<極東三国>との関係は極めて険悪だったこの一年ですが、台湾筋からもこの一年を振り返っての談話が報じられているようですので、部屋掃除の前にこれを見ておくことにいたしましょう。(う~ん、飛行機が14時で、自宅から空港までタクシーで20分程度とはいえ、掃除は越年だなと既にやる気ないモードですが・・・・)
◆陳総統「民主、自由、人権は台日の普遍的価値観」(台湾週報)
◆許代表、今年を振り返り「台日関係の立法化に向け努力」(台湾週報)
◆台湾与党「日本と準戦略パートナーに」 関係強化目指す(産経)
◆「日本、準戦略パートナー」台湾・民進党の対日関係文書草案(中日)
◆王貞治監督「台日のさらなるスポーツ交流促進を」(台湾週報)
駐日代表処の許代表は、この一年を振り返り「台日関係はよい進展があった」と述べ、陳総統も「台日両国に正式な国交こそないものの、それ以上のかけがえのない関係にある」旨をコメントされていますが、断交後初の叙勲や相互往来が100万人を突破し(愛知万博の一番のお客さんも台湾からでした)、台湾からの渡航客に対するビザの恒久免除措置が実施されるなど、日台双方の実務外交が大きく飛躍したこの一年だったと言えるのではないかと思います。
陳総統も両国間の往来や交易の拡大について言及しつつ、「民主、自由、人権」という両国に共通する普遍的価値観を深化させたいという意欲を示していますが、未来志向の両国関係の更なる進展を期待したいものです。
先日、対日関係や歴史認識についてDPPが作成した「対日関係論述」という文書の内容が報道されていましたが、それによりますと、台湾の与党は自由、民主主義という価値観を共有する日本を「準戦略パートナー」と位置づけ、日台関係の強化を図る方針であるようです。今年は戦後60年にあたる年でしたが、〝中華民國総統〟の陳総統は、「抗日」という言葉を避け「抗戦」という表現を用い、日本のことを「パートナー」と呼ぶなど、日本への配慮もにじませたような慎重な言動(記事)が印象的でした。また、週刊文春誌や週刊新潮誌で対談を行ったり(文春は10数年読んでいますが、現役の〝大統領〟が登場したのは初めてでしょう)、7月には日本記者クラブ主催のインターネット講演を行ったりするなど、日本のメディアでの露出も目立っていたように思います。(謝長廷氏を行政院長に任命した辺りも対日関係を意図してのことだったのでしょうか)
日本の戦争責任や靖国神社云々については、
「日本の文化伝統を尊重する。戦没者をまつることに反対しないが、遺族の意見も尊重し、必要なら姓名資料を削除すべきだ」(中日)
「深く反省すべきだが、恨みを持ち続けたり、強めたり、国際社会でより大きな責任を果たそうとする日本を妨げる要素としてはならない」(共同)
といった見解が示されているようです。実際小泉首相が靖国神社を参拝した件に関しては、呂慶龍・外交部スポークスマン(台湾週報記事) が、
「台日の関係は友好的であり、今後も双方が努力することを希望する。日本は過去の歴史を正視し、未来思考で将来を見据えてほしい」
とコメントを出していましたが、過去の軍国主義等の賛美といった誤解や懸念を抱かれないよう慎重に対処して欲しいといったところなのでしょうか。勿論復古主義的な軍国主義礼賛などもってのほかですし、私自身靖国神社の軍事博物館みたいなところに十年位前一度赴いてちょっと引いてしまった記憶があるので、あらぬ誤解を招かないような配慮は必要と言えるかもしれませんね。(その意味では神社側からの何らかのコメントもあって然るべきかもしれません)
台湾に関する戦後補償に関しては、ハンセン病の患者の訴訟問題等もありますし、韓国のそれと比べると十分であったとは言い難い面があるのは事実だと思います。日華平和条約も、蒋介石国民党という「中国の代表」と交わしたものですから、台湾の旧同胞を意識したものだったか疑義が生じる部分もなきにしもあらずです。この辺は日本も真摯に対応していかねばならないでしょう。
「(日本は)日台関係と日中関係を切り離し、それぞれを並行して発展させるべきだ」という台湾側からの要望・期待も寄せられていますが、これも今後の重要な課題です。
戦後日本はダレス国務長官に言われるがままに、蒋介石国民党政府を「全中国の代表」として国交を結び、72年以降は日本が承認する「中国」が台北から北京に変わったに過ぎないといったところなのでしょうが、昔の台湾は中国を含み、今の中国は台湾を含むといった実情と著しく乖離したあり方は何とかならないものかと思います。「一つの中国」という建前は堅持しつつも、実質的には二重外交を行っている合衆国と比べ、台湾を一方的に切り捨てた日本のやり方が多くの問題を残したのは間違いありません。
日朝国交正常化に何のメリットがあるのかはよく判りませんが、「日台国交正常化」の知恵も何か見出せないものか、少なくとも「日本版台湾関係法」のような両国関係に関する何らかの法制化が待たれるところです。
台湾とは来春の「第1回ワールドベースボールクラシック」で対戦し、先日訪台した王監督と陳総統が熱い野球談義を交わしたようです。これに関しては日本も譲れないところで、両国の健闘を祈念したいと思います。
※写真・・・・太魯閣峡谷
皆様、どうぞよいお年を!
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引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
台湾がただの「親日」ではないことがわかったのは
こちらのブログのおかげです。
来年も、日台以上の「友誼」(あってるかな?)で
お付き合いお願いいたします。
いつも画像の使い方がお上手です。
重くなっていないところも素晴らしい。
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2005/12/post_402.html
櫻井よしこさんも書かれてますが、台湾人大多数の意思を尊重しつつ日本は真剣にもっと台湾に関わるべきだと思いますね。
本年もよろしくお願いします