中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

短時間勝負の久婦須川

2013-07-13 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■梅雨末期■

 ヒラマサに惑わされ、なかなか向かうことが出来なかった今シーズンの渓流釣り。6月初旬にようやく自身の開幕を向かえたが、その後は空梅雨気味の中、予定日近くになると雨が降らず、渇水気味となり、なかなか釣行タイミングが掴めなかった。
 そしてその梅雨も末期を迎え、ボクがよく釣行する中部北陸地方では釣行前々日に大雨が降るという、ベストのタイミングがようやく巡ってきた。
 釣行先についてはアレコレと散々迷った。当初の計画では釣行先の第一候補は岐阜県奥飛騨の高原川だったのだが、ここでは逆に雨が降り過ぎて大増水した模様で、早々に候補から外れてしまった。しかも前日になって雷雨が各地で発生したため、予測がつけ辛い状況になり、困り果てていた。
 こんな時に助け船となるのが、「国土交通省・川の防災情報」だが、確認してみると、やはり各地の水位計は上昇し、かなり高い様子だった。「では、今やホームグランドとなっている久婦須川はどうか?」と覗いてみたが、ここの水位計はよく故障するため、前日の段階でも欠測続きで、時折数値が入っているという状態だった。
 その間引きされた測定値では水位が落ち着く方向のように思えたし、雨雲レーダーでも雷雲は富山湾から離れた位置に発生していること、更には、「勝手知ったる」ということで、結局はいつもの久婦須川に釣行先は絞られた。しかし、曇りだった予報は修正され、釣行当日は雨量は少ないものの、雨模様となっていたことが気がかりだったのだが…。

■降り出す雨の中■

 釣行当日の朝は曇天であった。河原に降りて状況確認すると、水位は見た感じでは20cmほど高いが、「下がる傾向」というのはこの時点では正しい判断のように思えた。しかし、川の濁りは泥っぽく、もうこれ以上ひどくなると魚が口を使わなくなるような感じが漂っていた。

●泥っぽく、流速が速い●

 今回持ち込んだエサは市販エサのミミズとブドウ虫だが、それに加えて現地採取した川虫類を使用する予定だったので、竿を出す前にとりあえずは採取に励んでみた。
 前月と比較すると川虫の生息密度が下がって、なかな数が揃わず苦労し、思いの外時間が掛かってしまった。そのため、朝一の時合い狙いにロスが出てしまった。そしてようやく竿を出せる頃になると、ポツリポツリと雨が降り出す始末。先が思いやられるスタートだった。
 最初に入ったポイントは平瀬に大きめの底石がポツポツとが点在するだけなので、スタートが遅れた分だけ出てきている魚が少なかったのか、アタリがあってもチビサイズしか出ない。そのために、実釣開始から早くも焦りが出ていた。しかも、それに拍車を掛けるように雨粒が大きくなり始めた。

●しばらくはチビばかり●

 雨模様を眺めつつ、「このままでは更に水位が上がって、釣りどころではなくなるかも知れない」との思いが巡っていた。従って、脱渓できる場所を常に念頭に置きながら、効率良く釣れそうなポイントのみをピックアップし、そこに仕掛を打ち込んでゆくという作戦に切り替えざるを得なくなった。勿論、魚の活性は低そうなので「ここは…」というポイントでの、ある程度の粘りは必要だが、そこで時間を掛ける分だけポイント間の移動はサッサと行い、いつもなら試しに仕掛を打ち込むような”念のためポイント”は、あえて無視することとした。
 そして、そんな狙いを繰り返す内に、ようやくマトモ・サイズをゲットすることができた。

●ようやく釣れた20cm前半サイズ●

 このヤマメが出たのは普段であれば入っていそうなポイントそのものではなく、「A級スポット脇にある比較的静かなところ」だった。
 この結果、以下の推論を立ててみた。
 普段なら仕掛を打ち込まない”竿抜け”と表現するところかも知れないが、前日までの、水位の様子からすると他人が散々叩いた後であるはずはなく、当日の濁りと水流の加減で条件が悪化し、「渓魚にとって普段のA級がA級でなくなったために、そこに定位せざるを得なかったのであろう。」と…。
 そして、その推論はあながち外れではなかったようで、次のヤマメも淵尻脇の陰になった部分から出てきた。

●当日としては良型になる、25cmのヤマメ●


■当日最大魚■

 その後も、普段なら狙う大場所そのものではなく、その近くにある渓魚の待避場所となるようなところに仕掛を打つことでポツリポツリながらアタリをとってゆく。しかし、一区間で一匹が出る程度で、複数が同一区間で出ることはなかった。
 エサに関しては「濁った時のミミズ」のセオリー通り、ミミズに出るアタリがほとんどで、川虫ではオニチョロに少々アタリが出るのだが、クロカワムシには全く反応がなかった。

 不調さを感じつつも、差し掛かった区間は、上流側がひな壇のように段々と落ち込んでくるところだった。
 普段であれば、段々の落ち込みや岩陰とその裏にできる流筋脇等を狙うのだが、この日の流勢では、やはり不発。そして気になったのが、段々が終わった先のやや開けたところにある下写真のようなポイントだった。

●気になったポイント●

 写真手前にある、流筋の脇は当日のパターンとしては当然のように不発だった。
 「それなら対岸のブッシュ際はどうだろうか?。」と、仕掛を打ち込んだ。何度か投入するのだが、引っ掛かるのが嫌なので、どうしても手前を仕掛が流れてしまってアタリが出ない。
 そして「最後の一投」とばかり、引っ掛かるのを覚悟しながら投入した仕掛が、ウマイことにブッシュ際ギリギリのラインを流れてくれた。
 これにアタリが出た。それも当日としては良型の渓魚ようで、アワせた瞬間に、ゴンッ!という手応えがあった。やはり本命場所ではなく、待避場所に潜んでいたようだ。
 流筋を越えて手前へ寄せなくてはならず、その意味では多少ヒヤッとしたが、とはいうものの、尺越えではないのは確かなので、引き味を楽しみながらのやり取りなった。そして、無事にゲット。当日としては最大魚のヤマメであった。

●27cmのヤマメ●


■半ば逃げ帰る■

 良型ヤマメを釣った後は、竿出しできる区間も残り少なくなっていた。また、この時点での増水具合から推測すると、普段なら最終地点になる大堰堤の周囲には近付けそうにもない。
 しかし、最終地点を諦めて脱渓地点に向かうにも、その手前で瀬を渡って対岸に向かわなくてはならない。そこで急いで渡河地点に向かったが、危険に感じることはなく無事に通過でき、もう危険箇所はなくなったのでホッとして胸を撫で下ろす。ただし、この時点で竿出しできるポイントは2箇所しか残っていなかった。
 そして、その一つでもブッシュ際作戦が成功してなんとか一匹を追加する。

●最後は25cmのヤマメ●

 このヤマメをもって「キリが良し」とし、この日の釣りが呆気なく終わった。

●堰堤の周囲は釣り不能●


■増水の中で■

 この日の釣りで濁り+増水時の、釣りパターンの一つが読み解けたためか、渓魚の食い渋りにもある程度対応できて、そこそこサイズ(22~27cm)の、ヤマメの釣果はなんとか”ツ抜け(二桁)”に届いた。
 しかし、渓魚の中ではイワナの姿は消えて泳ぎが得意な渓魚のヤマメのみ、しかもそれが待避場所に移動している中で釣りをするということは危険信号が渓魚から発せられているワケであり、ボクとしては常に脱渓を意識しての釣りだった。やはり精神衛生上良くない釣りは、内容的に満足できるモノではない。そのため、なんとかやり直しを計りたいところだが、もう既に各地で梅雨明けが始まり、北陸の渓流では恐ろしいアブの季節を迎えつつある。今年はタイミングが悪く、渓流への釣行機会が極端に減っているが、北陸を攻める以上は”アブ明け”の9月に期待するしかないため、今後は行き先について検討する必要がある。いずれにせよ、夏場は雨待ちとなるのだが…。
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3 コメント

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こんにちは! (アサシン)
2013-07-14 09:39:26
久部須川の魚はキレイですね!
大雨の増水時は川のヘチを狙うというのがセオリーなのでその通りにヤマメが着いてましたね!
ブログを見ているだけで勉強になります。
Unknown (ブラザーズ弟)
2013-07-17 10:36:02
危ない、危ない。
後日調べてみると脱渓をした時点で水位は平水の20cm高。あのまま、もし無理に続けていると、最終的には45cm高だったので、堰堤に取り残されてしまうところでした。
海と同じで、荒れ模様の時に無理して行っても釣果は少なく、危険が増すのみです。
過去の事故はこんなタイミングで起こっているので、本来なら行くべきではなかったような気がしますが、その判断が鈍るのも”釣りバカ”たる所以です。困ったモンだ…。
はじめまして (松浦)
2014-09-12 15:36:44
こんにちははじめまして。最近イワナ釣りをはじめました。今日降りれそうな所を探し走ってましたがダムに着いてしまいました。入渓はやはり生い茂る木々を分け入らないといけないのでしょうか。色々教えて頂けましたら助かります。先週は利賀百瀬で0

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