私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

アーミテージ前国務副長官、陳総統と会談へ

2006年03月09日 | 台湾

ブログの本文の冒頭のみを表示させる方法に遅まきながら気付きました。そもそも所期の目的は「旅行先(台湾)で撮った写真の個人的な電子落書き帳」(←こういう風に簡単に使えると助言してくれた知人のブログは半年前から更新かかっていない)であり、ここらへんの文章は私的にはどうでもよいので、我が意を得たり(?)です。
今さらといえば、当初ブログのタイトルはデパートの各フロアのようなものと勘違い(それはカテゴリーで分類するんでしょうが!)しておりました。現状のタイトルを「一方的に変更」してもメリケン国務省から文句付けられることはないのですが、もはやメンドクサイので「現状維持」。・・・・仕事も私的なことも台湾海峡も、概して維持している「現状」というのは、その立ち位置が微妙に変化していくのがその本質ではないかとも思う今日この頃です。

◆Armitage arrives in Taipei today(Taipei Times)
◆ライス長官のアジア外交を痛烈批判…米・前国務副長官

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<Taiwan Quick Take: Armitage to meet Chen>

2006年3月07日火曜日,Page 3

Former US deputy secretary of state Richard Armitage has plans to meet with President Chen Shui-bian (陳水扁) during an ongoing visit to Taiwan, Minister of Foreign Affairs James Huang (黄志芳) said yesterday. Huang made the remarks while fielding questions from opposition Taiwan Solidarity Union (TSU) Legislator Lo Chih-ming (羅志明) at a special session of the Legislative Yuan, during which Premier Su Tseng-chang (蘇貞昌) delivered a report on the policy-making process concerning the cessation of the National Unification Council (NUC). According to Lo, Armitage arrived in Taiwan last Saturday and met with former president Lee Teng-hui (李登輝) on Sunday to exchange views on issues of mutual concern. Lee is the TSU's so-called "spiritual leader." Armitage's visit was scheduled a long time ago, so it has nothing to do with Chen's decision to cease the NUC's function, Huang said.
(黄志芳外交部長は昨日、合衆国のリチャード・アーミテージ前国務長官が台湾訪問の間陳水扁総統と面会する計画があることを明らかにした。これは蘇貞昌行政院長が立法院の臨時会で報告した国家統一委員会(NUC)の停止に関する政策決定プロセスに対する、野党台湾団結聯盟(TSU)の羅志明立法議員の質疑の席で明らかにされたものである。羅議員によると、先週土曜日に台湾入りしたアーミテージ氏は翌日曜日に李登輝前総統と会見し、両国間の懸念事項について意見交換したという。李氏はTSUのいわゆる「精神的指導者」である。黄外交部長は、アーミテージ氏の訪台は以前から予定されていたもので、NUCの運用停止という陳総統の決定とは無関係であると述べた)
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アーミテージ氏は台湾財団の招聘で訪台し、同財団に対して民主主義をテーマとする講演を行う予定だったようですが、メディア露出の回避という理由で中止となったようです。
「個人的な理由での訪問」が期せずして特命大使のような色彩を帯びる格好となりましたが、アーミテージ氏は日曜日に李登輝前総統と会見したほか、馬英九KMT党首、王金平立法委員長の他、何と陳総統との会見にも臨むようですね。

<Armitage told the media yesterday that he did not expect President Chen Shui-bian's decision to mothball the National Unification Council would have a significant long-term impact on cross-strait relations.>
(アーミテージ氏は報道各社に対し、NUCをしまいこむという陳総統の決定は台湾海峡関係に重要な長期的影響を及ぼすものではないという見解を示した)

<Prior to visiting Legislative Speaker Wang Jin-pyng (王金平) yesterday afternoon, Armitage said that Taiwan can have a new constitution if that is what voters want."Any democracy can change its constitution if it has the support of the people. If Taiwan wants it, they can do it," he said in response to a question from reporters.>
(昨日午後、王金平立法院長との会談に先立って、アーミテージ氏は有権者が望むのであれば台湾は新憲法の制定が可能であるという考えを示した。氏は記者の質問に対して「有権者の支持があれば憲法を変えることが出来るのはどの民主主義国家でも同じです。台湾が望むのであれば可能なことです」と記者の質問に回答した)


これに先立って豪州を訪問したアーミテージ氏は、豪紙とのインタビューでライス国務長官のアジア外交を痛烈に批判したようですが、先頃の一般教書演説の草案は私自身失望するに充分な内容でした。槍玉に挙げられたライス国務長官の動きとしては、一月下旬に韓国の潘基文外交通商相と在韓米軍の運用に関する戦略対話を行ったのみ(確かに韓国は朝鮮半島以外に借り出されることを渋ってはいたものの長官自らが対話を行うほどのものやら・・・・)で、米中・米日関係はゼーリック副長官に丸投げといった感じです。(出ずっぱりで忙しいのは間違いないでしょうが・・・・)
知日派としても知られるアーミテージ氏は「世界の中心はアジアに移りつつあり、この地域について深い議論をする時だ」と述べています。イラク戦争の余波でアーミテージ氏を失ったのは日本や台湾にとって痛手だったなぁと改めて思いますが、氏は超党派によるアジア戦略の勉強会を主宰していますし、台湾海峡問題に関してはアーミテージ氏が合衆国・日本・台湾の仲介役となってもらえないものかと思います。(エレリー副報道官以下のトンチンカンな連中も叱り飛ばしておいていただきたい)
日本としては、さしあたって時期的に日米豪三カ国外相による初の戦略対話(これは大野・町村前長官のお手柄!)が焦眉となるだろうなと思うのですが、そういう中で、

◆麻生外相、「台湾は国家」と明言=参院予算委(時事)

・「民主主義がかなり成熟しているし、経済面でも自由主義経済が浸透し、法治国家だ。いろんな意味で日本と価値観を共有している国だ」
・「その(日中共同声明)範囲の中で、(日本と台湾の)両国関係は維持されるべきだ。『両国』と言うとまた問題になるかもしれないが、日台関係はきちんとした対応をされてしかるべきだ」
・・・・岡田直樹氏(自民)って対中強硬派だったかと思うのですが、どういう文脈で出た話だったのでしょうか?
麻生外相の発言は至極もっともな内容ですし、そもそも今さら「台北と北京、どちらが〝全中国の代表〟か?」といった論点でもないと思うんですよね。仮に「日本は72年以前に戻って、台北政府を〝全中国の代表〟として再承認したい」何て提案をしたとしても、当の台湾自体有難迷惑な話でしょう。
台北か北京かといった虚構の連鎖をブレイクスルーする新たなパラダイムを打ち出せるのは、ある意味(合衆国でなく)日本なのかなぁとも漠然と思ったのですが、WTOのそれみたいに「台湾・澎湖・金門・馬祖地域独立政治実態」といったようなうまい方法(実際台湾と澎湖の法的地位は未定ですし)がないものやら・・・・

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
岡田直樹氏は高校の先輩 (むじな)
2006-03-09 18:09:24
岡田直樹氏は、私の高校の先輩。といっても3年上だから重なっていない。ただ昨年秋高校の同窓会の夕べで、アジア外交について対談した間。

だから、そのときの内容に即した質問をしたのだと思う。だから外相が国と答えたわけだろうし。

質問の内容と意味と背景などについては直接問い合わせてみてもいい。

岡田氏には春には台湾を訪問するようにいってある。



ちなみに金沢の北国新聞が出している「北国文華」という季刊雑誌に日台関係についての文章を書いた。まあ全国的に売られているわけではないので、東京だと書肆アクセスあたりで入手するしかないかもしれないけど。
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アーミテージ訪問で火消しの効果? (むじな)
2006-03-09 18:12:21
アーミテージ台湾訪問について、こちらの統一派メディアは「さらに圧力をかけるため」と悪意の観測をしていましたが、私の読みどおり、むしろ台湾をなだめて、反米機運が高まらないようにするものになりましたね。

まあ、アーミテージ、グリーン、キャンベル、リチャードブッシュあたりがくれば、わりと台湾に好意的になるのは目に見えたけど。

たまたまだったとはいえ、米国の頓珍漢な対応で、反米に流れかねなかった時期だけに、アーミテージの訪問と発言は、火消し効果になったといえる。
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そうなんですか! (tsubamerailstar)
2006-03-09 18:55:22
>むじな様



岡田直樹氏は先輩でいらしたのですか!先輩後輩繋がりのすばらしい人脈ですね。

「北国文華」はさすがに福岡では売っていない気がしますが、石川自体観光とかでは好きですので拝読させていただきたいですね。



アーミテージ氏の訪台は確かに偶然で、結果的にはまさにむじな様が指摘されている「火消し効果」だったかと思いますが、一時的なものではなく、手薄な台湾関係への継続的なバックアップとアホな国務省への「ご意見番」になって欲しいです。

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統一派は(内心)「圧力」歓迎では? (平凡会社員)
2006-03-09 22:44:42
馬●九の「国賓待遇」&「ハーバード大学での講演」というのは、本当なんですか?



本人の考え方がフラフラして定まらないのに、呼んじゃって大丈夫なのか…?って心配になりますけどね…。

(何故こんな男が人気者なのだろう…?)
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Unknown (猫研究員。)
2006-03-09 23:44:29
>Any democracy can change its constitution if it has the support of the people. If Taiwan wants it, they can do it," he said in response to a question from reporters.



期待するだけ無駄なことは承知の上で書きますが、これ、国務省が言わなきゃ…。



麻生・岡田両氏は連携プレーかな。少し前なら大臣のクビが飛ぶような話なのに、いつの間にか堂々と正論を述べる事ができるようになったものです。
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岡田議員と麻生大臣のやり取り (むじな)
2006-03-10 00:31:48
さきほど岡田直樹氏に電話で聞いてみました。

岡田氏は、中国と韓国が靖国問題などで日本に干渉していることと絡めて、台湾を戦略的にどう位置づけるのか質問したそうです。

それに対して麻生大臣は、台湾は法治国家であり、価値観を共有する国だと認識すると、国という表現を二回使ったが、その後、ちょっとまずいかなという顔をして、ただ日本政府としては日中共同声明で、中華人民共和国を唯一の合法政府としている、その前提で話しているが、私は習慣的によく台湾を国といってしまう、と答えたらしい。

さらに観光誘致についても和倉温泉の加賀屋の名前を出して滔々と述べたということです。



なかなかヤルじゃん。
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Unknown (むじな)
2006-03-10 00:33:39
>本人の考え方がフラフラして定まらないのに、呼んじゃって大丈夫なのか…?って心配になりますけどね…。

>



いや、世界のハーバードでいい恥さらしになるほうが、国民党の失点、台湾人にとっての幸せなわけで。



>(何故こんな男が人気者なのだろう…?)



当分人気があると思わせておいて、08年選挙になって落とせばいいだけですから。

まあ、平時と選挙では、台湾の雰囲気ってまったく違うので、今の時点で喜んでいる国民党も馬もアホだと思います。

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麻生大臣&馬氏 (tsubamerailstar)
2006-03-10 18:35:09
>猫研究員様、むじな様



むじな様、どうもわざわざ有難うございます!

何か麻生さんの背後に李登輝総統の匂いを感じますよね。それはいいんですが、先日も来日してノーマーク(?)の謝長廷前行政院長つかまえておけばよかったのに!「浮き沈みが激しい」謝長廷氏は合衆国で充電期間だそうですが・・・・



>平凡会社員様



なる台ではそう書いてありましたが、「国賓待遇」というのはKMTが勝手にホラ吹いているだけなのかもしれません。「酷貧待遇」ということはないでしょうけど。(爆)

私もむじな様が仰るとおりまた地雷踏んで笑わせてくれることを期待したいものです。

本人はどう思っているか知りませんが、党内基盤的には水面下で足をバタバタさせている白鳥みたいな感じではないんでしょうかねぇ。

少なくともKMTの連中が全員コイツ程度のオツムの持ち主とは思えないし、むじな様によると主席選挙で王金平と誹謗中傷合戦やったしこりも残っている(なる台でもその手の記事目立ってましたね)ようです。むしろフリーハンドな王金平の沈黙が気になりますし、その主席選挙も1万人の内の投票率5割の7割程度の得票率だったんですよねぇ。

台北市って見るからに「中華民国在台湾」といった風情ですが、中々どうして台湾は広いようです。そこら辺が在台の日本人記者の認識の死角だったりするんじゃないかという気もします。

一つ馬氏を褒めてやるとすれば、アーミテージ氏と会談した際に、国務省のエレリー副報道官が陳水扁と呼び捨てにしたことに抗議したんだそうですね。その程度のプライドは最低持っているんだなと思った次第です。
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