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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

住宅兼事業所の住宅ローン金利の経理処理(個人事業者の場合)

2011-02-07 17:00:00 | 所得税の確定申告
よく質問を受けます。

住宅の一部を事業用に使用しているのであれば、事業用部分に対する住宅ローンの金利は事業所得の必要経費として処理することができます。なお、事業用部分に対する金利の計算は住宅の総面積(建物部分でよいでしょう)に対する事業用に使用している面積の割合によるのが一般的です。

■返済を事業とは無関係の預金口座でしている場合の仕訳

≪借方≫支払利息(事業用部分のみ)≪貸方≫事業主借

住宅ローンを返済する都度、この仕訳をすることになります。借入金という勘定科目は生じません。支払利息の金額は利息総額に対して事業に使用している割合を乗じた額です。

■住宅ローンを事業用の預金口座からしている場合の仕訳

【住宅を購入したとき】
≪借方≫土地+建物≪貸方≫借入金+現金あるいは預金

【毎月の返済】
≪借方≫借入金+支払利息(事業用部分)+事業主貸(住宅部分)≪貸方≫現金あるいは預金

借入金を全額計上しているので、住宅部分の金利は事業主貸として処理し、損益に影響しないようにしなければなりません。(「支払利息+事業主貸」が利息総額です。)

■住宅ローンの返済は事業とは無関係の預金口座でしているけれども借入金勘定を発生させる場合の仕訳

【住宅を購入したとき】
≪借方≫土地+建物≪貸方≫借入金

【毎月の返済】
≪借方≫借入金+支払利息(事業用部分)+事業主貸(住宅部分)≪貸方≫事業主借

住宅部分の金利は事業主貸として処理し、損益に影響しないようにしなければなりません。借入金の返済は事業主の個人の預金口座からしていますので、貸方は「事業主借」で処理します。

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★住宅の名義が家族と共有になっている場合?
利息の計算は上記でよいとして(生計を一にする親族の払った費用は必要経費にできる)、家族(配偶者など)が負担すべきローンを事業主が返済している場合には贈与税の問題が生じます。さて、仕訳はどのようになるのでしょうかね?


3 コメント

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質問です (出目金)
2012-10-30 15:46:16
自営の青色申告者です。とても分りやすい説明がUPしてあり、大変助かりました。ありがとうございます。質問なのですが・・・土地:1000万円 建物:1500万円を購入(事業40%住居60%) 頭金を200万円用意し住宅ローン借入を2000万円(プライベート用の通帳に入金)・・・この場合、①土地・建物を取得した時の仕訳はどうなるのでしょうか?貸方の科目が分かりません。 ②年末の決算時の仕訳は「減価償却費(40%分)+固定資産税(当年分の40%分)/事・借」でいいのでしょうか・・・?
もし宜しければ、建物・土地を購入した時~決算時の年間の流れで発生する仕訳を教えて頂ければ嬉しいです。融資額をプライベートの通帳か事業用通帳にするかで、仕訳が変わってくると思うのですが・・・混乱しています。宜しくご教授ください。   
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出目金様 (築山哲(管理人))
2012-10-30 17:23:36
コメントありがとうございます。

①の貸方は現金(預金)+借入金です。

②はそのとおりです。必要経費になるのは事業用部分だけです。

大変申し訳ありませんが、それ以外のご質問は今後の記事の参考にさせていただくということでご勘弁ください。今後ともよろしくお願いいたします。
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Unknown (出目金)
2012-10-31 11:52:41
素早いご回答に感謝いたします!ありがとうございました。今後の記事でも勉強させて頂こうと思います。
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