「チョウカ!?」
三人が唖然とした顔で見守る中、宙に浮いたまま呪歌(ドラグス)を歌い出した。
チョウカがグルラディーヌに手を差し伸べる。と、彼女を包んでいた生命樹の根がほどけていく。
そして、グルラディーヌの手を取ると水の上をすべるように移動し、向こう側の石畳へ着地した。
レトとグリシーヌに抱きかかえられるように、膝をつく。
歌が終わり、ほうぅ と息をつくチョウカ。そこへ、生命樹に操られたモノ達が水の中から這い出した来た。
「また、出た」
グルラディーヌが飛び上がる。
廊下で襲って来たモノ達だ。
「よし、さがってろ」
レトが黒蛇に拾ってもらった丸いやつの外側をはがし、その中身を取り出すと生命樹に向けて思いっきり投げつけた。
ど お お ぉ ・・・・・・ ん
空間が揺れる。
這い出してきたモノが水中に転がり落ちる。
次に、生命樹は水中から根を伸ばしてきた。
「おし、もういっちょ」
ど っ ご ぉ ー ん
生命樹が揺れる。
「やめろっ」
魔術師が生命樹の傍らに姿を現した。
「私の娘に何をする」
ゆっくりと水中に倒れ込む、生命樹の幹を抱く。
ぱらり
水が波立ち、岩の天井にひびが入る。
生命樹の幹が水に沈み、変わって根が浮上する。その根に絡まる白いモノ。そして、その根が魔術師までも絡め取っていく。
レトが手の中に残るモノを天井に向けてたたきつけた。
「おい、逃げるぞ」
レトが座り込んでいる3人を立たせ、地上に向かう廊下へ促した。
ばらばらと 天井だった岩壁が崩れてくる。
4人がその空間から飛び出した時、一気に天井が落ちた。
後は、ひたすら廊下を走る。
ありがたい事にグルラディーヌが残した明球が道しるべのかわりとなった。
そして最後、閉じられた扉を
『風礫矢』
グルラディーヌの術が叩き壊す。
ぐわ がらん どっしゃ ぐしゃ
建物を飛び出して4人が振り返ると、満月の光の中、崩れた建物の向こうにある沼の水が地下へ吸い込まれていくところだった。
「も、もう 追ってこねえよ な」
そう言ったのは、レト。そして、その場にへたり込んだ。
「そうですね。もう、その必要はなくなりましたからね」
言ったチョウカが座り込み、残りの姉妹も崩れるように座り込んだ。
「もとはといえば、あの樹でしたから。それがなくなれば、肥料も新しい苗床も必要ありませんから」
チョウカの言葉にグルらディーヌが続ける。
「あの魔術師、これで娘さんと一緒になれたかな」
「そうですね、多分。・・・そう、願うしかありませんね」
おい、今まで自分がされた事、忘れてねーか。
突っ込みたいレトではあったが、そこまでする気力も体力もなく、それを見たグリシーヌが一言。
「本人が良いのでしたら、それでよろしいのではありません?」
その翌日、連れ立って隣村に向かう4人の姿があった。
三人が唖然とした顔で見守る中、宙に浮いたまま呪歌(ドラグス)を歌い出した。
チョウカがグルラディーヌに手を差し伸べる。と、彼女を包んでいた生命樹の根がほどけていく。
そして、グルラディーヌの手を取ると水の上をすべるように移動し、向こう側の石畳へ着地した。
レトとグリシーヌに抱きかかえられるように、膝をつく。
歌が終わり、ほうぅ と息をつくチョウカ。そこへ、生命樹に操られたモノ達が水の中から這い出した来た。
「また、出た」
グルラディーヌが飛び上がる。
廊下で襲って来たモノ達だ。
「よし、さがってろ」
レトが黒蛇に拾ってもらった丸いやつの外側をはがし、その中身を取り出すと生命樹に向けて思いっきり投げつけた。
ど お お ぉ ・・・・・・ ん
空間が揺れる。
這い出してきたモノが水中に転がり落ちる。
次に、生命樹は水中から根を伸ばしてきた。
「おし、もういっちょ」
ど っ ご ぉ ー ん
生命樹が揺れる。
「やめろっ」
魔術師が生命樹の傍らに姿を現した。
「私の娘に何をする」
ゆっくりと水中に倒れ込む、生命樹の幹を抱く。
ぱらり
水が波立ち、岩の天井にひびが入る。
生命樹の幹が水に沈み、変わって根が浮上する。その根に絡まる白いモノ。そして、その根が魔術師までも絡め取っていく。
レトが手の中に残るモノを天井に向けてたたきつけた。
「おい、逃げるぞ」
レトが座り込んでいる3人を立たせ、地上に向かう廊下へ促した。
ばらばらと 天井だった岩壁が崩れてくる。
4人がその空間から飛び出した時、一気に天井が落ちた。
後は、ひたすら廊下を走る。
ありがたい事にグルラディーヌが残した明球が道しるべのかわりとなった。
そして最後、閉じられた扉を
『風礫矢』
グルラディーヌの術が叩き壊す。
ぐわ がらん どっしゃ ぐしゃ
建物を飛び出して4人が振り返ると、満月の光の中、崩れた建物の向こうにある沼の水が地下へ吸い込まれていくところだった。
「も、もう 追ってこねえよ な」
そう言ったのは、レト。そして、その場にへたり込んだ。
「そうですね。もう、その必要はなくなりましたからね」
言ったチョウカが座り込み、残りの姉妹も崩れるように座り込んだ。
「もとはといえば、あの樹でしたから。それがなくなれば、肥料も新しい苗床も必要ありませんから」
チョウカの言葉にグルらディーヌが続ける。
「あの魔術師、これで娘さんと一緒になれたかな」
「そうですね、多分。・・・そう、願うしかありませんね」
おい、今まで自分がされた事、忘れてねーか。
突っ込みたいレトではあったが、そこまでする気力も体力もなく、それを見たグリシーヌが一言。
「本人が良いのでしたら、それでよろしいのではありません?」
その翌日、連れ立って隣村に向かう4人の姿があった。