私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

狂言と台湾オペラのコラボ、福岡で上演

2006年07月20日 | 台湾

三連休も終わってみると、大雨土砂災害や津波といった内外の自然災害や中東情勢の方が北朝鮮より急迫度が高い塩梅で憂慮しておりますが、こういう「諸行無常」な中にあっては、新聞報道より『徒然草』にでも目を通す方が精神衛生上好ましいようにも思えてまいります。私自身目下厭世的な気分に浸れるような余裕がないのが痛恨の極みなのですが・・・・

◆文化・芸能 オペラと狂言が競演 台湾声楽界の第一人者・曽さん 「瓜盗人」に感銘し作曲(西日本)
◆台湾のオペラと日本の狂言が競演 8月12日、福岡・宗像市で(西日本)

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台湾声楽界の第一人者、曽道雄さん(67)作曲のオペラ「案山子(かかし)と盗人(ぬすびと)」が、このオペラ誕生のきっかけとなった日本の狂言「瓜盗人(うりぬすびと)」とともに8月12日、福岡県宗像市の宗像ユリックスで上演される。日本と台湾の文化交流を深めるのが狙いで、オペラと狂言をそろって楽しめる公演は初めて。 
 「案山子と盗人」上演実行委員会(加来宣幸委員長)と西日本新聞社の主催。九州国立博物館、福岡県アジア文化交流センター、福岡県教委、宗像市などの後援。 
 狂言「瓜盗人」は、ウリ畑の持ち主が案山子を装って盗人を懲らしめるという物語。
 台湾唯一のオペラ集団「台北歌劇劇場」を創設した曽さんは、1987年に東京で偶然に「瓜盗人」を鑑賞。人間心理の奥底を描く芸術性に感銘を受け、約10年後、舞台を台湾の緑豊かな田園地帯へ移したオペラを完成させた。
 「狂言とオペラの競演―URINUSUBITO」と題した公演は3部構成。第一部が台北歌劇劇場オーケストラの演奏で、曽さんのオリジナル歌曲「長崎の少女―原爆犠牲者への鎮魂歌」などを披露。第2部が狂言、第3部がオペラ。
 出演は、台湾側が台湾師範大学音楽科の主任教授だった曽さんの教え子で、同劇場のメンバーら総勢75人。日本側は福岡市を中心に狂言公演に取り組む「福岡大蔵会」の狂言師ら10人。
 午後4時開演。入場料は、中学生以下800円、高校大学生1000円、一般2000円。親子券は2500円。 西日本新聞社事業局企画事業部=092(711)5550。
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ウィーン国立歌劇場やミラノ・スカラ座の公演は何度も聴いたことがありますが、「台北歌劇劇場」というのは私自身全くノーマークでした。上演機会としてはワーグナーの「ニーベルングの指輪」よりも遙かに希少価値がある意欲的な企画であり、是非観に行きたい(この頃は資格試験も終わっていることだし・・・)と思いました。当日は「長崎の少女―原爆犠牲者への鎮魂歌」という歌曲も演奏されるようですが、長崎の原爆慰霊の日に合わせたプログラミングでしょうか。
台湾の長榮交響楽団は昨年「熱狂の日」音楽祭(東京国際フォーラム)に参加していましたが、恐らくこれも初来日で、音楽というジャンルでの日台交流も近年盛んになってきたのかもしれません。(アイドル歌手何かは言葉の関係から香港や中国大陸に足が向くのでしょうが)

2月に物見遊山に赴いた際、たまたま台北市の中山堂で若手音楽家がヴァイオリンやピアノを演奏する登竜門的な演奏会を聴きに行ったことがあるのですが、演奏者も聴衆も中々ノリが良く、ざっくばらんな感じが新鮮な印象を受けました。国家音楽庁のHPを眺めておりますと、台北でもそこそこクラシック音楽の演奏会もやっているようですが、昨秋のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の台北公演の最高席は12000NT$(約42000円)と東京の最高席(36000円)より高く、「台湾の大卒初任給の半分位に相当するのでは?」と大変驚いた記憶があります。
もっとも、同楽団のソウル公演の最高席は日本円で50000円位とさらに高かったのですが、韓国は先頃公演を行ったNHK交響楽団(YONHAP NEWS)の最高席も約26000円と「法外」な値段(N響ならその3分の1の値段でも高いと思う・・・・)でしたから、韓国のクラシック音楽ヲタクは青息吐息なのかもしれませんね・・・・
因みにこのN響の韓国公演の件は何時だか朝のNHKニュースで見たのですが、「竹島付近の海流調査で日韓の対立がある中、今日の演奏会はどうでしたか?」といった調子で終演後の聴衆にマイクを向け、「NHKは対立が続く日韓両国の緩衝材の役割を果たしました!」と言わんばかりの報道は無粋の極みであり、朝っぱらから不愉快に思いました。
NHKがN響の海外公演にそういう政治的な色彩を帯びさせるのであれば出過ぎた行為以外の何物でもないと思いますし、N響の今後の運営のあり方にも疑義を抱かざるを得ません。
海外公演それ自体は意義のあることでしょうが、それ以前にN響が「のどじまん」並に国内の<オーケストラ過疎地>を回っているとも到底思えません。プライドの高さだけはウィーン・フィルに匹敵し、年俸の高さはロンドン交響楽団を凌駕する「国営」オーケストラの存在意義は一体何なのだろうかとも改めて思う次第です。

文化交流といったものは、政治的なしがらみや国交の有無といった杓子定規なフレームワークから解放されるところに意義があるのではないでしょうか。

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3 コメント

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どんなんだろ? (ボッケニャンドリ)
2006-07-21 17:22:39
 オペラと狂言が一緒になったら、異種格闘技の勝負の結果はルール次第なんて感じで、オペラ色が強いのか狂言色が強いのか野次馬的な興味はありますね。



 でも西日本新聞の写真を見るとなんとなくオペラっぽいのかな。オペラの声が聞こえてる時、突然狂言の声がって感じなのかなぁ。されだと何だ今のはって感じで笑えそうですが。
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狂言師 (PJ)
2006-07-22 11:35:15
地方にも狂言師がいるんですねぇ。

オペラは原語で聴くのが美しいそうなので、台湾語か中国語の言葉なんでしょうね。

中国語も日本語と同じようにお腹から声を出さないようなイメージですけど、オペラの発声法で聴くとどんな感じなんでしょうね。

ところで、何で博多じゃなくて宗像市なんでしょうねぇ。

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九州水害お見舞い申し上げます (tw_dot_com)
2006-07-25 01:42:21
ニュースによると九州は水害被害がすごいとのことで、被災者の方々にはお見舞い申し上げます。
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