【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

仕訳の数字

2019-07-24 15:00:00 | 決算書・試算表
◆仕訳の対象は金額で表せることだけ

仕訳は勘定科目に数字を付して行いますが、数字は「貨幣価値」という尺度で決めます。商品を販売した場合は販売単位(個数、長さ、重さなど)ではなく販売金額で仕訳をします。給料は社員の人数ではなく給料の金額によります。土地は面積でなく購入金額で計上します。

仕訳は金額で表せることだけが対象です。「自社商品を褒められた」「優秀な社員を採用できた」「社員の結束が強まった」「社内でセクハラやパワハラが蔓延している」「社長が逮捕された」などは金額で測れませんので仕訳の対象ではありません。

◆日本の会社は日本円で仕訳をする

当然ですが金額というのは自国の通貨です。日本の会社は円(¥)で仕訳をします。他国の通貨での取引がある場合には「円に換算」して仕訳をします。なお、円ですので「円未満」は記録の対象ではありません。

◆金額の見積りとその修正

仕訳の対象は「売った」「買った」という取引相手と同意した金額ばかりではありません。「予測」に基づいて金額を決めなければならない場合もあります。その場合は、事後的にその予測数値と確定数値が異なれば予測を修正しなければなりません。

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★貨幣的測定(評価)の公準

会計の教科書では必ず説明されたいます。当たり前すぎて読む気にもならないと思います。

決算書には金額に表せることしか記載されませんので、会計(決算書)の限界を感じます。しかし、決算書を数期間分比較する、同業他社と比較する、勘定科目を細分化する、作成者に説明を求めるなど、丹念に決算書を検討すれば、決算書には表れないものが浮き彫りとなり、次の展開が読めることも多々あります。企業内とその周辺で起こる出来事の大部分は、遅かれ早かれ貨幣的価値となって決算数値に反映されます。

★決算書の注記

会社にとって重大な出来事で決算書には表われないことの中には、「注記」によって決算書の「欄外」で明らかにしなければならないものもあります。例えば、「自社資産の担保提供」「他者に対する債務保証」「裏書・割引手形の残高」などです。

★¥(円マーク)

我が国の会社は仕訳を円でしますが、帳簿ではいちいち数字の先頭に¥(円マーク)は付しません。当たり前だからです。ただし、決算書には貸借対照表と損益計算書の先頭に「単位:円」と記載します。

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