「カル、カル。どうしたの?」
二人で協会を出て宿に戻る途中、カルはまたもや道の真ん中で一転を見つめ ぼー、状態。
こんな状態がずっと続くと、本気で危険かもしれない。と、レムが心配したところ
「ごめん、レムちゃん。先、戻ってて」
持っていた杖と荷物を放り出し、唐突に駆け出していってしまった。
「ちょっと、カル。どこ行くのよ」
カルが放り出した杖と荷物を抱えて、その後を追うレム。
先行けといわれても、こんなまともじゃない状態の子を一人で生かせるわけにはいかないじゃない。あたしは、責任を持ってあの子が何をするか見届ける義務がある。単に好奇心旺盛なだけと言ってくれてもいいけど。
カルを追いかけて十字路へ出ると、カルが何かを探すようにあっちこっちきょろきょろしているのを見つけた。
「カ・・・・」
しかし、レムが声をかけるよりも早く、また、どこかへ駆け出して言ってしまった。
一体、何なの。いきなり?
レムは、首をかしげながらも、カルを追いかけた。
カルは、立ち止まってはあたりを見回し、また駆け出す(それをレムが追いかける)。というのを幾度か繰り返し、気が付くと街の外にまで出てしまっていた。