「長野県民俗の会次回例会(6/28 伊那市創造館)において、再び民俗地図作成を促す例会を予定している」と「『長野県町村誌』から民俗地図を 前編」で触れた。5月初頭に検討を始めたものの、もう1か月。そろそろ具体的な説明資料を用意していかなくてはならない。そうした中、会員からの要望に、地図上に地点を新たに落としてデータを作成する方法を教えて欲しいとうかがっている。もちろんそれも例会で触れる予定だが、「何か良い事例がないか」と友人に相談したところ、かつて例会で行った調査の話が上がった。2年前に開催した第237回例会では「六道地蔵尊 仏迎え」を見学し、その際参拝者の居住地を聞いた。ようは参拝する人たちがどこから来ているかを調べたわけである。それを地図上に落としていくというのが友人の「案」であった。次回例会は伊那市で開催することから、できれば試作は伊那市に関係したもので、と思ったなかで出た友人からの提案であった。
そこで作成してみたものがここに取りあげた図である。「どこからですか」と聞いて答えられたものを一覧表に当時まとめてあった。それを地図上に地点として落としていくわけだが、詳細な地点名を口にされたかたもいれば、かなり広範に地域名で答えられた方もいた。図化した際に点がなるべく重ならないように曖昧ではあるものの、答えられた地域名の範囲内に散在させて落としていった。図でもわかるように六道地蔵尊の周囲に点が多くなるのは当然のこと。友人ともこの図を見て話題になったのは、三峰川の南側から訪れる方が少ないということ。もちろん天竜川の西側から訪れる人も少ない。最北は箕輪町松島、最南は宮田村大田切の方だった。長谷や高遠から訪れる人も、意外に少ない。聞き取りした際に、毎年訪れているのか、新盆の年のみかという質問もしている。この図ではその点についても色で表してみた。
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