赤ちゃんじゃないのに…（その２）

　で、おもちゃ博物館の中に、いろんな衣装に着替えて写真を撮れるコーナーがありました…。

　"将来は姫になりたい"という夢を持つ「ふうちゃん」にとって、素敵な衣装に着替えられるのは天国みたいな世界なのであります。

　さっそくマーメイドの衣装に着替えて写真を撮ってあげると、『あたしもそっちがいいと』マーメイドの衣装を奪おうとする「みいちゃん」。
　マーメイドがお気に入りの「ふうちゃん」は脱ごうとしないし、こんな外出先でもケンカの始まりです。
　成長が見られない２人。他の衣装では納得しない「みいちゃん」と、もう撮影を終えたのだから貸してあげればいいはずの「ふうちゃん」の意地の張り合いであります。

　最終的には親が介入せざるをえないのですが、「ふうちゃん」に代わりにと与えたピンクのドレスは気に入らないみたい。

　　　　　

　浮かない表情が物語っています。

　どんなに衣装で着飾っても、姫になれるわけではないのだけれど、"姫"って何だかも判らないで夢に見ている「ふうちゃん」にとっては、自分のワガママを押し通すのが"姫"の条件みたいに勘違いしているのかも知れません。

　姫なんて喰っていけないんだから、魔女のほうが百倍素敵だとアタシは思います。

　　　　　

　ま、魔女も職業ではないし、なりたくてもなれませんがね。　

（おしまい）