凸凹家族どっこい米国とオーストラリアとドイツとカナダで生きてます

タイ、マレーシア、オーストラリア、チェコ、英国、バングラデシュ、米国とカナダに住んで感じたことを、そのままお伝えします。

追悼 サファリラリー回顧録(ケニア)

2024-03-27 14:04:00 | コロンビア(ミズーリ州)
日本に帰って来てすぐ、突然悲しい知らせが飛び込んで来ました。

ラリードライバーの篠塚建次郎さんがお亡くなりになりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。



篠塚建次郎さんは、WRCではサファリラリーやアイボリーコーストラリー、パリ・ダカール・ラリーなど、
海外のラリーイベントで日本人として初めて優勝経歴を持つ、日本のラリー界を牽引してきたレジェンドです。
幸せなことに私は1990年からWRCのサファリラリー、アイボリーコーストラリー、そして
APRC(アジアパシフィックラリーシリーズ)の各イベントで篠塚建次郎さんとご一緒させていただく機会に恵まれました。
奇しくも今日2024年3月28日から、今年のWRCサファリラリーがケニアのナイロビでスタートします。
篠塚建次郎さんへの追悼の気持ちも込めまして、
当時のサファリラリーなどの思い出を、回顧録としてお話したいと思います。



昔のサファリラリーは、レグ1からレグ6まで6日間にわたり、全行程が4,000Km以上もある気の遠くなるようなラリーでした。今のラリーようなサービスパークは無く、各チームが独自に路肩でサービスを展開します。そのため、どこにサービスポイントを設定するかなどコースを視察するために、レッキと言ってサービスも含め本番のコースを事前に実際に走ります。それをラリー前に少なくとも2回は実施します。つまり、本番も入れると12,000Km以上も走ることになります。このレッキのために本番用のラリー車とは別にレッキ車を用意します。レッキ車は本番中は本番車をサポートするチェイスカーにもなるので、本番車1台につき同じ車を2~3台用意します。



場所は東アフリカのケニヤで開催されます。スタート&ゴールのセレモニーは首都ナイロビのケニヤッタコンファレンスセンターで行われますが、コースはインド洋海岸のモンバサから山岳地帯のレイクバリンゴやケニヤ山麓まで及びます。


当時はバブル全盛の時代でしたので、カーメーカーはもちろん、タイヤメーカーも金に糸目を付けずに大量の物量を投入しておりました。世界一過酷なコースですので当然パンクも多発しますので、各タイヤメーカーともパンク対策のサファリ専用スペシャル仕様を投入します。(注1)フランスのM社は「ムースタイヤ」という物を開発して、パンクしても走り続けられると威張っていましたが、後に「不公平だ」とFIA側から使用を禁止されてしまいました。禁止される前でも、ムースタイヤは中にウレタンのようなスポンジを入れる構造のため、重くなる、発熱してタイヤそのものがもたない、などのデメリットも多かったため、自然と消滅していったようです。私はというと、ケブラー(アラミド)の補強材を3枚も入れる特殊構造を採用して大成功しました。発熱も少なく、操縦性も良好でパンクもしませんでしたが、タイヤが壊れない分、リムやショックアブソーバー、更にはボディーの方が先に壊れる、というオチまでついてしまいました。ついでに、当時はラリーといえばパンク防止にチューブを入れるのが常識でしたが、パンクしないのでチューブレスでサファリラリーを見事ノーパンクで走りきることができました。当時は画期的なことだったと思います。(たぶん)

悪路の走破性を良くするためには、タイヤの外径は大きければ大きい程有利です。昔の馬車の車輪が大きいのはそのためです。なので、当時はラリー車両の規制もゆるく、タイヤの外径規制も無かったので、勢いでリム16インチで外径690mmのラリータイヤまで作ってしましました。その後すぐに15インチ外径650mmのタイヤ規制ができて、せっかく作ったのに数年でお払い箱となりましたが、しばらくは国内のダートラDクラス(無制限改造クラス)で使っていました。

(注1;昔は今のWRCと異なり、タイヤは1社供給のワンメーク制ではなかったので、各タイヤメーカーがこぞって開発を競っていました)

(諸説在り。話は多分に記憶違い、誇張、フィクションを含む個人の見解です。ご容赦ください)
https://ameblo.jp/chattogram152/entry-12684068260.html
Comment    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミュンヘン~ノイシュバンシ... | TOP | 追悼 サファリラリー回顧録... »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | コロンビア(ミズーリ州)