英国のサッチャー首相はかつて「日本は孤立した民主主義国家」であると述べたそうですが、台湾や韓国が民主化を遂げた反面、北朝鮮や中国といった圧制国家が依然として存在しているという状況は頭が痛いところです。台湾や韓国にしてもほんの20年前までは軍事独裁政権だったわけで、まだまだ「固まっていない」要素も多々あるのでしょうが、このタイミングで竹島周辺の海流調査(西日本)にゴーサインを出すどこぞの国の大統領は、少しは空気を読んでくれないものかと・・・・
◆日本はアジアでリーダーシップを――台湾・民主進歩党 林佳竜秘書長に聞く(産経)
◆台日米安全保障シンポ東京で開催 相互協力の必要性を確認(台湾週報)
「日米台安全保障対話」(岡崎研究所、台湾シンクタンク、米国ヘリテージ財団の共同主催、産経新聞社後援)に出席した林佳竜・DPP秘書長(写真で見る限り若い感じでした)に、「日台関係」「日本の首相による靖国神社参拝問題」「台湾の野党が立法院(国会)に総統罷免案を提出したこと」についてインタビューした記事が10日ほど前の産経に掲載されていました。
日台関係について林秘書長は、「李登輝前総統の時代は個人的なつながりに頼っていたが、陳水扁総統の時代になり、中国の脅威に対抗し、同じ民主主義という価値観を共有する立場に立って、さまざまな方面で交流が深められる『構造的な友好関係』に発展した」という見方を示していますが、その象徴となるものを二点挙げるとすれば、ノービザと日米安保の共通戦略目標が特筆すべき成果でしょうか。
日台の交流拡大から派生して、年内には運転免許の相互承認も実施されるようですが、これは在台邦人にとっても朗報でしょう。在台邦人の数を考えれば、韓国の次に台湾との社会保障協定の締結が検討されて然るべきだとも思います。(公的年金や健康保険の二重加入が回避されるため企業側にとってのメリットは大変大きい)
日本人の関心を台湾に引き付けたという点では李登輝氏の果たした役割は大変大きかったと思うのですが、氏が日本で広く知られるようになったのは、総統退任間際の99年に『台湾の主張』を上梓した頃辺りからでしょうか。何時だか旅行中に「平成の米騒動」の時何故日本は台湾に頭を下げなかったのかと奇異に思った記憶があります(タイ米が不味い不味いと大騒ぎしていましたねぇ・・・・)が、実際その当時の日台関係はさほど親密ではなかったのかもしれません。李登輝氏と対日関係という点では総統を退任して以降のPR活動が目立つ印象があるのですが、「旧領台湾と大日本帝国」といったコンセプトはちょっと手垢に塗れてきたかなという印象は否めないですね・・・・
「日本の首相による靖国神社参拝問題」に関しては、何処のマスコミも外国の誰がこう言ったああ言ったとご執心のよう(個人的にはうんざり・・・・)ですが、総じて〝我田引水〟の解釈が目立つように思います。特に馬鹿げているのが朝日と産経で、一例を挙げると古森記者の記事(産経)などは、参照元のTranscript(国防総省HP)を読むと完全なミスリーディングであることが明らかです。
産経は今回の林秘書長へのインタビューでも、「民進党として首相の参拝に反対しないとの考えを明らかにした」と〝勝利宣言〟していますが、「靖国問題を外交カードとして使う中国」「私たちも侵略戦争や植民地支配に反対しているが」といったフレーズから、その真意をもう少し丁寧に解釈したらどうかと思います。靖国神社側は中国語と韓国語のPRチラシを作成したようですが、そういう「靖国原理主義」的な主張には少なくとも林秘書長は同意しないでしょう。(日本流の慰霊と顕彰であるのは理解出来るのですが、靖国側の対外的な「自己主張」には個人的には賛成しかねるなぁ)
林秘書長が指摘している対中牽制面以外でも日本が「アジアでリーダーシップを発揮」出来る余地は多々あろうかと思います。日本・台湾・韓国は何れも少子高齢化という問題に直面していますが、社会保障制度のあり方や女性労働力の活用と子育て支援、首都圏の人口集中といった分野等に関してシンポジウムでも開いたら「三人寄れば文殊の知恵」が生まれる余地もあるのではないかなと思ったりもするのですが。
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「運転免許の相互承認」:運転環境と規則が相互に違うので、日本人は台湾のペースについていけず事故ばかり起こし、台湾人は日本で信号無視や逆走などの反則と危険運転で連日ニュースに載ってしまうかもしれません(笑)。お互いの評価を悪い方に変えてしまうので、慎重に実施方法を考えたほうがいいですね。
「当時の日台関係はさほど親密ではなかった」:きっかけは李総統の『台湾の主張』と921地震での交流が大きかったのではと思います。921地震での日本からのレスキュー隊やボランティアの人的支援は台湾でも大きな評価を受けました。日本のキャラクターなどが台湾にあふれ出したのは、やはりその後、陳総統時代からですし、逆に日本で”タピオカミルクティー”などが発売されたのも2000年以降だろうと思います。90年代は日本でのアジアの留学生といえば中国でしたが、今は台湾の留学生もかなり広く受け入れて貰っています。歴史PRは国民党や親中派に利用されて「日本領台時期」の旧悪を暴く方面に転用される可能性も高いので、今の交流の成果を見ていただきたいものです。
「靖国神社参拝問題」:子供が小学校で歴史を学ぶ時期になり、いつ大日本帝国時代の旧悪が出てくるか、これからびくびくし通しです。幸い今年の小学校高学年の内容では、日本の台湾統治に対してかなり客観的に負面と積極面が対照してあって、子供のショックは最低限ですんだようです。日本の固有性の主張を「靖国」に限ってしまうと、中国の罠にはまることになり、日本は新しい外交思想を出せなくなるでしょう。産經のような誘導も非常に危険で、中国が新しくアメリカで始めた「反日」キャンペーン体制作りを逆に支援することになってしまうでしょう。
派遣されたのではなくシンポジウムの招待で訪日したのです。
>台湾国内では、新聞局長時代の現政権寄りの”言論統制”のイメージが強く、
???
君は反日青系メディアのキャンペーンを鵜呑みにしているだけだろう。
反日を糾弾しているくせに、どうして中国時報が主張していた「新聞局長は言論弾圧した」というキャンペーンを鵜呑みにするのか、わからん。
しかも、あのとき林氏が中国時報を問題にしたのは、あれが国家安全予算という国家機密に関わる問題を暴露したから。
日本だって、朝日新聞がそんなことしたら、あなたは黙っていないくせにねw。
あなたの「反・反日」も実に底が浅い。しょせんは国民党の手先じゃないのか?
>ご紹介のような見識のある人物とは分かりませんでした。
これは民進党全体の一致したコンセンサス。
>「運転免許の相互承認」:運転環境と規則が相互に違うので、日本人は台湾のペースについていけず事故ばかり起こし、台湾人は日本で信号無視や逆走などの反則と危険運転で連日ニュースに載ってしまうかもしれません(笑)。
米国人や韓国人は日本で国際免許で運転できるんだが?
それにいまどき、台湾では逆走や信号無視なんてめったにないよ。10年前とは様変わり。
>お互いの評価を悪い方に変えてしまうので、慎重に実施方法を考えたほうがいいですね。
運転が荒いエジプト人とか、あなたの嫌いな韓国人は、とっくに国際免許で日本で運転できるんですが?
あなた、何も知らないで、台湾人だけを攻撃するのは、あなた自身が台湾人をバカにしているってことでしょ?
韓国人ができて、台湾人が駄目だという現状こそ、おかしいと思わないの?
ちゃんと調べてから書き込みしろ。
どうも、あなたの立場って、反日を批判しているように見せかけて、実際には中国を過大評価したり、国民党メディアを鵜呑みにしたり、実はあなた自身が反日主義者じゃないの?
>90年代は日本でのアジアの留学生といえば中国でしたが、今は台湾の留学生もかなり広く受け入れて貰っています。
違います。逆です。80年代から90年代前半あたりのほうが台湾の留学生は多かった。
私が学生時代にはずいぶん台湾人と遊びました。今でも友人づきあいがある人間も何人かいます。
むしろ中国人が増えたのは90年代半ばからです。
>歴史PRは国民党や親中派に利用されて「日本領台時期」の旧悪を暴く方面に転用される可能性も高いので、今の交流の成果を見ていただきたいものです。
それをいうなら、小泉政権が靖国など歴史問題を自ら取り上げたのが問題なのでは?
小泉がやっていることは東京裁判の否定にもつながるので、米国なども不快を示しだしている。
>「靖国神社参拝問題」:子供が小学校で歴史を学ぶ時期になり、いつ大日本帝国時代の旧悪が出てくるか、これからびくびくし通しです。幸い今年の小学校高学年の内容では、日本の台湾統治に対してかなり客観的に負面と積極面が対照してあって、子供のショックは最低限ですんだようです。
台湾人は歴史に興味がないからね。
国民党時代、あれほど反日教育やったのに、日本が「尊敬すべき国」の1位なんだからね。
台湾人はあくまでも現実的。歴史がどうだって、そんなことは知らない。
>日本の固有性の主張を「靖国」に限ってしまうと、中国の罠にはまることになり、日本は新しい外交思想を出せなくなるでしょう。
>産經のような誘導も非常に危険で、中国が新しくアメリカで始めた「反日」キャンペーン体制作りを逆に支援することになってしまうでしょう。
これはその通りです。
そういう点では、日本は歴史を持ち出すのを極力避けて、未来志向で、人権、平和、環境のために、どうやってアジア太平洋諸国が協力できるか、ということを打ち出すべきでしょう。
もちろん、そのためには中国とも対話する。しかし、中国には人権と環境についてどんどん厳しく意見する。
そういうことです。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/8739/information/license.html
韓国、フィリピンのほか、運転が荒いエジプト、レバノンとか、アフリカ諸国の多くも含まれている。
反日韓国が嫌いなくせに、韓国人が日本で運転することは認めながら、台湾人にはいろんな理由をつけて反対に近い意見をいう蓬莱の島君は、反日主義者なのか?
運転免許について
>韓国人ができて、台湾人が駄目だという現状こそ、おかしいと思わないの?ちゃんと調べてから書き込みしろ。
韓国人ができるなら台湾人なら当然できて当たり前です。日本政府は韓国の免許を認めていたのですか?知りませんでした。明らかに不公平ですね。
ましてこうした国々でもできるなら当然です。
>韓国、フィリピンのほか、運転が荒いエジプト、レバノンとか、アフリカ諸国の多くも含まれている。
台湾で運転して10年以上ですが、以前よりは確かにマナーや交通ルール遵守はよくなりました。しかし、地域と時間帯によって差があるのと、暴走族まがいが狭い道に突っ込んでくる点や、右端から左端への四車線ぐらいの強引な車線変更なども台北ではよくあることですし、オートバイは安全運転改善がそれほど進んでいない点から言えば、日本人が台湾で運転するとトラブルに巻き込まれるケースは少なくないと思います。台湾人が日本へ行った場合は、
>韓国、フィリピンのほか、運転が荒いエジプト、レバノンとか、アフリカ諸国の多くも含まれている。
という状態だということで、一家に一台以上に、これだけ車が増えてきた台湾人が運転しても大丈夫でしょう。他の国と比較することを忘れたのは台湾の方に大変失礼でした。
こんなのは、日本でも、首都圏と長州地域以外では、ごく普通のことだっぺ。
(なぜ長州かというと、あそこは日本近代警察国家発祥の地だからな。あそこの警察はウルサイ)
大阪と名古屋と福岡なんて、マナーの悪さは、今の台湾よりひどいかも。
大阪なんて、パトカーが前で事故処理してそれで渋滞していたら、パトカーに向かってクラクション鳴らしたり、パトカーを平気で追い越して、警察が注意すると逆切れするようなところ。ついでに、高速において路肩も車が通るのも大阪周辺では当たり前。
>日本人が台湾で運転するとトラブルに巻き込まれるケースは少なくないと思います。
でも私の友人は、台湾で運転するほうが楽だといっていた。なぜなら「他人のこと気にしないで、好き勝手に運転できるから」だとよ(わら)。
とはいえ、台湾にも台湾なりのルールがあって動いているわけ。だから事故らない。というのも、車線変更が多いので、みんなそうなるものという予測の元に動いているから、「不測の事態を想定していない」日本よりは安全だという話。
ただ、私は台湾では運転したいと思わない。同様に大阪や名古屋でもしたくない。
普通、在外邦人ならその程度のことは知っているはず。
知らないとしたら、あなたがあまりにも無知なだけ。
>ましてこうした国々でもできるなら当然です。
知らないなら、ちゃんと調べてから発言すればいい。
無知だと人を罵りつつ、
礼をしらない。
日本人の恥。
管理人さんがいまだこいつに対して
口の利き方に対し注意したのをみた
ことがない。
言っていることが正しい正しくないの
問題ではなく、それ以前の問題。
様々な台湾のニュースを管理人さんが
紹介しくれるのに、いつもこいつがその場の
雰囲気をぶち壊す。
靖国問題に関して日本のマスコミが馬鹿げているのは、「中国の内政干渉に屈するべきではない→靖国参拝を奨励した」「日中の対立に懸念を表明した→靖国参拝に反対した」といった恣意的な読み替えをやっている点ですが、シンガポールでのラムズフェルド長官のインタビューのように、合衆国側が歴史問題から派生する日中間の地域間対立に憂慮を示しているというのは概ね間違いないところです。知日派とされるM・グリーンCSISアジア上級部長も、台北タイムズとのインタビューでは、「中国が日本が民主主義を振りかざすことに対して歴史問題を、台湾問題に関して主権を持ち出してくれば合衆国としても声が上げずらい面がある」と本音言ってますしね。
この件に関して日本の新聞で見られる「メリケン合衆国の声」の面子は、クリントン政権時代とブッシュ政権時代の中道的な立場の人間でバランスが取れているように思うのですが、「余計なことで付け入られる隙を与えるのは日本にとってマイナス」であるから、「権利を留保しつつ、行使しない」というカート・キャンベル前国務次官補の意見が最適解ではないかと思います。
私自身は「中国の内政干渉に対抗する構図」として参拝を止めないという点では当初賛成だったのですが、落としどころも考えずに突っ走る点にはクエスチョンを付けました。
日本が誇るべき点は、焼け野原から19年目にして時速200キロの新幹線まで用意して開催した戦後の歩みにあると私自身は思っておりますし、昨年のこの時期は「東京裁判史観から東京五輪史観へパラダイムを転換させてはどうか」と思いました。マーケティングのイロハに「AIDMAの法則」というものがありますが、
〝Attention〟の段階のまま突っ走っていては、熊本弁で言うところの「やりばなし」の域に過ぎませんし、一意専心で突っ走っても日本にはマイナス面しかないと思います。
弱い犬ほどよく吠えるね。