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追悼 サファリラリー回顧録2(ケニア)

2024-03-30 18:23:23 | コロンビア(ミズーリ州)
今のサファリラリーと昔のサファリラリーの違いといえば、
その距離だけでなく、雰囲気も大きく異なっていました。
今の方が楽だ、などとは決して言いませんが、
完走台数がわずか10数台のみなど、
サバイバルラリーの様相が色濃くありました。
そのため、ヨーロッパステージなどの通常のラリーとは異なる特色があります。

車両の仕様やレーシングスーツなども異なります。
ドライバーの体力も温存しなければならないので、
車内の灼熱に耐えるためレーシングスーツは上下セパレートタイプになっていました。
コンペティティブセクション(他のラリーで言うSS=スペシャルステージ)以外は上着を脱いで、Tシャツで運転します。



ヘルメットも脱いで、汗が目に入らぬよう、バンダナやヘッドバンドで運転するサファリラリー独特のスタイルです。

車の特徴は、
まず目に入るエンジンルームからルーフまで伸びたシュノーケル。
サファリラリーは毎年イースターの時期に行われるため、ケニアでは雨季と乾季の変わり目にあたります。
晴れるとものすごいダスト状態ですが、ひとたび雨が降ると、ヌタヌタのマッド状態、文字通り泥沼と化してしまいます。
そのため、水たまりを通過する際、エンジンが水を吸い込まないように、シュノーケルを装着します。
次に、ドアミラーの前に装着されたウィングライト。
別に暗闇の中を走るからではなく、
サバンナの中を猛スピードで走り抜けるため、動物や人間(観客)に車が近づいていることを知らせるためです。
通常のヘッドライトの位置では、前輪が跳ね上げた泥水が付着してまったく役に立たなくなってしまうため、
泥水のかかりにくいドアミラーの前に置かれています。
同じく、車の前後に取り付けられたアニマルバー。
不幸にして車の接近に気が付かなかった動物との衝突時に車を守るために装着されます。
なぜ後ろにもあるのかと言うと、
水牛や像など大型動物に衝突するとき、前方からぶつかるとエンジンに致命傷を負ってしまうため、
スピンターンで向きを変えて後方から衝突して、少しでもダメージを少なくするためです。
さらに、前方のアニマルバーには金網が取り付けられており、
これは、ブッシュの中を走行したときに、草がラジエターを塞いでオーバーヒートを起こしてしまうことを防ぐための草よけです。
クラクションも通常の「プープー」のものから、動物が忌み嫌う音質で大音量のエレファント・ホーンに交換されており、
コ・ドライバーが足で鳴らせるように、助手席の足元にホーン・スイッチが設けられています。



写真では、篠塚建次郎さんが、
ヘルメットを脱いでペルターのヘッドセットをつけて運転しています。
ペルターのヘッドセットは、隣のナビゲーターと会話するためと、サポートチームと無線で交信するために装着します。
これも昔のサファリラリーで独特のスタイルでした。

このように、
サファリラリーでは、他のラリーとは異なる特殊な配慮が必要になります。
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