決算は一定の期間で行います。これを会計期間といいますが、会計期間は事業年度に一致します。事業年度ごとに業績を、事業年度末の資産や負債(差引きとしての純資産も)を把握するのは当然のように思いますが、このように会計期間を設けるということがこの作業のあらゆる局面に多大な影響を及ぼしています。
◆収益の未収と費用の未払
入出金を待って収益と費用を計上すると、特定の会計期間に偏って収益と費用が計上されてしまいます。企業は各会計期間にわたって活動しているわけですから、収益と費用は発生した各会計期間に計上しなければなりません。収益は入金がまだでも、費用は出金がまだでも発生した会計期間に計上するということです。
◆収益と費用の各会計期間への配分
入金が済んでいても数会計期間に配分しなければならない収益、出金は済んでいても数会計期間に配分しなければならない費用があります。前者の例は貸付金の利息や不動産の賃料を数会計期間分まとめて先に受け取った場合、後者は数会計期間にわたって使用する建物や機械などの購入代金(減価償却)です。
◆仮説や見積による処理
会計期間に区切ることから「収益の未収と費用の未払」「収益と費用の各会計期間への配分」をしなければなりませんが、この作業をするにあたっては仮説を設けたり見積もりをしたりしなければなりません。入出金という絶対的な基準がないからです。
◆過去の仮説や見積の修正
仮説や見積もりは予測を伴いますので外れることがあります。ですから、結果としてこれを修正しなければならないことがあるのです。
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★継続企業の公準(前提)
会計の書物ではこのようなことが説明されています。企業は解散を前提とするのではなく(一定の期限が来れば清算し残った財産を出資者に分配するのではなく)、「永遠に存続し成長する」ことを目指して経営されており、それを前提に会計処理を行うということです。継続するので「会計期間を設ける(一定期間ごとに決算をする)」、費用や収益を「発生した年度に計上」するのです。
このことを知ると、利益計算が単なる入出金の差額ではないこと、貸借対照表に多種多様な項目が計上されることに納得できます。
★会計期間があるから様々なルールが必要になる
企業の活動期間が定まっている(しかもその期間は短い)のであれば会計のルールは単純です。極端な場合、出資された資金が活動期間中にどれだか増えたかの計算だけでかまいません(期間終了時の資金-出資された資金)。
しかし、企業の活動が永遠に続くのであればそうはいきません。「あの成果はいくらか(いくら入金があるのか)?」「あの投資の効果は(収益とのつながりは)?」など、一定の間隔で様々な報告を求められます。会計のルールの大部分は会計期間を設けるから存在しているといっても過言ではありません。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
◆収益の未収と費用の未払
入出金を待って収益と費用を計上すると、特定の会計期間に偏って収益と費用が計上されてしまいます。企業は各会計期間にわたって活動しているわけですから、収益と費用は発生した各会計期間に計上しなければなりません。収益は入金がまだでも、費用は出金がまだでも発生した会計期間に計上するということです。
◆収益と費用の各会計期間への配分
入金が済んでいても数会計期間に配分しなければならない収益、出金は済んでいても数会計期間に配分しなければならない費用があります。前者の例は貸付金の利息や不動産の賃料を数会計期間分まとめて先に受け取った場合、後者は数会計期間にわたって使用する建物や機械などの購入代金(減価償却)です。
◆仮説や見積による処理
会計期間に区切ることから「収益の未収と費用の未払」「収益と費用の各会計期間への配分」をしなければなりませんが、この作業をするにあたっては仮説を設けたり見積もりをしたりしなければなりません。入出金という絶対的な基準がないからです。
◆過去の仮説や見積の修正
仮説や見積もりは予測を伴いますので外れることがあります。ですから、結果としてこれを修正しなければならないことがあるのです。
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★継続企業の公準(前提)
会計の書物ではこのようなことが説明されています。企業は解散を前提とするのではなく(一定の期限が来れば清算し残った財産を出資者に分配するのではなく)、「永遠に存続し成長する」ことを目指して経営されており、それを前提に会計処理を行うということです。継続するので「会計期間を設ける(一定期間ごとに決算をする)」、費用や収益を「発生した年度に計上」するのです。
このことを知ると、利益計算が単なる入出金の差額ではないこと、貸借対照表に多種多様な項目が計上されることに納得できます。
★会計期間があるから様々なルールが必要になる
企業の活動期間が定まっている(しかもその期間は短い)のであれば会計のルールは単純です。極端な場合、出資された資金が活動期間中にどれだか増えたかの計算だけでかまいません(期間終了時の資金-出資された資金)。
しかし、企業の活動が永遠に続くのであればそうはいきません。「あの成果はいくらか(いくら入金があるのか)?」「あの投資の効果は(収益とのつながりは)?」など、一定の間隔で様々な報告を求められます。会計のルールの大部分は会計期間を設けるから存在しているといっても過言ではありません。
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帳簿の世界史 (文春文庫 S 22-1) | |
村井 章子 | |
文藝春秋 |