私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

Editorial: Bush, an emperor with no clothes

2005年01月06日 | 記事
◆Editorial: Bush, an emperor with no clothes(Taipei Times)

社説:ブッシュ大統領は裸の王様

2005年12月09日金曜日,Page 8

ブッシュ政権は自ら合衆国の世界に対する政治的・戦略的な地位の土台を揺るがすのに長けているということを証明した。これは「テロとの戦い」同様、台湾政策に対しても全く明白である。

台湾の展望として最も重要なのは、中国の脅迫的な態度に直面していた01年、我が国に対するブッシュ大統領の率直な支持を歓迎したような楽観主義はもはや崩壊したという点である。大統領とその側近は台湾の政治的アリーナの成果の含意に困惑しているようであり、米国製兵器の周旋のような論議を呼ぶ問題への対処の仕方にもそれが表れている。

台湾に対するブッシュ政権の態度は偽善の典型であり、そうした光景が昨日も再び見受けられた。米国空軍のジェフリー・ケーラー中将(国家安全保障会議を統括する地位にあり、合衆国の武器取引を実質的に取り仕切っている)が「防衛問題を政争の種にした」として台湾を非難したのである。

「防衛問題」というのが本質的に「政治的な」色彩を帯びるという民主主義国(特に合衆国)の約束事をさておいたとしても、合衆国の非難の骨子が台湾側の議論の不十分さでなく、国防総省が要請した防衛体系に応じない点に向けられているという特質はより際立っている。

その一例として、ホワイトハウスはAGM-88高速対レーダーミサイル(レーダーを装備した防空システムを破壊するミサイル、別名HARM)の供与を拒むとともに、空海軍共用型GPS誘導攻撃弾(JDAM:急降下爆弾を誘導爆弾に変えるパッケージ)の価格設定と性能に関する資料の提供に応じなかった。

合衆国側の言い分としては、これらの兵器が防御性のものでなく、攻撃的であるという論法に尽きるのであろう。

クラセヴィッツ信者でなくとも、台湾が軍事戦略上中国を攻撃する目論見を(もはや)抱いていないことは明らかである。そして、そうであるなら、何故限られた戦術的オプションの下で台湾の指揮官らが自らの国を護ることを強いられなければならないのであろうか?

いくらなんでもこの状況がラムズフェルド長官の言うところの「先制の一撃」という理解の域を超えるものではあるまい。

まして、このてんでばらばらな合衆国の政策決定は単に軍隊の出自にとどまらず、台湾の政治情勢についての誤解にも及んでいるのである。

合衆国の台湾論者の多くは民主進歩党が直面した試練と、その反動であろうことか中国国民党(KMT)が支持を集めた経緯をよく把握している。

陳水扁政権に対する支持が低迷し、KMT党首の馬英九氏が台頭しつつあるというのは万人が認めるところであろう。

しかしながら、専門家らはこうした現象を国内政治の状況として解釈するよう留意すべきであり、台湾の両岸政策が大きく変化する徴候と見なすべきではない。

今週早々に、08年の総統選では馬氏とKMTが有望であるという見通しの下、彼らが中共と「暫定合意」に達するであろうという主張した合衆国の学者があったが、そうしたことをほのめかすもの全く存在しないのである。

前主席の連戰氏が先に中国との関係改善項目として掲げた見解の曖昧さは余りあるものがあったが、馬氏と連戰氏は別人である。それに、台湾の中国に対する姿勢の転換を示す徴候は何もない。それどころか、台湾人らは中国の耳障りな軍事的恫喝に拒否反応を示す一方、海峡両岸の結びつきとしての経済的恩恵を受け入れることには頑なに用心深い姿勢を貫いた。

無能とひどい傲慢ぶりという特質は、ブッシュ大統領とその内閣が発足した初日から際立っていた。それがようやく国内での支持率低下に表れてきたに過ぎない。彼の外交政策の失策の影響で合衆国は何年にもわたる苦渋を味わう羽目に陥るかもしれないが、台湾おけるオプションは既に低下しているのである。

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