宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

リーフ 32

2008-10-06 21:41:50 | 小説 リーフ
「あの・・・、お葬式とかでお酒飲んだり塩振りかけてお清めしたりしない? 悪い事があった時、塩まいたりとか」
 そう言われてもねぇ・・・・。レムが首をかしげる。
 だって、オキヨメなんて言葉初めて聞いたし、確かに洗礼や禊・みそぎの儀式には、水や香油・お香使ったりするけど・・・。本当にそんなのが効くのだろうか?
「う~ん。どうなんだろう」
 レムが腕組みをして、記憶を掘り起こしてみる。
 今まで勉強してきそんなのあったっけ? 葬式で塩振りかける? お清めに酒を使う?   聞いたことないわねぇ。もしかして、白魔術の分野かしら? 後で、確認してみよう。
「それじゃ、地鎮祭とかどうすんの?」
「ジチンサイ・・・、って、何それ?」
 やはり、初めて聞く言葉に、レムが首をひねる。
「家建てたりする前に、土地の神様をお祭りするのって知らない?」
「知らない。っていうか、そういうの見たことも聞いたこともない」
 土地の神様? 地霊とかならいるって聞いたことあるけど。
「って事は、もしかして、土地神様にお鎮まりいただいたり、工事の安全祈願とかしないで、いきなり家とか建物たてる工事しちゃったりとか?」
 信じられない。と、驚き顔のカル。
「そうじゃないの? そういうの、あまり良く知らないのよ。もしかしたら、教会で何かやってるのかもしれないけど、そう言うのって、滅多に見られるものじゃないでしょ」
 これ以上、訳の分からない言葉が出てきてはかなわないと思い、レムが強引に話を打ち切る。そして、ふと視線を動かすと、カルが入り口にぶら下げた布が目に入った。
「ところで、どうしてあんなところに、布なんて垂らす訳?」
 カルの行動の意味が分からない。やはり、何か訳があるのだろう?
「あれ? うん、霊って一直線に進むって話を聞いたことがあるような気がしたんで、本当かどうか分からないけど、とりあえず、入り口から一直線に入れないようにしてみた」
 ほんとかよ~。レムが、疑いの目をカルに向ける。
「どこから、仕入れてきたの? そんな話」
「・・・さぁ?」
 のんきに首をかしげるカルにレムはめまいを覚えた。
コメント
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