私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

終戦60年目の首相談話と靖国~選挙優先で今回は止む無し

2005年08月16日 | 忘備録
戦後60年の節目の年ということで、TVでは様々な討論番組が放映されていました。私は同じ日本人同士でも歴史認識の完全な一致は難しいと思っておりますし、自身「東京五輪史観」で今のところよいかなぁと思っておりますから、少々横目で眺めただけですが、「歴史認識」でふと連想したのが車のバックミラーです。
幼稚園位の頃、父親が運転する時と母親が運転する時で、何故お互いバックミラーを調整しているのか不思議に思い尋ねたことがあります。ドライバーによって体型も違うので、見やすいように調整するのだといった返答が帰ってきたかと思いますが、各々の歴史認識というのもこれと似たようなものなのかも知れません。しかも鏡を通じて「間接的」に「後ろ」を見ている訳ですから、対象の見え方の個人差が生じる余地は大きいでしょう。
もっとも、「後ろ」を振り返ることに熱を上げる余り、眼前の事象を「直視」することを怠るとどうなるかは、車の運転では自明の理であります。(ちなみに私は車の免許は持っておりません)歴史認識を楯に過度の贖罪意識と加害者意識を植え付け、抵抗する意志をくじこうとする極東反日トライアングルの連中がしかける「心理戦」に引きずり込まれぬよう十分な注意が必要です。

◆「痛切な反省とおわびを表明」・小泉首相が戦後60年談話(日経)

節目の年の終戦記念日ですから、50年目に続いて「首相談話」が出されること、またその内容は基本的には4月にインドネシアで開催されたAA会議の内容、というよりも50年目でのいわゆる「村山談話」のトレースであるだろうとは予想しておりました。
「また謝罪と反省かよ・・・・」と文言を見ればうんざりする思いも多々あれど、今回、このタイミングにおいては内外共にもこれがもっとも無難であったという消極的な評価と申しますか、止むを得ない側面はあります。
村山談話それ自体の個々人の、「バックミラー」での見え方は種々様々である次第で、台湾の旧同胞の鄭春河氏などは、
「こんな國辱的謝罪論を公言して英霊を侮辱し自らの國を侵略國として祖國日本を破壊する國賊總理村山の如きものは世界中どこにも居ない」
と激怒されていますが、内容の是非はともかく実際に言ってしまったものは、「あれは認知症の老人の妄言で・・・・」と撤回する訳にはいかない。朝日新聞がいうところの「近隣のアジア諸国」はこれを尺度として虎視眈々と「その時」を待っていたのは想像に難くありません。
従って、それ以上でも、それ以下でもない、解釈の余地を与えないコメントをしておく方が無難だということです。そこから一歩でも踏み込もうものなら、乞食国家南北朝鮮は、「また日本ATMから金が出てくるのか」とあらぬ期待を抱き、そこから一歩でも後退しようものなら、ヤクザ国家中国は、「軍国主義の復活」と騒ぐのは必至です。否、この談話でも色々騒いでいる位ですからねぇ・・・・うんざりするのでいちいち引用する気にもなりませんが。
(あ。そうそう、國賊の元總理村山氏は先月人身事故を起こされたそうですね。眼前の事象をちゃんと「直視」せず、「後ろ」ばかりしか見れない人が車を運転すると「走る凶器」と化しますから、即刻ドライバーを引退して、人生を引退されるまで、「痛切な反省とおわび」の下に「謝罪と賠償」を続けてくださいませ)
対外的にもそうですが、国内的には何を差し置いても選挙です。今回は改革断行の是非、すなわち「旧い自民党をぶっ壊す」という勢いで公約を与党一致で有権者に提示できる千載一遇のチャンスであります。そこに「歴史認識」という付け入る隙を与え、選挙の争点をぼかすのは得策ではありません。マスコミの格好の餌食となることも必至でしょう。

これは靖国に関しても同じことです。郵政が参議院を通過してたら別の展開もあったでしょうが、これまた選挙第一です。終戦記念日に靖国参拝を強行するメリット・デメリットを天秤にかけると、明らかに後者の方が大きのは間違いありません。必要条件たる公明の選挙協力や与党協調体制が揺らぐリスク、また不本意ながら内外共に靖国が政治問題化しているという現実を鑑みて、「適切な判断」をしたということなのでしょう。
鴻池元防災担当相は首相が15日の靖国参拝を回避したことを「公約違反だ」と批判していますが、野党の議員みたいな軽々しい批判をすべきではないでしょう。「あれも、これも」が難しく、「あれか、これか」を選択せざるを得ない状況であれば、優先順位を考え、大局的見地から大鉈を振るわねばなければならないのは自明のことであり、それが上に立つ者に不可欠な資質です。(ついでに言えば、靖国は党内の首班指名での公約として選挙民に直接約束した内容ではなかったはずです)
私の実家の周囲には何の値打ちもなさそうな竹山がありますが、親竹は全ての竹の子に等分に栄養を与え、多数の栄養不全の竹の子を作るようなことはしません。一点豪華主義と申しますか、人間の親では考えられないような非情さであり、栄養を享受できず、生長できない竹の子は「止まり竹の子」ということになります。とにかく選挙と戦争と営業と入試は「結果が全て」であるということをよく認識しないといけない。選挙に勝たなければ何事も始まりません。終戦記念日の靖国は来年もチャンスはありますが、「猿は木から落ちても猿だが、議員が選挙で落ちたらただの人」という悲哀は彼らが一番よく解っているのではないでしょうか?
実際問題、小泉氏自身公約の重みを等分に考えている訳ではないでしょう。「自民党をぶっ壊す」が(改革の)キャッチフレーズ、靖国参拝が個人的な信念であるなら、郵政は先代から続く過去の怨念・恩讐も交えた政治家小泉のレゾンデートルと言っても過言ではありません。(この辺りの解説はやはり板垣英憲氏の独壇場ですね・・・・)
小泉首相は是非この選挙を乗り切り改革を断行するとともに、来年の終戦記念日に明鏡止水の心持ちで参拝して欲しいものです。

反対派の粛清以外にも「自民党をぶっこわす」というプロセスが進行しつつある点も注目されます。慶應商学部卒の中曽根氏が経済学部卒の小泉首相に毒矢を拭きつけ、その小泉首相は中曽根氏を粛清するとともに、法学部政治学科卒の橋本元首相にも密かに引導を渡しました。旧橋本派というのは衆知の通り田中派の流れです。一方小泉首相が政治家の模範と仰ぐ福田元首相と田中元首相は、かつての「角福戦争」を争った因縁つながち・・・・ここで積年の「角福戦争」の最終決着をつける格好となりました。
私自身一OBとして、「有名無実なウチの大学のOBが、政界激震の矢面に立つのは空前絶後のことかもしれないなぁ・・・・」と目を丸くしておる次第です。

※写真・・・・小泉首相、山崎拓総理補佐官?(だっけ)

しかし、「大東亜戦争100年」でも同じ談話だったらさすがに卒倒しますなぁ。

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2 コメント

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20万人 (KWAT)
2005-08-16 23:55:06
 昨日靖国神社へ参拝した人の数だそうで。ワタシもその1人でした(笑)。小泉首相が昨日あの場に姿を現していれば、そこに居合わせた人からは絶賛されたことは間違いないですが(参拝した石原都知事に多数の声援が送られていたニュース映像がありました)、その一方で選挙協力してくれるハズの公明党からは距離を置かれる可能性もありましたよね。tubamerailstarさんが仰る通り、とにかく選挙に勝たないことには何も始まらないので、今はグッと堪えて選挙の争点をぼかすことを避けたのだろうとワタシも思います。なので参議院で郵政民営化法案が通ってたら、きっと小泉首相は昨日靖国に参拝しただろうとも思いますよ。
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順番が逆に (まちこ)
2005-08-19 00:16:20
稚拙なブログにTBありがとうございました。

今回の本当の順番は郵政可決→靖国参拝→解散というシナリオだったのに番狂わせが起こっただけだと思っています。
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