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平成ウルトラセブン REVOLUTION 5部作

2006年11月10日 10時03分34秒 | ウルトラマン
季節はずれの平成セブン燃えも大詰めを迎えました。平成セブン2002年版5部作。エピソード#は時系列的についているくせに、見る順番は#4からというややこしいシリーズ。5部作といっても、エピソードごとの印象がえらくまちまち。#4「イノセント」、#1「ダークサイド」、#2「パーフェクトワールド」はともかく、#3「ネバーランド」で混乱。よく見たら脚本が平成ノンマルトで思いっきり滑った○上さんという人だった。そして最終話#5「アカシックレコード」…うう。以下、ネタバレ感想まいります。

#4「イノセント」
のっけからウルトラセブンと(ネオ)パンドンが地上で格闘中。防衛軍は壊滅し、ウルトラ警備隊は残党という感じ。メンバーもカザモリ退役、サトミ不在、ツンデレ新隊員ユキ参加で構成が変っています。そして鉄人28号ぽいコントローラーでネオパンドンを操つる謎の男。なかなかセンセーショナルなスタートです。

警備隊はネオパンドンの撒いたタンポポみたいな種を殲滅しますが、巻き添えで枯れる森が哀しい。そこに荒れた森を癒す謎の少女ミツコ登場。イノセントって彼女の事なんでしょうね。自然のヒーリング効果が強い意思で具現化したという感じ。

超能力者=危険という思考回路の警備隊はミツコを追跡。対してミツコを守ろうとする放浪者カザモリ@セブン未満。ネオパンドン再び出現&カザモリ、セブンに変身。どうやらカザモリくんはようやくセブンと融合できたようです。おめでとう?

地上では謎の男の謀略?により、ネオパンドンのコントローラーを巡ってミツコと防衛軍がややこしい事態に。で、思い切りのいいシマ隊員がミツコを撃ってしまいます。ありゃー。ネオパンドンをやっつけたはいいが、ミツコを失ってガックリのカザモリ@セブン。警備隊が確保していたパンドンの種を拝借して対立関係へと歩みます。#5につづく。

無垢な存在なんてありえない、でももしあったら?てな、ファンタジーぽいお話でした。暗黒星雲?に追放されていたらしいセブンがどうやって地球に戻ってくるのか、これから語られるもようです。


#1「ダークサイド」
ななな、泣きました~。要は地球に潜伏していたぺガッサ星人の生き残りが善玉悪玉に分かれて地球をどうする?って話なんですが、地球を巡ってペガッサ同士殺し合ったりしているのがリアルというか、物悲しかったです。

強硬派ペガッサが往年の復讐に燃えてダークゾーンを作り出し地球を侵略しようとするのに対し、穏健派ペガッサは過去を忘れて地球人とひっそり共存していきたいと考えている。強硬派ぺガッサの作り出したダークゾーンを消滅させるために穏健派ペガッサのリーダー、サユリ先生(桜井浩子)が特攻してしまいます…うう。

サユリ先生はペガッサでありながら山奥で地球人の孤児達を育てていたという聖母のような人。防衛軍の新入隊員ユキの育ての親でもあります。入隊時は嫌な女に見えたユキがペガッサ事件を追ってサユリ先生と偶然再会。つかの間の温もりと、人生観を覆す葛藤に続く悲しい別れに心揺さぶられます。

自分が育てた異性人(この場合地球人)の孤児達に泣き叫ばれ後ろ髪引かれながら去っていくペガッサママの無償の愛が、桜井浩子さんの毅然とした演技と絶妙なハーモニーで、単純な私には号泣ものでした。ちなみにその頃、一緒に見ていた息子7歳は違った意味で泣いてました。「セブンが出なかった~」確かに。(笑)

件のセブンは今回ずっと暗黒星雲に幽閉されていました。地球は最終章6部作の後、宇宙連合?と不可侵条約とやらを締結。見た目平和、実はじわじわと宇宙人に侵入されているという状況。防衛軍には新たにサイジョウ参謀が、警備隊には件のユキ隊員が加わっています。サトミは最初予備役ということで別荘みたいな家に篭って御伽噺を書いてましたが、ペガッサ事件で復帰。ユキとは育ての親が宇宙人ということで心通じたもようです。

そういえば、前シリーズで用済みになり開放されたカザモリ隊員は警備隊を退役。放浪しながら自分の中に残るセブンのかけらを模索しています。なぜかセブンとカザモリの関係を知っている宇宙人=サユリ先生にも助言貰ったりしてました。(笑)


#2「パーフェクトワールド」
ななな、泣きました~。って言ってばっかりだと自分がアホみたいですが、今回はシラガネ隊長の切ない切ない心の旅メインだったので涙なくしては語れません。私的感動のツボのダントツはやっぱり迷い悩めるおっさんなのだ。コレに敵うものはないなと再認識しました。(笑)

防衛軍が宇宙人にとって代わられている事を悟ったウルトラ警備隊。解散したと見せかけて今や宇宙人の巣とも言える防衛軍基地を爆破しに向かいます。しかしゴドラ星人と遭遇、精神派攻撃を受けて昏倒。隊員達はそれぞれ心の迷宮で堂々巡りします。シマ隊員→体力作りのカツ丼食いだめ。ミズノ隊員→地球防衛に役立てる本読みだめ。ユキ→自己欺瞞劇場。そしてシラガネ隊長の心は二度と取り戻せない過去へ跳びます。

シラガネ隊長人生最悪の日。それは妻とお腹の子供をいっぺんに交通事故で亡くした日でした。妻を救いたい隊長はどうにかして未来を変えようと模索しますが、妻の命と当時の任務の狭間でタイムループを行ったり来たり。最後は夫から事情を聞いて自らの運命を受け入れた妻に説得され「行ってらっしゃい。」と送り出されて現実に戻ります。このくだりが猛烈に切ないです。

シラガネ隊長の覚醒と同時にカザモリとサトミ隊員が警備隊の援護に駆けつけます。シラガネ隊長、逃げるゴドラ星人から防衛軍の機密ファイル(オメガファイル)を取り戻し、かつて妻の亡くなった日に宇宙人の爆破から守った防衛軍を今度は自らの手で破壊します。隊長カッコイイです&渋いです。

そういえば、カザモリ。なにやらすっかりエスパー状態。暗黒星雲からぽろぽろやってくるセブン汁が大分溜まってきたもようで、セブンの幻影も出始めました。目覚めは近い?


#3「ネバーランド」
ええと、前回までなかなかドラマチックに来ていたのですが、唐突に混乱の様相を呈してまいりました。

このお話、恐らく「警備隊員として誰よりも平和を願っていたサトミの死がセブンを地球に呼び戻してカザモリと一体化した」というような筋なのでしょうが、色んなところで色んな連中が同時多発的に動いていて、それがバラバラのままなので訳が分かりません。

ガルト星人がカザモリに宇宙の摂理を説いてみたり、ケイタイを使って星人が人類を支配していたり、円盤竜ナースみたいな観測員がいたり、謎の男が「あの方」の話をしていたり、進化した人類(スーパーキッズ達)が旧人類に謀反を起こしてみたり旧人類をマインドコントロールしたり、新人類の間でまた仲間割れしたり。殆どそのとばっちりでサトミ殉職したりでもう何が何だか…_| ̄|○

放浪者カザモリ、セブンになりたいけど自分を失うのが怖い云々で寺へ…住職に仏の道を説いてもらい悟りを開く?うう…そういうもんなのか?まあいいです。ウルトラマンって仏像がモチーフだったりするそうなので、教会に行かれちゃうよりは納得できるかも。とにかくセブン復活してネオパンドンと戦ってます。これが#4に繋がっていたのですね。さて、どうオチをつけるのか?

#4「アカシックレコード」
ガルト星人って…もしかして墓穴掘っちまった?(笑)という話、なのかも。

アカシックレコード=当該惑星の過去と未来総てが記録されているというモノリス状の石版。ガルト星人は地球のアカシックレコードを発見。人類が将来滅亡し植物生命体に取って代わられる事を知り、地球支配を目論む。…んですが、侵略目的なら人類が滅ぶのを待ってた方が効率的だったような。REVOLUTIONシリーズを通して色々余計な謀略をめぐらしたせいで、サトミが死にセブン黄泉返り少女(サトミ)の祈りによりアカシックレコードが書き換えられて人類に未来への道が開けてしまう。一方、ガルト星人本人は怪獣ガイモスもろともセブンにヤラレてしまった。何だったんだいったいと言う感じです。

アカシックレコードがまたチャチ過ぎる。地球の過去と未来がアレ?というか、人類と植物(人間体)とネオニューロン(新人類)以外に明確な枝がないんですけど。他の生命体達は?ノンマルトはどうしたの?存在しなかったの?じゃあセブンが暗黒星雲でしていたお勤めは一体何だったの?ついでに謎の男(ユキの元上司)はアカシックレコードの使者になってたみたいですが、レコードそのものに意志があるんですか?ユキ隊員をネオニューロンにしたのもレコード?第一あの円盤竜はいったい…?もう謎だらけです。そして謎は謎のまま終わってしまいました。余韻と言う意味の謎ではなくて、単に不完全燃焼です。

そしてカザモリの解釈「サトミの祈りが円盤竜に届いてアカシックレコードが書き換えられた」というのも正直納得しがたい。レコードの解釈の問題とかいうならともかくロコツに書き換えられたとなるとハナっからアカシックレコードの定義が成立しない、というか好きじゃないですこういうの。

#2の「パーフェクトワールド」で、「変えられない運命でもそれを受け入れる人間の気持ちは変えられる」というような隊長物語がありましたが、そっちの方がよっぽどお話として成立していたし感動しました。人類の運命がテーマの「アカシックレコード」では、世界観を宇宙規模にして色んな法則をくっつけてサトミ殺してセブン復活させてユキを新人類にして引っ掻き回した挙句、素人の御伽噺一つで既に決まっているはずの運命を変える反則技…あんまりドラマチックじゃないような気がします。

細かい??がいっぱい:
カザモリが前回パチったネオパンドンの種は別の人間体ミツコに成長していました。もし警備隊が種を殲滅していなかったらミツコがうようよ…?想像すると結構楽しいような怖いような。

ウルトラ警備隊は防衛軍爆破後、警察署(サコミズという署だった:笑)を間借りして?活動していたみたいですが、ホークやらはどこからどう発進させていたんでしょう?なんというか、こんなしょうもない突っ込みさせないで欲しいです。

カザモリ、ラストシーンでは口調がダンっぽい。「オレ」が「わたし」になっている。もしかしてカザモリの人格はダン@セブンに呑みこまれてしまったのかなあ。(合掌)

あとどうでもいいんですが、カザモリの着ているジャケット。U.S.ARMYのロゴがロコツ過ぎて違和感爆発。スポンサー関係なんでしょうが、もう少し配慮してくれと思います。


シリーズ総括
個人的にセブンが登場しないお話の方が味わい深かったというのが皮肉でした。そして、この世界の地球でこの先人類とセブンがどうなっていくのか…限りなく不透明です。


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