からくの一人遊び

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Jessie Buckley - Glasgow (No Place Like Home) (From "Wild Rose")

2024-05-23 | 音楽
Jessie Buckley - Glasgow (No Place Like Home) (From "Wild Rose")



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深沢七郎の「笛吹川」という小説を読んだ。

深沢七郎といえば、「楢山節考」が有名で、あの三島由紀夫が中央公論新人賞の審査において絶賛したと言われている小説である。

彼は私の郷土の作家であるので、高校生のときにその「楢山節考」を読んだのであるが、その内容については紙に書けばニ、三行で済んでしまうくらいに詳細については憶えてはいない。

むしろ新潮文庫だったか、その中に「楢山節考」の他にいくつか短編が載っていて、「東京のプリンスたち」という小説の方が印象深い。

それはともかくとして「笛吹川」だが、とても面白く読ませてもらった。

時代は甲斐の武田信虎から信玄、勝頼までの、笛吹川に架かる橋の下に住む一家の数代に渡る話。

信玄とかが直接登場するわけではないが、それぞれ戦が興る度に一家の若い衆が手柄を立てようと望んで戦に出向き、その流れの生き死にの中で武田家との深い因縁を有するようになる。最後は残酷なまでの一族の終わりを遂げるのであるが、何というかそこに一種の皮肉のようなものを感じた。

奇妙なのはこの物語に作者の意思のようなものがまるで感じられなかったこと。

普通はそれを感じさせるような作者の文章表現があったりする。しかしそういったものは一切排除し、それ故作者はただ「居る」だけで、登場人物たちは自分たちが思ったことを思い、やりたいことをやっている。つまりまるで彼らが自らの意思を持って「生きている」ようにみえるのである。

そう書けること、書くことはとても難しいことなのだと思う。

その難しいことを深沢七郎は当然のごとくやってしまう。

天才とはそういうものだとつくづく思わされた「笛吹川」という小説。

やばい、他のもハマりそうだ。

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