3人娘の中で、アタシはやっぱり「ひいちゃん」が好きである。
もちろん「ふうちゃん」や「みいちゃん」も好きなので、2人の前ではそんなこと言わないが、「ひいちゃん」が一番なのである。
一番先に生まれてきてくれたからなのか、一番長い時間一緒にいるからなのか、理由はよく判らない。
でもアタシの感性に近いものを一番持っているからかも知れない。
物分かりが良いところ、一人で一生懸命に絵や文字を描いているところ、外面が良いところはアタシに似ているのだ。
3人のうちで一番年上だからということではない。「ひいちゃん」は2歳半の頃から物分かりが良く、大人の言うことをよく聞く手のかからない子だった。外に出ると恥ずかしがり屋のシャイな子なのだ。今の「ふうちゃん」とは性格的に違うのである。
最近は「ひいちゃん」が「ふうちゃん」の面倒をみてくれるので、アタシも非常に助かっている。
外出先で『「ふうちゃん」のこと見ててね』とトイレに行ったり、食べ物を買ってきたりもできる。「ふうちゃん」がどこかに行こうとすると『ダ~メ』と叱ってくれる。ひそひそ声で『パパが戻ってくるまでここにいてね』と諭してくれる。
「ふうちゃん」も幼稚園では毎日帰りに教室まで迎えに来てくれて、靴を履かせたり、荷物を持ったりと世話を焼いてくれる「ひいちゃん」に対しては一目置くようになった。幼稚園に毎日通うことの大変さ、みんなと一緒に仲良く遊ぶことのむずかしさ、それを楽しいと捉えられる「ひいちゃん」の凄さに気付いたのかもしれない。
まあ「ふうちゃん」は自分の天下でないと怒るほどの自己中心的考え方の持ち主なので、大勢の園児の中でそれを貫く難しさをヒシヒシと感じて、自分なりに葛藤しているのだろうけど…。
そんなわけで最近は「ひいちゃん」に「ふうちゃん」のことを頼んでしまうことが多い。またそれに応えてくれる「ひいちゃん」も、"お姉ちゃんの自分がしっかりしなくちゃ"と感じてくれているようである。
ほんとに頼りになる長女「ひいちゃん」。
アタシはやっぱり「ひいちゃん」が一番好きなのだ。