宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

リーフ 44

2008-10-21 09:36:54 | 小説 リーフ
 しばらくの間、二人はお互いに見詰め合って、・・・ではなく、見合っていたが、張り詰めた空気を断ち切るように、彼が動いた。
 上げた腕を振り下ろす。と、同時にカルの足元が弾けた。それを飛んでかわした後、彼に向けて突っ込んでいく。
 また、地面が弾ける。その瞬間、
『浮空輪』
 浮遊術を掛け、カルが地面を蹴った。
 ふわり と、彼を飛び越してその後ろに着地。間髪をいれず、振り向きざまに術を放つ。
『火烈陣』
 複数の火の玉が彼を取り巻く。しかし、彼はまったく慌てる様子もなく、足元の土砂を吹き上げさせると、カルに向けて火の玉をはじき返した。
『火熱壁』
 さらに、呪文と同時に手を振り、それをはじき返すカル。はじかれた火の玉は、あちこちに散らばり、勝手に自爆して消えた。
 そういえば、これってコウジュとかいう緑の石が元なのよね。それをほっぽっといていいのだろうか。
 土の皿の上でレムが首をひねっている間にも、二人の間で術が飛び交っていた。
『撃風弾』
 ぼう ぼん どごっ どがっ
 鈍い音が聞こえ、皿の上からレムが目を凝らすと、ちょうどカルが彼の作り上げた無数の土人形を打ち壊したところであった。さらにもう一発
『爆振弾』
 今度の狙いは、彼の足元。つま先の辺りで、土が弾ける。
 彼はそれを、後ろに下がってかわした。
「なるほど。少しは、勉強したようだね」
 彼の笑みが変わる。
 そう言えば、さっきから彼は一歩も動いていない。いや、動いていなかった、カルの術をかわすまでは。おまけに呪文を唱えている様子もない。一体、何者なんだ、彼は? カルとは、どういう関係があるんだろう?
 上空で二人の動きに目を離せなっているレム。
 彼が大きく深呼吸をする。そして、左の腰に当てた右手を引いたとき、一振りの剣が握られていた。
 剣を構える彼に、カルが呪文を唱えつつ突っ込んでいく。
 何、馬鹿の一つ覚えみたい事・・・・。と、焦ったレムだったが、今回は違った。
『撃風弾』
 彼に向けて、風の衝撃弾を放ったのである。
 一瞬、彼の注意がカルからそれる。その隙を狙って彼の脇を駆け抜けた。
 目的は、レムの下に落ちている杖。
 カルは転がるように杖を拾い、体をひねって彼が振り下ろした剣を受けた。



 こんにちは、風樹です。今回は、術を連発するカルですが、どんな術かは文字を見ていただければ、大体分かると思います(・・・・書き手も覚えが悪いので下手に横文字とか使うと、どんな術だったか分からなくなってしまうもので)。
 この際だから、カルがこの一年間習った術を出せるだけ出してみようと思いました。まだ、少し出てない術もありましすので、お楽しみに。
 出来ましたら、最終回までお付き合いいただけるとうれしいと思います。
コメント
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