先日の衆院解散総選挙の結果に関する諸外国の反応をその後もあれこれ眺めておりましたが、まぁ、中国の「日本との開戦に向け準備すべし」とか、韓国の「右傾化懸念」などという異常な反応が際立っていますし、こうした「特殊なアジア諸国の声」があたかもアジアの代表であるかの如き洗脳報道はいい加減にして欲しいものです。物理的な距離と心理的な距離が一致する訳でもありませんし、物理的な距離が問題となるのは、極論すれば安全保障の一点に収斂されるのではないでしょうか。
◆小泉政権に今後も台日関係強化を期待(台湾週報)
◆陳総統:日本の選挙は改革、人民、制度の三大勝利(台湾週報)
◆謝行政院長、国会解散による全面改選を提案(なる台NEWS)
◆陳総統、軍事予算案への理解を野党に要請(なる台NEWS)
◆米、台湾に軍事費拡大働きかけ・「数値目標」示す(日経)
今回の総選挙では『日華議員懇談会』のメンバーにとっては厳しいものとなりましたが、駐日代表部や台湾の政府筋からは小泉首相の改革路線が国民の高い支持を受けたという賞賛の声が寄せられています。
・「小泉首相の勝利は『改革の勝利』、『人民の勝利』、『制度の勝利』という三大勝利である。われわれが改革に対する信念を持ち、国民に自信を持ってそれを示し突き進んでいけば、最後には必ず勝利を手にすることができる」(陳水扁総統)
・「今回の選挙結果が示した大きな意義は、改革を続けてこそ国民の支持と信頼を得られるということだ。政府の改革が国会で受け入れられない場合、国民に審判を下す権利がある」(卓栄泰・行政院スポークスマン)
・「政府が人民に責任を持つ態度を基本に権利を人民に返し、人民が政治的な膠着状態を解決すべき」(謝長廷・行政院長)
陳総統が「反対のための反対を行っているに過ぎない」と批判しているように、台湾では与党・民進党政府の打ち出す法案や予算案等が立法院で野党の国民党に次々とボイコットされている状況のようです。立法院でストップしている法案の中には軍事費の特別予算や、台風対策の治水事業に関するものなど、重要なものも多数含まれています。
そうした中、小泉首相が解散総選挙という思い切った手法で国民に信を問い、信任を得たという事実は台湾の与党筋に大変なインパクトを与えたようです。隔靴掻痒のもどかしい現況を何とかブレイクスルーしたいという思いがひしひしと伝わってきますし、改憲論議にも拍車がかかりそうです。
台湾側の武器購入特別予算が昨年来一向に可決されない状況に関しては、いよいよラムズフェルド米国防長官から「勧告」が発せられた模様ですが、この件も含め、今後の台湾政界の動向が大変注目されます。
◆6カ国協議成功へ協力確認 胡主席、米との対話強調(産経)
◆台湾独立を不支持 ブッシュ米大統領(徳島)
◆Chen to get rights award on US visit(Taipei Times)
ハリケーン、カトリーナで延期された米中首脳会談ですが、六カ国協議の最中とあって、さしあたり米中の協調を確認といった当たり障りのない内容で終わった模様です。本格的な会談は11月のブッシュ大統領の訪中時に持ち越しといった感じではありますが、中台問題に関しては、予想通り「台湾海峡の現状を一方的に変えることに反対」と従来のロジックをくりかえすにとどまりましたが、野球でいうところの「投手戦」よろしく両岸の軍事的中立状況を保つ(中国が侵攻を諦める程度に台湾側の軍事バランスを優位に保っておく)という米国流の「一つの中国」のロジックを超える妙案は現在のところ見当たらないのが実情のようですね。11月のブッシュ訪中時に両岸の対話を促す具体的な勧告がなされるかどうかが焦眉かと思います。
一方、陳総統は9月下旬に南米を訪問する際に、トランジットでマイアミに立ち寄り、その際米議会から「人権賞」を受賞する運びとなったようです。
米下院の人権委員会は陳総統の「寛容さ、民主主義と人権推進への努力」を高く評価し、表彰するとのことみたいですが、陳総統の少数民族保護等の姿勢が高く評価されたのでしょうか。またこの決議には、米国の対テロ戦争支持やハリケーン・カトリーナに対する台湾の支援への感謝も盛り込まれているようです。
陳総統は帰路サンフランシスコで1泊するようで、朝日新聞風に言えば、「中国の反発は必至だ」ということになるのでしょうが、「人権賞」というのが中国へのあてつけのようで何ともほくそ笑んでしまいますね。
※写真・・・・「家族デー」に臨む陳総統
昨日福岡の台湾領事館の職員の方と話していて、「具体的に陳総統は何をもらえるのでしょうか?」と伺ったところ、「賞状だけではないでしょうか??」とのことでしたが・・・・
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すごい、そういう賞があったんですね。
恥ずかしながら、この話題(テレビのニュースでも流れていませんし…)知りませんでした。三ヵ国以外のアジア諸国のニュースも伝えていただきたいものです。
しかし、こういう事に関して、アメリカは勇気がありますね。実際に、ご夫婦そろって命がけで民主化を進めてきたのですから、受賞してもおかしくはないでしょうが。
>>「日本との開戦に向け準備すべし」
新聞によって温度差があるみたいですね。
「日本国民が靖国参拝を支持した訳けではない」と冷静さを求める新聞がある一方で、「日本との開戦」なんて時代錯誤なタイトルを掲げるメディアがあったり…穏健派と強硬派の対立がよっぽど深刻なんでしょうか?
各国の反応面白いですね~
それにしても、台湾の陳総統の今度の選挙に
対するお褒めの言葉に、小泉さんもちょっと、
ムズムズしそうなくらいですね(爆
それにしても、人権賞とはすごいじゃないですか