台湾高鉄開業１周年

小泉内閣においても、整備新幹線関連の予算は聖域といった扱いでしたが、今建設中の区間（東北・北陸・九州）は中・長期的な社会資本整備として有意義な事業だと思います。しかし、高規格新線（スーパー特急方式）とでもいうべき西九州ルートの費用対効果は如何なものか。原則を捻じ曲げて無理に建設するだけのコンセンサスが得られているとは言い難い状況ですね。

◆「大動脈」効果と不満　台湾新幹線５日開業１年　地域開発に追い風（西日本新聞）
◆高鐵明通車一週年／兼課鐘p秀看表演 暑V！南北1日go（自由電子報）
◆新幹線をブラジルに、政府が導入働きかけへ（読売）

開業から１年を迎える台湾高速鉄道（台湾新幹線）ですが、「ひかり１、こだま１」の一日19.5往復から順調に本数を増やし、今年の春節辺りは大量輸送の本領発揮といったところでしょうか。
「利用者の意識調査で不満が多かったのが、駅までのアクセスの悪さだ」とのことですが、確かに新竹～台南の途中駅はすべてが〝新○○〟状態で、市街地からだと駅というより空港に向かうような感覚でしょう。台鉄とのアクセスがある台中烏日、左営も接続に難があり、高鉄の本数増と連動していません。（高鉄の本数３に対して有効接続列車が１しかないような場合がままある。まぁ、運営が別会社ですから完全な連携は難しいでしょうが）
駅のロケーションに関しては、元々沿線開発を狙って何もないところに設置したわけですから、新規需要創設効果共々今後の地域開発に期待といったところでしょうか。

自由時報紙では「高鐵也拉近了南北的文化距離，像維也納國家歌劇院數百人來台表演，就是搭著高鐵南下高雄演出，而中南部民眾北上欣賞藝文活動的次數也越來越頻繁」と、昨秋のウィーン国立歌劇場の高雄公演を例に引いていますが、台中にもオペラハウスが建設中のようですし、文化芸術活動の台北一極集中が縦貫軸に広がって行く効果も期待できようと思います。（NYフィルの連中も新幹線で高雄に移動かな？）



そういえば、JTB時刻表の表紙がこれだったので昨秋一冊購入したのですが、各駅の構内配線等も記されており、車両編成表の６号車（商務車）には、

のマークが記されているのが個人的には面白かったですね。「台湾が帝國領に復帰したみたいだな・・・・」と思いつつ寿司屋のカウンターで眺めておりましたら、板前さんもG．Wに台湾旅行で乗ったとのことでした。（鉄道よりも台湾の刺身、醤油、山葵がマズかったという話で盛り上がりましたが・・・・）

海外の鉄道がJTB時刻表の表紙を飾ったことがあったかな？というのが昨秋来の疑問だった（「ユーロスター」開業の時はもしやと思って探した記憶が）のですが、「台湾新幹線が初」というのは何か落とし穴がありそうで調べてみましたところ、「ＪＴＢ時刻表に海外の鉄道ダイヤが掲載されるのは、1988年9月号の韓国国鉄（ＫＮＲ）以来19年ぶりのことです」（るるぶ広場-ＪＴＢ時刻表編集部ブログ）とありました。「やはり韓国だったか・・・・」としばし脱力。
88年といえば時期的にソウル五輪の頃ですかね。この頃は下関で釜山航路に乗り継ぐ「日韓共同きっぷ－ひかり＆セマウル号」何てのを売っていました（まさに戦前の弾丸列車構想みたいですが）が、「格安航空券」で気軽に海外に行けるようになったのは９０年代になってからですので、これはこれで往時がしのばれる話ではあります・・・・

閑話休題、台湾高鉄は自由席の２割引を今年も継続して欲しいですね。現地での〝適正価格〟は1200TWD位（台北～高雄：約４２００円）じゃないか？という気もしますし。

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