カルは、震える手でレムの服の袖をつかみ、もう片方の手で布をつるした入り口を指差す。
さすがのカルも、しっかり目が覚めたようだ。
それにしても、何なのこれは? レムが目を見張る。
布が、跳ねている。
ばん がたん ぼふ ぼん ・・・・・
などの音とともに、向こう側から何かで叩いているように、布が動いているのだ。まるで、入り口につるした布が邪魔だとでもいうように。
しかし、それははっきり言ってありえない。
今現在、入り口の戸は閉まっており、布と戸の間には隙間などほとんどないようなもので、それを布の向こうから部屋の内側に向かって、どうやって叩けるというのだ。
しばらくすると、かなり厚手の筈の布に切れ目が出来、続いて切れ目が大きく裂ける。
その裂け目から茶色い焼けただれたような細い腕が一本 にゅ と、突き出した。続いて、別の指が裂け目にかかり、裂けて出来た布の穴を
べりばり ずびびび・・・・
裂き割る。
それが、そこから入ってくると思った。そかし、それ は、何故かその場から動こうとはせず、かわりに
グワオオオオオオゥ・・・・
とでも形容すればよいのだろうか。とにかく何とも形容しがたい音(声?)と共に、部屋の中を熱を持ったとてつもない轟風が吹き荒れた。
とっさに風の結界を張ったレムは無事だったが、辺りが静かになった時、部屋中が惨憺たる有様になっていた。
壁の所々に焼け焦げたような跡が残り、テーブルは倒れ瓶や袋は床の上に放り出され、ベッドの上の敷布や毛布は向こうの壁まで吹き飛ばされ、床は皿やコップがひっくり返った状態でぐちゃぐちゃになっていた。
そして、その皿やコップを置いた張本人、カルは、
ま、まさか、
「カ、カル・・・・、どこ、大丈夫?」
レムが恐る恐る部屋を見回すと
ベッドの向こうに山になっている毛布や敷布の塊がモゾモゾと動いて、カルが顔を出した。
とっさに、ベッドの向こう側に非難したのだが、轟風の勢いで毛布と一緒に壁際まで転がって行ってしまったとの事。
「びっくりしたわよ。気が付いたらカルいないんだもの。でも良かった、無事・・・とは、ちょっと言えないみたいだけど、取りあえず、元気?そうで」
レムに引っ張り出されたカルの姿は、髪の一部が焼け焦げてちりちりになり、頬と手の一部が赤くなっていた。