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日々の気になるニュース。ただし某NGOのお仕事が忙しい時はしばらく更新されないことも…。

次世代MDシステム、日米共同研究を来年度から開発段階に (各紙)

2005-06-06 23:11:05 | on Peace
大野功統防衛庁長官は5日、訪問先のシンガポールで記者団に対し、日米で進められてきた次世代のミサイル防衛(MD)システムの共同研究を06年度から開発段階に移行させる方針を表明した。06年度の概算要求に初年度経費として数十億円を盛り込む方針。年末までに閣議決定する。
大野長官は8日に防衛庁で、来日するオベリング米ミサイル防衛庁長官と会談し、開発段階への移行を表明する。米国は今年2月の日米防衛首脳会談の際、06年度米予算(05年10月から予算措置)から開発に着手する方針を日本側に伝達。大野長官の表明は米国の方針を受けたものだ。米戦略との一体化が浮き彫りになることから、政府は説明責任を問われそうだ。 (毎日新聞のサイトから)

政府は03年12月に、海上配備型SM3と陸上配備型PAC3(パトリオット3)の導入を決定する一方、共同研究している次世代型については官房長官談話で「将来の開発・配備への移行については別途判断を行う」としていた。しかし、昨年12月、武器輸出三原則緩和に関する官房長官談話では「共同で開発・生産を行う場合には、武器輸出三原則等によらないこととする」とし、MDに関する共同開発・生産を三原則の例外とし、共同開発を視野に入れた環境整備が進んでいた。 (朝日新聞のサイトから)

日米で共同技術研究しているのは、将来型の海上配備型迎撃ミサイル(直径約53センチ)。大型で防護範囲が広く、目標のミサイルとおとりを識別する高い性能を持つのが特徴だ。 (読売新聞のサイトから)

読売新聞は「大型で防護範囲が広く、目標のミサイルとおとりを識別する高い性能を持つのが特徴」などと、まるでカタログ丸写しのようなことを書いているが、MDシステムが「ヘタな鉄砲、数撃っても当たらない」ことは、すでにアメリカの実験で実証済みだ。政府は、実験で失敗しているのと日本に配備するのは違うシステムだとか言っているが、最終的にどういうシステムが配備されるのかは、まだ開発段階である以上わからない。さらに言えば、軍事機密という実に都合のいい言い訳で、その本当の性能は、実戦で使われるまではわからないだろう。(演習では、いくらでもごまかせるだろう。)
日本にミサイルを撃ち込みそうな国として、多くの人は北朝鮮を想起するだろう。北朝鮮のミサイル基地がどこにあるかはわからないが、東京までの距離は約1200kmぐらいを考えるのが妥当だろう。ミサイルの速度は時速6000km程度。ということは、東京に着弾するまでわずか12分だ。どんなシステムがあれば日本海上でミサイルを迎撃できるのか教えてもらいたいものだ。
野党第1党の民主党も、MDシステムには賛成のようだが、何を考えているものやら…。
クール・ビズとか称して、ネクタイを外し上着を脱いだだけの、半端なかっこうで郵政民営化の議論をしている暇があるのなら、MDシステムのアホらしさについてもっと真剣に考えろ! と言いたい。
MDシステムなどというものは、アメリカ軍産複合体のマルチ商法でしかない。
先日、何の成果も無いままに終了したNPT再検討会議で、ネガティヴな役割を果したのがアメリカだ。ブッシュ・アメリカは、CTBTも反故にしてしまっている。こんな国と軍事システムの共同開発をするというのは、日本の現政権の平和政策のいい加減差を物語っている。本気で、NPT体制、CTBTの実効を目指すのなら、アメリカとのMDシステム共同開発はあり得ない。。

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