受注ソフトウェア業の経理処理は簡単なように思えて実は難しいです。
◆受注ソフトウェアと建設工事は経理処理方法が同じ
受注ソフトウェアとは、特定のユーザーからの依頼に基づいてユーザーの要望に応じて個別に制作するソフトウェアのことです。マスターを複製して不特定多数のユーザーに販売するパッケージソフトウェアとは違います。
受注ソフトウェアの売上計上処理の方法は建設工事と同じです。受注ソフトウェアも建設工事も、顧客から依頼を受けて仕事に取り掛かり、その仕事が終了したならば代金を請求することができますので、この時点で売上計上します。(受注金額が大きく作業や工事の期間が長期に及ぶ場合には、作業や工事の進行状況に応じて売上を計上することもあります。)
ソフトウェア業と建設業とでは外見は全く違いますが、経理処理は全く同じなのです。
◆制作の終了(売上の計上時点)
受注ソフトウェア制作の終了は、制作したソフトウェアをユーザーのコンピューター上で作動させ、ユーザーの依頼どおりの機能が正常に作動することをユーザーが確認した時点です。
取引上の「記録」として、制作終了の事実と日付を明らかにするために、あらかじめ所定の書面を作成しておき、それに日付を記載してユーザーの署名押印をもらっておく必要があります。
◆導入サポート
受注ソフトウェアの制作と共に、ユーザーからそのソフトウェアについての導入サポートを依頼されることがあります。これは制作とは別の仕事ですので、制作とは別に料金を設定して売上を計上します。この売上の計上時点はユーザーと取り決めた導入サポートのメニューが終了したときです。
◆機能の追加
ユーザーがソフトウェアの使用を開始すると、追加のニーズが生じることがあります。このニーズに応えるために機能を追加する作業は当初の制作とは別ですので、新たに売上を計上します。
◆保守契約
保守契約の内容はソフトウェアの使用に関しての相談や簡単な手直し作業などであることが一般的です。料金は一定期間で定められていることが通常ですので、売上計上はその期間が経過した時点で行います。
◆全面的な改良
ユーザーがソフトウェアで処理していた業務内容が変化した、ユーザーのソフトウェアに対するニーズが根本から変化した場合には、ソフトウェアを全面的に改良しなければなりません。これは新規の受注ですので、新たに制作をして、新たな売上を計上します。
◆機器も販売する場合
ソフトウェアと同時に各種の機器を販売することがあります。これは、物品販売ですので納品をもって売上を計上します。
◆下請け
受注ソフトウェア制作の下請けをしている場合には、ソフトウェア「全体の完成」ではなく、元請けが指示した作業が終了したことを元請けが確認した時点で売上計上を行います。
◆人材派遣
下請をしていて元請けに人材を派遣する、一般企業のコンピューターシステム部門に人材を派遣する場合があります。派遣の場合には、月や日ごとに単価が決まるでしょうから、月や日が経過した時点に売上を計上します。
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★価格設定
受注ソフトウェアは様々なサービスや商品と組み合わせて販売することが多いです。そうなると価格設定も様々な要素を考慮して行わなければなりません。あくまでも、各サービスや商品を「個別に」価格設定をして「合計する」のか、「トータルで」価格設定をして「個別に割り振る」のか思案のしどころです。
注意しなければならないのは、価格設定の方法によって経理処理が異なってくるということです。上記のようにサービスによって経理処理が異なるからです。
★ユーザー側の経理処理
ユーザー側の経理処理も考えなければなりません。金額や内容によって「資産計上をして減価償却」「消耗品費あるいは支払手数料として購入時に費用とする」など、相当処理が異なってきます。ユーザーにも都合(節税や金融機関向けの決算対策など)がありますので、「我田引水の処理」を要求してくることもあります。
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◆受注ソフトウェアと建設工事は経理処理方法が同じ
受注ソフトウェアとは、特定のユーザーからの依頼に基づいてユーザーの要望に応じて個別に制作するソフトウェアのことです。マスターを複製して不特定多数のユーザーに販売するパッケージソフトウェアとは違います。
受注ソフトウェアの売上計上処理の方法は建設工事と同じです。受注ソフトウェアも建設工事も、顧客から依頼を受けて仕事に取り掛かり、その仕事が終了したならば代金を請求することができますので、この時点で売上計上します。(受注金額が大きく作業や工事の期間が長期に及ぶ場合には、作業や工事の進行状況に応じて売上を計上することもあります。)
ソフトウェア業と建設業とでは外見は全く違いますが、経理処理は全く同じなのです。
◆制作の終了(売上の計上時点)
受注ソフトウェア制作の終了は、制作したソフトウェアをユーザーのコンピューター上で作動させ、ユーザーの依頼どおりの機能が正常に作動することをユーザーが確認した時点です。
取引上の「記録」として、制作終了の事実と日付を明らかにするために、あらかじめ所定の書面を作成しておき、それに日付を記載してユーザーの署名押印をもらっておく必要があります。
◆導入サポート
受注ソフトウェアの制作と共に、ユーザーからそのソフトウェアについての導入サポートを依頼されることがあります。これは制作とは別の仕事ですので、制作とは別に料金を設定して売上を計上します。この売上の計上時点はユーザーと取り決めた導入サポートのメニューが終了したときです。
◆機能の追加
ユーザーがソフトウェアの使用を開始すると、追加のニーズが生じることがあります。このニーズに応えるために機能を追加する作業は当初の制作とは別ですので、新たに売上を計上します。
◆保守契約
保守契約の内容はソフトウェアの使用に関しての相談や簡単な手直し作業などであることが一般的です。料金は一定期間で定められていることが通常ですので、売上計上はその期間が経過した時点で行います。
◆全面的な改良
ユーザーがソフトウェアで処理していた業務内容が変化した、ユーザーのソフトウェアに対するニーズが根本から変化した場合には、ソフトウェアを全面的に改良しなければなりません。これは新規の受注ですので、新たに制作をして、新たな売上を計上します。
◆機器も販売する場合
ソフトウェアと同時に各種の機器を販売することがあります。これは、物品販売ですので納品をもって売上を計上します。
◆下請け
受注ソフトウェア制作の下請けをしている場合には、ソフトウェア「全体の完成」ではなく、元請けが指示した作業が終了したことを元請けが確認した時点で売上計上を行います。
◆人材派遣
下請をしていて元請けに人材を派遣する、一般企業のコンピューターシステム部門に人材を派遣する場合があります。派遣の場合には、月や日ごとに単価が決まるでしょうから、月や日が経過した時点に売上を計上します。
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★価格設定
受注ソフトウェアは様々なサービスや商品と組み合わせて販売することが多いです。そうなると価格設定も様々な要素を考慮して行わなければなりません。あくまでも、各サービスや商品を「個別に」価格設定をして「合計する」のか、「トータルで」価格設定をして「個別に割り振る」のか思案のしどころです。
注意しなければならないのは、価格設定の方法によって経理処理が異なってくるということです。上記のようにサービスによって経理処理が異なるからです。
★ユーザー側の経理処理
ユーザー側の経理処理も考えなければなりません。金額や内容によって「資産計上をして減価償却」「消耗品費あるいは支払手数料として購入時に費用とする」など、相当処理が異なってきます。ユーザーにも都合(節税や金融機関向けの決算対策など)がありますので、「我田引水の処理」を要求してくることもあります。
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